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台風が過ぎた日の夕暮れは何かしたい

実家ではあたりまえについていたテレビも、一人暮らしをはじめると見ない時間が増えた。小さなおもちゃみたいなテレビが一応あるが、朝起きて頭を起こしたい日と食事中、あとは見たい番組があるときくらいしか、うちのテレビは活躍できない。最近はラジオを聴き流すのにハマっているので尚更だ。

大風が来るぞーと島の人たちはこぞって金曜日と土曜日に買い溜めをして、すれ違う際の話題と言ったら台風10号についてだった。天候が崩れると、島のライフラインである船は残念ながら欠航になる。パンも野菜もお豆腐も月曜日は届かないことに決まり、休校を望む子どものように、わたしもスーパーが休みにならないかなと密かに望んでいた。(言い忘れたが、わたしは島のスーパーでアルバイトしている)

月曜日の朝方、風は強かったけれど島はそこまで影響を受けずに済んだ。それでも風はやや強かったので、外での仕事をしている彼は今日は休むとベッドに潜っていて、わたしは羨ましくて仕方がなかったが、なんとか仕事に行った。けれど島の人たちは荷物が来ないと分かっているので、お客さんはぽつりぽつりとしかいなくて、社長と整理整頓をして過ごした。あまりにも暇だったので、3時にあがらせてもらった。
台風に振り回されたような変な感じと体力の余っている感じとで、わたしは久しぶりに釣りがしたくなった。外で夜ご飯にして、そのまま釣りに行くことにした。

彼曰く、島でいちばん良心的なご飯屋さんはおばちゃん一人で切り盛りしている。何を頼んでも、どこか懐かしくて美味しい味がして、心もお腹もいっぱいになれる場所。この日ははじめてエビフライカレーを頼んだ。おばちゃんがわたしの名前を知っていてくれて嬉しかった。
お腹いっぱいになって釣りスポットに行ってみたけれど、風はまだ強かった。お馬鹿さんな私たちしか釣り人はいなくて、10回くらい投げて諦めて、ドライブをして帰ることにした。


そして今日、前回の記事で書いたひょんなことが起きた。漁師さんご夫婦が小鯛を7匹もくれた。大漁に、昨日釣れなくても良かったと思えてきた。

移住してから、釣り倶楽部に入部してから
魚を捌けるようになったが、最近は横着をしてキッチンバサミでバチバチとカットして、鱗を取るやり方をしている。帰ってから夜ご飯を一から作る労力がないので、お昼休憩中にマッハで下準備や一品作ることにしている。今夜は小鯛のプレゼントで豪華な食卓になった。

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