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回復に費やした一日

仕事が地味に忙しい。加えて、資格試験の勉強も始めた。でもなぜか最近調子が良くて、学生時代にあれほど嫌だった理系の勉強ができるようになっていた。(自慢じゃないけどセンター試験の数学で1桁の点数を叩き出した。)休日でも5時間くらい机に向かって参考書を読んでいた。すごい!自分は生まれ変わって、真面目に勉強できる人間になったんだ!と思い込んだ。

だが、何というか、拒否反応なく勉強に集中できるくらいまともな人間になれたというのは錯覚だったっぽい。試験は10月。今までも会社から受けろとは言われていたのだが、率直に言って勉強したくなかったので申し込みすらしていなかった。しかしもう逃げられなくなってきた。10月にもし落ちたら、4月。一年近くも苦しめられるわけにはいかない。4か月後の10月に何が何でも受からなければ。

そういう強迫観念が、わたしを駆り立てていたらしい。そしてそのことに気づかないまま、あれれ?なんか勉強できるぞ?いくら机に向かってても疲れないぞ??と錯覚して知らず知らずのうちにストレスを溜めていたらしい。今日、目が覚めると、物をうまく飲み込めなくなっていた。

飲み込もうとすると喉元がつっかえている感覚があった。痛みは無い。風邪だろうか?今も分からない。だが、ストレスから喉元を締め付けられる感覚をおぼえることは、昔一度経験している。多分ストレスがこの症状を引き起こしているんだと思う。ああ、なんだ、最近のわたしは何でもできるような気がしていたけれど、全然そんなことなくて、ちゃんと疲れていたんだなあ、と思った。思えば食生活も乱れがちだった。

今日は回復の日にしよう!と決意。家の中を隅々まで掃除して、洗濯をした。それで少しは気分がすっきりした。冷蔵庫の中が冗談抜きでじゃこと卵しかなかったので、それでチャーハンを作って食べた。美味しかった。数日前に思い立って角煮を作ったのを抜きにすれば(あれはほぼ嗜好品だ)久しぶりの自炊だった。そして村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』を読んだ。ビートルズを聴いた。その間じゅう、もちろんパソコンは開かなかった。デジタルデトックス。

夕方、買い物に出かける。脂っこい角煮でもう肉はこりごり、という気持ちだったので野菜を買いまくった。大好きなセロリ。あとズッキーニ、トマト。セロリはマリネにした。あとの野菜は全部鍋にぶち込んで、そのまま水も何も入れずにぐつぐつと蒸し煮にした。カレー粉を入れれば夏野菜カレーの完成!罪悪感のない美味しさ。そして元気が出た。

わたしの喉を締め付けていたものはほとんど今は消えている。こいつを消すために、一日かかった。家を綺麗にして、好きな本を読み、好きな音楽を聴き、美味しくて健康的なご飯を食べた。これで身体を納得させられただろうか。また明日から、勉強を頑張れるだろうか?

たった1週間ほどでまた限界が来て、回復に1日費やすのを繰り返すならば、10月合格は難しいんじゃないかなと冷静に思う。でもやってみたいのだ。今までの人生で、苦手科目を苦労して習得した経験はゼロだ。わたしは経験したことのないことを経験してみたい。その資格が欲しいわけでも、その知識が欲しいわけでもなく、人生に一度くらいはそういう経験が欲しいだけだ。

ということでほどほどに頑張ります。あまりストレスを溜めすぎないようにしないと。喉をぐっと締め付けられる感覚って、けっこう気分が悪い。とりあえず、明日も今日作ったカレーの残りを食べられるということを楽しみに。生きていこう。

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