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ヒロインが、ヒーローを引っ張っていく物語。【『きみがキセキをくれたから』(講談社青い鳥文庫)が発売されました! 後編】

この記事を読んでくださってありがとうございます!五十嵐美怜(いがらし・みさと)です。
前回、中途半端なところで切ってしまいました。お一人でも待ってくださってた方がいたら申し訳ございません!m(_ _)m
新刊『きみがキセキをくれたから』について、もう少し語らせてください。

ヒロインとヒーローの関係。

谷口さんへの取材を経て、ついに原稿へ。
このとき引っ越しをしたのですが、はじめて利用する図書館で義足についての資料を探しました。親切な職員の皆様に大変助けられました。
「きみがキセキをくれたから」で、美桜ちゃんと先輩が図書館で話すシーンがあります。あのシーンは、お世話になったこの図書館の建物や雰囲気をイメージして執筆しました。

しかし、
しっかり調べながら書かなくてはいけないことと、年明けで忙しく体調を崩してしまったこともあり、作家になってはじめて「締め切りを3日ほど伸ばしていただく」という事態になってしまいました。本当に申し訳なかったです……。

3日伸ばしていただいて、お送りした原稿。
それを読んでくださった担当さんは、打ち合わせの際とても嬉しい言葉をくれました。

「待った甲斐がありました」

その一言だけで、頑張ってよかったなと思いました。

その後、何度かの修正と谷口さんのチェックを経て無事に出版が決まり、イラストレーターさんのお話に。
わたしと担当さんで「素敵ですよね」となった花芽宮るる先生にご連絡していただきました。
原稿を読んでいただき企画に賛同してくださった花芽宮先生は「ぜひ」とお返事をくださいました。
かっこいい須藤先輩、かわいい美桜ちゃん、魅力的なキャラのデザイン。
難しいであろう、スポーツの描写や義足の絵……
全て想像を超えるイラストを描いてくださり、物語にぴったりの爽やかなカバーに感動しました。本当にありがとうございました。

そしてタイトルを決めることになったのですが、担当さんが「『キセキ』って入れたいよね」と。
再会のキセキ、人を好きになるキセキ、美桜ちゃんがトラウマを乗り越えるまでのキセキ、
そしてー……。

実は、プロットの時点から担当さんと何度も話したことがありました。

それは、「ヒロインがヒーローを引っ張っていく恋愛ものがあってもいいよね」ということ。

「夢のような恋愛」というと、かっこよくて頼れる男の子が現れて、主人公を助けてくれて、困難に立ち向かう主人公のことを守ってくれて。
何せ今は「溺愛」が流行していますから、読者世代の子はそんな完璧なヒーローに愛されたいのかもしれない。

でも男の子だってもちろん辛い経験をすることがあるし、泣きたいときだってあるし、誰かに支えてもらいたいって思うこともありますよね。

須藤先輩はかっこいいし優しいし前向きだけど、まだ13歳で、完璧な男の子ではなくて。
強がりもするし、泣くこともあります。
美桜ちゃんは流されやすいけど、自分から行動できる子で、好きな人に守られるだけじゃなくて、好きな人のことを助けて引っ張っていく。

そんな恋愛ものに挑戦したいと、担当さんとわたしの意見が一致してこの物語ができました。

魂がふるえる、運命の恋の物語

そして、青い鳥文庫さんで最初に担当についていただいた編集者さんは、風野潮先生の『氷の上のプリンセス』や、折原みと先生の『きみと100年分の恋をしよう』を手がけている凄腕の方でした。
前作がボツになってから最初にいただいたのは「魂が震える、運命の恋の物語を書いてください」というご提案でした。『氷プリ』も『100恋』も、恋も夢も頑張るヒロインが魅力的なお話ですよね。
大人になっても、ずっと心の中に残る「宝物」のようなお話。
そんなすごい作品をいつか書けるように頑張りたいなと思っています。


ジュニア編集者さんのご感想

青い鳥文庫さんには「ジュニア編集者」のみなさんがいて、発売前の原稿を読んで感想をくれます。
本が好きで、たくさん読んできたみなさんはさすがというか……的確な感想ばかりで、ためになったし参考にさせてもらいました。
わたしの本を読んだことがあるという子もいて、光栄で嬉しかったです。

タイトルの「きみがキセキをくれたから」の意味を書いてくれた子がいて、すごいなぁと思いました。
「感動した」という感想もあれば、「キュンキュンした」「ドキドキした」「こんな恋がしたい」という感想もあって。
「ちゃんとエンタメとして恋愛小説を書けたんだ」とホッとしました。

恋愛小説を好きだという子が「両片想いですね」と書いてくれて。
確かに!と。
わたしも、自分で読んでいてニヤニヤしてしまうようなシーンがあります。笑

青い鳥文庫の担当さんと、わたしと。
お互いに「挑戦」してみた一冊になりました。

こんなことを言っては出版社さん的にはよくないのかもしれませんが(笑)、
売れたい、というような気持ちは一切なく、
でもただただ「一人でも多くの方に読んでほしい」という願いでいっぱいです。

図書館や学校図書館で選書してもらえたら嬉しいなと思っています。
図書館や友達に借りて読むのでも、サブスクでも、どんな形でも。
二人の間にどんな「キセキ」が起きるのか、ぜひ読んでもらえたら嬉しいです!

この物語が、みんなに届きますように。
長々とすみませんでした!
最後まで読んでくださってありがとうございました(^^)
五十嵐 美怜

↓紹介ページはこちらです。イラストもロゴも素敵すぎます。

↓2章分(本の30ページ分)試し読みはこちらのページの【試し読みする】から。



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