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映画レポ|運命=恋じゃない?『パスト ライブス』
こんにちは。
映画大好きまにしです。
先日、やっと映画館で観てきた。
アカデミー賞ノミネート作品として話題になっていたので、気になっていた作品。
韓国映画は『パラサイト』以来だった。
とにかく映像が美しいことと、一番近い異文化の国っていうのが韓国映画を観ていておもしろいところだ。
今回はそんな『パスト ライブス』のレポです。
◾️あらすじ
ソウルに暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、オンラインで再会を果たし、お互いを想いながらもすれ違ってしまう。そして12年後の36歳、ノラは作家のアーサーと結婚していた。ヘソンはそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れる。24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。ふたりが選ぶ、運命とはーー。
◾️ぼやけたヘソンとの日々
余白ある時間の流れと、映像の美しさ。
台詞でストーリーが展開していくような構成ではなく、音楽や登場人物たちの目線、微笑み、その奥の風景をただ見つめる時間が良い。
『パスト ライブス』は、じっくりと味わい、鑑賞する映画だった。
考えてみれば、日本や韓国の映画…特に恋愛映画は、余白を大切にする表現が多くはないだろうか。
一方、後半に登場する米国人男性であるアーサー…彼はよく話す。彼にとって、感情は見つめて探るものではなく、話しながら探るもののように見えた。
私はなんとなくこんなことを思った。
もしも、映画全体が大きな写真であったなら…。
ヘソンとの時間は大きくぼやけた余白のようなもので、焦点はアーサーとの会話にあたっていたような気がしてならない。どうだろうか?
◾️縁と恋の違いって
胸がときめく恋愛、話していて飽きない気楽な友情、自分のものにしたいという欲望からくる執着、異様なほどの懐かしさを感じる縁…。
少し前の文章で、私は今作を“恋愛映画”とひとまとめにしたが、正直なところ、一体彼女たちの感情はどれに属するものなのだろうか。
もしかしたら、全てを兼ねた感情であるのかもしれない。
アーサーが、ベッドで隣に眠るノラへ話しかけるシーンがとても良かった。
2人はたまたま出会い、グリーンカードを取るために早く結婚したかもしれないが、だからと言って強い縁がないとは限らない。それって結構素敵だ。
他人からみてストーリー性のある恋愛だけが運命じゃない、という視点にはじめて気づく。25年生きててもまだまだ私の目には世界のごく一部しか見えていないらしい。
◾️まとめ
もしもあのとき…と考えることは楽しいし、もちろん悩むことも多いが、今ある人生が全てという考えはその通りだと思う。
私は最近、個人的によく思うことがある。
私には5年後10年後どころか、半日後の自分すら予想ができないのだ。今夜自分が何を食べたいか、朝の時点でわからない。
我ながら頼りないなと思うが、私にとってそれくらい未来って無限大で頼りないのだ。
私が変えられるのは今しかない。
いま側にいない人のことを考えている時間はない。
私がノラなら、きっとヘソンに問いかけられたところで前世も来世も考えられない。とにかく今いるアーサーを大切にするだろう。
どうか2人の行く末に幸あれ…。
あ、ヘソンにも…。
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