2022年第7節 アビスパ福岡vs鹿島アントラーズ レビュー・アビスパ側の採点・寸評
試合内容
様々な見方がある試合だった。ボールの支配率はほぼ五分だったし、最後の最後まで惜しいシーンを作った。
けれど、個人的にははっきりと負けだったように思う。
アビスパ福岡の武器である球際や戦う姿勢の部分で上回られると、精度の差が明確に出てしまう。
またミッドウィークの試合という影響はあったにせよ、失点した時間帯の試合の進め方はいかがなものか。試合序盤に比べてスペースも時間もあったにも関わらず、縦に急ぎすぎて簡単にボールを失うことを繰り返した。
上田綺世のシュートは本当に見事だったが、それ以上にしたたかに試合を進め、隙を見逃さなかった鹿島アントラーズとの差を感じざるを得なかった。
MOMを決めるなら、アントラーズの樋口雄太だろうか。
得点が遠い状況が続く攻撃面においては、どれほど相手の想像を上回るプレーができただろうか。
レベルが上がれば上がるほど、得点を挙げるためにそれは必要だ。
田中達也が、縦に仕掛けてクロス、カットインからのクロス、カットインからのシュート。この試合だけでも3つのパターンを見せたこと。
金森健志が放ったボールが、おそらく狙ったものではないにせよあと一歩まで迫ったこと。
この4つがいずれも相手の想像を上回るプレーだったことと、惜しい場面になったことは大きな関係がある。
採点(及第点5.5)、寸評
GK 31 村上昌謙 6.0
鈴木優磨のヘッド、直後の至近距離のシュートを止めた場面は見事だった。
失点の場面はやむを得ない。
DF 29 前嶋洋太 5.5 (73分OUT)
今季チーム初得点を挙げた前嶋が、負傷から復帰した。
だが、攻撃参加の機会は限られた。
DF 3 奈良竜樹 6.0
今季初出場だったが、クロスや1対1への対応の上手さを見せつけた。
前半を無失点で終えられた大きな要因。やはり非常に重要な選手の1人だ。
DF 5 宮大樹 5.5
タフに戦ったが、ファウルを取られるなどやや後手を踏んだ感は否めない。
持ち味であるはずの縦パスにも、工夫がほしかった。
DF 13 志知孝明 5.5
メンタルが安定しているのか、試合によるプレーの波の小さい選手だ。
ただこの試合では鹿島のSBの気迫が目立ち「卒なくこなした」という印象に。
MF 40 中村 駿 5.5
守勢でも耐えるべく、懸命にスペースを消し続けた。ただ終盤は疲労の色が。
ミッドウィークに試合があると、ボランチの層の薄さが内容に出てしまう。
MF 6 前 寛之 5.5
樋口らが構成する鹿島の中盤に後手を踏み、良さをあまり出せず。
もっと上を目指せる選手なだけに、悔しい試合だった。
MF 14 ジョルディ・クルークス 5.5 (80分OUT)
起点にはなったが、左足のコースを切られ不発。
キックの精度も本来のものではなかった。
MF 8 杉本太郎 5.0 (45分OUT)
献身性はあったが、それ以外は。
山岸との共存に苦しんでいる感もあるが、スペースを消され球離れの悪さが目立ってしまった。
FW 9 フアンマ・デルガド 5.0 (45分OUT)
劣勢でもポストプレーをこなそうとしたが、フラストレーションがマイナスに働いた。
ハードに戦うべき部分はそこではない。
FW 11 山岸祐也 5.5
何度かボールを収め、速攻に関与。
ただFWであるだけに、もう少し泥臭くゴール前で仕事をしたい。
途中出場
MF 39 田中達也 6.5 (45分IN)
縦にも中にも行け、どちらからも紙一重の場面を作った。
金森健志とともに、攻撃陣で良かったプレーヤー。
FW 17 ルキアン 5.0 (45分IN)
得意な形が少ないのは確かだが、最低限空中戦は競ってもらいたい。
得点のために、得意の局面ではチームメイトには図々しいほどアピールしてもいいのでは。
MF 7 金森健志 6.0 (73分IN)
FWの位置で出場し、惜しいヘッドを放つなど古巣相手に力を示した。
ラストプレーで客席を盛り上げたが、あと一歩届かず。
DF 36 柳 貴博 5.5 (73分IN)
精度はそれほどだが、積極性でチームに貢献。
前嶋の復帰で競争は三つ巴に。
MF 19 田邉草民 採点なし (80分IN)
クルークスとはまるでタイプが違うが、周りとの連携でサイドを打開しようと試みた。
杉本太郎が参考にすべき先輩か。
監督 長谷部茂利 5.5
普段よりコンパクトさにやや欠け、持たせるというより持たれる展開に。
田中達也と金森健志の投入で好機は増えるも、おもな流れは変えられず。
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