「感動」と自分の輪郭

せっかく最初に書く内容なので、自分にとって大きな意味のあるものをテーマにしたいと考えました。すぐに浮かんだのが「感動」です。

言葉にすると曖昧で範囲が広いですが、ここで伝えたい意味は「まるで自分のためにあるかのような、ぴったりと自分の心を充たすものに出会えた時の感動」です。


音楽の場合であれば、音の響き、メロディ、展開など、最初から最後まで「あれ?」と思う違和感が一切無く、しかも言葉では表現出来ないような共感を覚えることがあります。

映画や絵画など、他のジャンルでも言えることで、「ここまで自分の性質にあったものがあったなんて!」と思うような、ずっと触れていたいと思うような作品に出会えた時の感動。


そうした作品に触れると、最初は「ここが良い」「ここが素晴らしい」などの感想を、その作品についてのこととして感じます。

しかし、それを続けていくと「自分はこの部分に心が動くタイプだ」「自分はこの要素に強く惹かれる人間だ」など、自分と対象の相互作用を通じて、実は自分についてのことを知っていくのだと気付きます。


感動した経験の集積が、自分自身の性質を少しずつ浮き彫りにしていってくれる、と言うことです。

(Porcupine TreeのSteven Wilson氏が雑誌のインタビューで「小さい頃、母の言いなりだったけれど、レコードを聴く事で自分の輪郭がはっきりするように感じた」と言う意味のことを話していましたが、それも同じ意味なのではないかと思います)


「誰かが良いと言っている」「常識ではこれが良いものとされている」と言う評価軸とは別に、自分自身の心に問い掛けた結果の「感動」をひとつひとつ集めていくこと。

その結果の「自分」として他者と関わることも幸せなことです。

何故なら「自分の心に沿って生きている」という自己への信頼をもって人と関われることは、他者との関係性の中で、少なくとも自分自身だけは自分を受け入れる味方であることを意味するからです。

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