2022年 第14節 アビスパ福岡vs横浜F・マリノス レビュー、アビスパ側の採点・寸評
レビュー
現時点で最多得点の横浜F・マリノスと、最少失点のアビスパ福岡。
矛盾対決にアビスパは得点を求め、採った策は「ハイリスク・ハイリターン」だった。
山岸とフアンマの2トップを起点に、これまでの試合以上に積極的な追い込みをみせ、前からどんどん追い込んでいく。特に前半は高い位置で何度も奪うことに成功し、繋がればというシーンを作った。ただその後の精度には課題が多く、今後の課題だろう。
ただその反面、もちろんリスクは大きい。前節から7人を入れ替えたとはいえ、マリノスの前線にはアンデルソン・ロペスを筆頭に、得点力に優れた選手が揃っていた。
しかしアビスパは全く怯むことがない。CBの2人、奈良竜樹と宮大樹への信頼感の表れだろう。
実際に2人はA・ロペスを抑え込み、スピードに優れたWGにもしっかり対応。ロペスはタイトな守備にフラストレーションを溜めていたようだ。
ともかくゲームプラン通りに0-0で折り返し、後半はマリノスが攻撃へのエネルギーを増したところをスローインから蜂の一刺し。山岸、フアンマと繋ぎクルークスの左足にフリーでボールが渡った瞬間、ネットが揺れるのはほぼ必然だった。
終盤はA・ロペスが退場となり有利となったが、マリノスの猛攻で決定機も作られた。それでも身体を張った守備で耐え、ウノゼロで勝利。マリノス相手に、21年ぶりの白星を記録した。そして矛盾対決は、盾の勝利で幕を閉じた。
採点(及第点5.5)、寸評
GK 31 村上昌謙 7.5
ロペスとの1対1を制し、その他も安定感を発揮。90分の、エドゥアルドのシュートストップもさすが。キックもフアンマなど前線へしっかり届けた。
DF 29 前嶋洋太 7.0
仲川や宮市といったスピードタイプとマッチアップしたが、決定的な仕事はさせず。積極的な突破もみられた。
DF 3 奈良竜樹 8.0 MOM
決定機を何度も阻止。98分のCKを防いだ際にはガッツポーズ。クロスや縦パスへの読み、身体を張る姿勢、怪我さえなければ本当に素晴らしいCBだ。
DF 5 宮 大樹 8.0
73分に宮市にシュートを許さなかった場面、その前の宮市の突破からのカウンターを防いだ場面と本当に見事。間違いなく去年より強度が上がっている。その結果として数的優位に。
DF 13 志知孝明 6.5
1対1の守備、右サイドから攻められた際の絞りは見事な安定感。あとは攻撃時の精度。
MF 40 中村 駿 7.5
前とともに危険なスペースを消した。淡々と仕事をこなす職人。中盤対決で相手を上回ったといえるだろう。
MF 6 前 寛之 7.0
何度かパスミスがあったが、それ以上に積極的な攻撃参加が目立った。前半のシュートが決まっていればチームの今季ベストゴールだったかも。
MF 14 ジョルディ・クルークス 7.5 (69分OUT)
左足を消される場面もあったが、右足でのクロスを狙うなど工夫。そして何より貴重な貴重な決勝点をゲットした。
MF 39 田中達也 6.5 (86分OUT)
攻守への貢献度は高く、スピードをいかす場面もあった。一方で、やや足元の精度を欠いた。
FW 9 フアンマ・デルガド 7.5 (69分OUT)
前半の攻防で競り勝ってくれたことは大きい。また守備も一切さぼらず、決勝点を頭でアシスト。
FW 11 山岸祐也 7.0 (93分OUT)
この試合も胸トラップを何度も披露。頭で決勝点に関与し、裏への飛び出しをみせる場面も増えた。
途中出場
FW 17 ルキアン 6.0 (69分IN)
カウンターに適しており何度か惜しいシュートを放ったが、もう少し守備での貢献が必要だ。
MF 7 金森健志 6.0 (69分IN)
投入直後にあわやというシーンをみせた。その後も「らしさ」を発揮。
MF 19 田邉草民 採点なし (86分IN)
戦術理解度が高い選手のため、ベンチにいると助かる。バランスを取りながら守備で貢献。
DF 36 柳 貴博 採点なし (93分IN)
最前線での起用となったが、役割を理解ししっかりコースを切った。98分のCKでは決定機をブロック。
監督 長谷部茂利 7.5
得点を奪うために、「ハイリスク・ハイリターン」な策でマリノスを上回った。もちろん、博打ではなく自信を持ってのものだろう。この戦いができればどこにでも対抗できる。高い位置で奪ったあとの精度は今後の課題。
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