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「キングダム2 遥かなる大地へ」ネタバレ0レビュー:鳥肌が止まらない 90点


まず筆者はキングダム(原作)の大ファンであり、一方で映画は基本的に邦画より洋画のほうが好きな人間です。ネタバレはほぼなく感想をまとめましたので、それを理解いただいたうえで読んでいただけると幸いです。

今作を観るまでの不安


前作も映画館で観て、大満足だった筆者。
しかし今作に向けては、不安もありました。前作は原作において比較的映画化しやすい部分でしたが、今作(蛇甘平原の戦い)、そしてこれ以降の部分は映画化が難しい場面と分かっていたためです。前作の部分に比べ起承転結をはっきりさせにくいストーリーもそうですし、なにより戦の規模が遥かに大きくなってきます。1本の映画としてどのように表現するのだろう…、と思っていたわけです。
また、ヒットした映画の2作目はたいてい前作より不出来になるという、映画あるあるも懸念材料となっていました。

感動よりも鳥肌


ところがいざ観てみると、そういった不安はほぼ杞憂に終わりました。
ストーリーは軸となる場面については原作のままに、そうではない場面は適度に変えることで1本の映画に収めきっています。これに関しては脚本に、原作者の原泰久氏が参加していたことがプラスに働いたように感じます。
そして最大の見どころである、CGを巧みに使ったアクションシーンは圧巻の規模。大迫力で、確実に前作を超えています。これは前作のヒットがあり、おそらく予算が上がった恩恵でしょう。
映画全体の感想としては、感動というよりも迫力に対し、鳥肌が止まらない場面の連続でした。

ただしあまり邦画を好まない理由の1つが…


1度少し話は逸れますが、筆者が邦画をあまり好まない理由は、おもに2つあります。
1つ目は、演技力より知名度を優先したかのようなキャスティング。2つ目は、無理やり感動を誘おうとするような、冗長な場面。明らかに時間がない場面で、じっくり話すと興ざめしてしまうのです。

前者、キャスティングの点では、キングダムには確かに知名度の高い役者さんが揃ってはいます。むしろ1つの映画に、山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、豊川悦司、大沢たかお、佐藤浩市など、ここまで主役級の役者さんが揃うことは珍しいでしょう。けれどただ有名ではなく演技力を兼ね備えた方ばかりのため、むしろ映画の迫力を増すことになっています。
キングダムはともすれば「コスプレ映画」となってしまう危険をはらんでいましたが、この点では非常に個性的な王騎将軍を演じる大沢たかおさんをはじめ、出演者の演技力が違和感を消しています。

冗長になりがちな点に関しては、キングダム2への唯一の不満点でしょうか。あまり話さないはずのキャラクターが比較的すぐに長々と話すようになり、回想シーンも多く感じました。アクションシーンとの緩急を付けようという意図もあったのかと思いますが、とはいえやや違和感を感じてしまいました。

結論:全体としては大満足


とはいえ、不満はこの点くらい。
もし映画にスタンディングオベーションという文化があれば、躊躇なくしていたことでしょう。
特に原作の人気キャラ、羌瘣のファンにとっては最高の出来栄えかもしれません。
なお原作を読まずに注目作だから観に行こうかなと思っている方は、ぜひ前作だけは観てから行くようにしてください。それだけで何倍も楽しめるようになると思います。
最後に伝えたいのは、エンドロールが完全に終わるまで劇場を出るべからず、です。

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