フラッシュバックヤード

24年も生きていれば、嫌な記憶やトラウマというものはどうしたってできてしまう。世渡りがサーカス団員並みに上手くも、嫌な記憶は自動的に削除できる脳の持ち主でも、ポジティブ人間でもない私には、ふと蘇ってきてしまう過去がいくつかある。それらは本当にふとしたときに、なんの前触れもなくやってくるので少し困るが、程なくして忘れてしまうのでまだマシだ。
ひとつ目は、エステをしていたときの記憶。もうその場所すらない黒歴史だが、今も苦いエピソードがいくつか思い起こされてしまう。ふたつ目は、事務職に転職し辞めるときの記憶。これらがフラッシュバックしてくると、声には出さないが、口がもうやだとか死にたくないのに死にたいと動いてしまう。
もう過ぎたことだし、思い出したからといって大して打撃を受けることはない。若気の至りや若さ故のなんちゃらとして水に流してくれたらありがたいし、わたしも流したい。もうお互い会うこともない人なのだから。
わたしは18歳から23歳までの約5年間、色んな迷路に彷徨い時間を消費したが、ひょんなきっかけと気まぐれな行動力のお陰で自由気ままな生き方と息の仕方のできる場所に辿り着いた。そう思ったら、人生は少しだけうまくできているなと思えた。


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