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#サステナビリティー

企業とサステナビリティー:トリプルボトムライン

企業とサステナビリティー:トリプルボトムライン

持続可能な開発に関する社会的要請が高まるにつれ、企業はサステナビリティーに関する活動をビジネスに統合するようになった。その中で、特に特徴的なのはコンサルタントであるElkington (1997) によって提示されたトリプルボトムラインという考え方であろう。

彼は、利益という財務上のボトムラインにのみに焦点を当ててきた事業のスタイルから、経済ボトムライン(経済性)、社会ボトムライン(社会性)・環

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持続可能な開発の歴史的流れ(1990年代から現在)

持続可能な開発の歴史的流れ(1990年代から現在)

1990年代に入ると、1987年に提唱された「持続可能な開発」を踏まえた国際会議が開かれるようになる。1992年に環境と開発に関する国際連合会議(UNECD、通称地球サミット)がブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された。

この会議において、持続可能な開発に向けた新しいグローバル・パートナーシップ構築を目的とする「環境と開発に関するリオ宣言 」と、その実現に向けた「アジェンダ21 」、「生物多様

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持続可能な開発の歴史的流れ(1960-1980年代まで)

持続可能な開発の歴史的流れ(1960-1980年代まで)

持続可能な開発の起源をたどるとするならば、Malthus (1798/2008) の人口論にまでさかのぼることができるが、持続可能性に関する大きな動きが生まれたのは、Carson (1962) が「沈黙の春」を出版してからといえる。

彼女はDDT が環境に悪影響を与えることを説き、環境保護の思想に大きな影響を与えた。この頃の日本は、いわゆる四大公害病が表面化してきた時期であり、1967年に公害対

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持続可能な開発とは何か

持続可能な開発とは何か

人類は従来のままの経済成長を続けることができるのであろうか、あるいはそれを目指して良いのであろうか。経済成長は、環境問題や社会問題を多く引き起こしてきた。とりわけ、先進国と発展途上国との間の経済格差は大きく広がり、従来の経済モデルが正しいものであったのかは見直す必要が出てきている。

このような従来の価値観に対する疑問から生まれたのが、「持続可能な開発」という考えである。持続可能な開発とは「将来世

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