文章(3187文字)
1: デューン砂漠の救世主
2: 蓮實重彦のエッセイ
3: 空海の風景
4: Intolerance
5: Chloé Zhao and Denis Villeneuve Are Setting Hollywood’s New Agenda
1:「デューン砂漠の救世主」P219より引用。
”肉体がそれ自身、降伏している・・・・・永劫がそれ自身のものを取りかえすのだ。われわれの体は永劫の海をちょっと乱し、生命と自我の愛の前で陶酔して踊り、少数の奇妙なアイデアを相手にし、それから時間という道具に服従した。われわれはこのことをどういえるのだ?ぼくは存在した。ぼくはそれでもまだ・・・・・・、存在しないのだ”
何を言ってるかよくわからないが哲学的?なのかな。ドゥニヴィルヌーヴ監督が大好きなデューンの第二部から抜き出した文章だ。彼が映画版PART3でこの辺の複雑さをきちんと映画に落とし込めるのか。
2:「マイクの醜さがテレビでは醜さとは認識されることのない東洋の不幸な島国にて」より引用。
風雨の中で必死に現場中継をしている嵐の日の女性記者たちは、あたかも勃起した男根さながらのマイクを握りしめ、ゴムで被われたその亀頭部分にひたすら唇を近づけたりしていることが多いが、そんな卑猥な光景が平気で許されているのも、音声メディアとしてのテレビが本質的にだらしのないものだからだろう。断るまでもなく、わたくし自身が、そうした醜い想像をひそかに楽しんでいるわけではまったくない。ただ、マイクという素材の形態的な不快さが、誰の目にもそう思わせてしまうというだけの話だ。
テレビと映画の違いについて論じているエッセイの一部です。彼がいうにはテレビは醜いと。男は元々醜いからテレビで醜く映っても良いけど美しい女性がそうなるのは受け入れられないってこと。
3:「空海の風景」P166より引用。
思想家は本来、天の一角からおもわざる思想を啓示されて誕生するのではなく、からの思想を触発したものが何であれ、やがてかれが生むにいたるその思想は、かれのうまれながらのものの中に蔵されているとみたほうが自然でいい。空海は生命や煩悩をありのまま肯定したい体質の人間だったし、それを、たとえ潜在的にせよ、全霊をもって拒み続けていたところがあったにちがいなく、もう一歩踏みこんでいうと、生命を暢気で明るいものとして感ずる性格だったかとおもわれる。さらに言いきってしまえば、かれはそれらの思想的色彩感覚のほかに「悟り」というものから現世的な福利をひきだして当然ではないかという、あくどいばかりの願望をもつ体質の人物だったかのようである。
空海の思想について書かれているのだがよくわからず。仏教といえばストイックで煩悩なんてもってのほかとか思っていると、空海はそう考えてはいないってことはわかる。勉強勉強。
4: "Intolerance by Kent Jones"より引用。
while Tarantino’s films are funny, inventive, and passionately serious about racial prejudice, there is absolutely no mystery in them—what you see really is what you get. Within the context of American cinema, Django is a bracing experience . . . until the moment that Christoph Waltz shoots Leonardo DiCaprio, turns to Jamie Foxx, and exclaims: “I’m sorry—I couldn’t resist.” The line reading is as perfect as the staging of the entire scene, but this is the very instant that the film shifts rhetorical gears and becomes yet another revenge fantasy—that makes five in a row. Is revenge really the motor of life? Or of cinema? Or are they interchangeable? Or whatever, as long as you know what side you’re on?
タランティーノがジョンフォードをディスった一件に対し映画評論家が書いた文章から。タランティーノの映画を観るとスカッとするけどそれって単純すぎないっていうことですかね。ジョンフォードが撮った映画にはもっと観るべきものがあるんじゃないってことですね。
5: "Chloé Zhao and Denis Villeneuve Are Setting Hollywood’s New Agenda"より引用。
DV: I didn’t know you were a Star Wars fan. That’s interesting.
CZ: Yeah, Star Wars is a big one for me. I felt something similar with Dune. It just inspired awe! It made me sit there and go, Wow...I love being alive in this world!
DV: The Empire Strikes Back was probably one of the most impressive cinematic experiences of my life. I saw the first Star Wars at 10 years old. I was the target audience. To wait for The Empire Strikes Back was the biggest wait of my life. I rode something like 20 miles on a bike to go see the movie in a theater. The owner let us watch it two or three times in a row. I remember the shock of that movie. I never talk about Star Wars. I want to look like an intellectual director, but I’m not. The truth is, I am a deep fan.
CZ: Yay! Please put that on record! It makes sense because you tell incredibly bold and innovative stories. There’s Star Wars in your blood! Your movies take us into a world and inspire awe. It’s hard to do these days.
スターウォーズについて熱く語るクロエジャオとドゥニヴィルヌーヴの会話から引用。エターナルズを語る視点の中にクロエジャオがポップカルチャーオタクであることを最近知った。それから考えても興味深い会話。