こんにちは。 統合カウンセラーの猫間英介です。 歌うことは最高のセラピー&コーピングの一つだと思います。 私にとって、「歌うことは生きること」 。 歌うことが大好きで、歌のレッスンを受けるようになって12年になります。12年間、ほぼ週に1回、仕事帰りに夜7時半頃から約45分のレッスンを受けています。一回のレッスンで数曲やるときもあるから、これまで300近くはありそう。
仕事などでかなり忙しいとき、疲れているとき、なんとなく気分が乗らないときも、とにかくまずは行って歌っています。ひとたび歌い出せば自分の心と体に活力がみなぎってくるのを感じます。
この12年間で先生は何度か代わりました。声楽やオペラなどクラシック出身の先生ばかりですが、私は全くジャンルを問わず、自分の好きな曲、歌ってみたい曲の楽譜を持ち込んで、先生のピアノ伴奏で歌っています。毎回、発声トレーニングのあと、そのとき持ち込んだ曲を歌います。
私はクラシック音楽に明るいわけでもなく、音楽理論をよく理解していわけでもありませんが、ただ自分がいいと思った曲、心動かされた曲であれば何でもジャンルを問わずに歌いたいと思っています。
これまで歌ってきたのは、イタリア歌曲、日本歌曲、カンツオーネ、ポップス、ジャズ、ロック、ボサノバ、歌謡曲、演歌 などです。言語は、日本語、英語、(意味をきちんと理解してしませんが)イタリア語、ポルトガル語などです。
ピアノ伴奏だけでマイクなしで歌うので、かなり集中して自分の声帯と五感と身体全体を駆使して挑みます。
このブログでは、これまで歌ってきた曲や今挑戦している曲、うまくできなくて奮闘していること、挫折感、高揚感、達成感、これからの目標などを書いていきたいと思います。
私にとって歌は生きる力そのもの、「歌うことは生きること」 、自分が死ぬまで歌を続けていきます。
それではさっそく取り組んだ曲から。
取組曲 【生まれ来る子供たちのために】 🔷歌: 小田 和正 1979年 *当時はオフコースとして。 *取組曲:小田和正さんのアルバム「あの日 あの時」(2016年)から 🔷作詞・作曲 : 小田 和正 🔷使用楽譜:ピアノ弾き語り 「小田和正/あの日 あの時」 🔷発行所:㈱ドレミ楽譜出版社 発行日: 2016年4月30日 初版発行 2016年5月30日 第2刷 🔷歌 詞: 日本語 🔷本曲を選択した経緯 小田和正 さんの歌は、オフコース 時代のかなり初期の時代から聴いていました。そのころから現在に至るまで、途切れることなく常に最前線の現役として歌い続ける姿やその歌声の美しさは、驚嘆すべきことだと思います。小田さんの歌を自分でも歌ってみたいと強く思うようになったのは、約12年前の歌のレッスンを受けるようになってからです。 声楽の練習にもなるかなと思って、カラオケでピアノ伴奏だけで且つ自分の声に合わせてハイ・トーンの人の曲をいろいろ探していました。その中で、小田和正さんの楽曲にはピアノ演奏だけのバージョンが結構用意されていたこともあり、カラオケで歌うようになりました。 いろいろ自分で歌ってみるとあらためた小田和正さんの歌の素晴らしさを知ることができ、そこから一気に昔の曲も含めてCDも買ったりして、さらによく聴くようになりました。 ただ、そのときには、この「生まれ来る子供たちのために」 はあまりなじみのなかった曲でもあったため、カラオケでわざわざ選択して歌うことはありませんでした。 この曲が素敵だな、是非歌ってみたいなと、思ったのは、数年前にテレビでフィギュアスケート のエキシビション を観ていたときです。 エキシビションは本番の競技がすべて終了したあとに、エンターテイメント性が高い演技を、上位の成績を残した選手たちが行います。 この中で、アイスダンスの小松原美里さん・尊さん のカップルが「生まれ来る子供たちのために」 をバックにアイスダンスを踊る姿をみたときに、「おお~、美しいな~、この曲こんなに良かったんだ」と思い、ピアノ伴奏で歌ってみたいという気持ちがどんどん増してきました。
【アイスダンス 小松原美里・尊- 生まれ来る子供たちのために】
【オフコース(小田和正)】 *オフコース時代のバージョンです。
次に取り組みの課題についてです。
【課 題①】: 曲のテーマをどう捉えるか。 どのような想い・気持ちで歌うのか。 歌は、上手いとか、下手とか、テクニックがどうだとか言う前に、自分がどんな気持ちを込めて歌いたいのか、どんな想い・情熱を持って歌うのか が、私にとっては一番大事なことの一つです。 歌を歌うときに、自分の中で多い気持ちは、誰かを恋しく思う気持ち、誰かがいないと淋しく感じる気持ち、別れの辛さ・悲しさ、人を失った悲しみ・苦しみ、情景の美しさ・切なさなど、です。 次に多い気持ちは、誰かを好きな喜び、何かに元気が出る気持ち、前向きになる気持ち、などです。 ところが、歌う前に歌詞を確認し、何度も音源を聴いても、その想いをどう持つのか、何をターゲットに気持ちを込めるのかが、この曲ではその出たしも含めてなかなか掴めませんでした。 (特に、フィギアスケートのエキシビションを観たときは出だしから前半部分は出てきていませんでした。) 一番の出だしの歌詞は、 🔷「多くの過ちを 僕もしたように 愛するこの国も戻れない、もう戻れない。」 🔷「あのひとが そのたびに 許してきたように 僕はこの国の 明日をまた想う。」 サビの 🔷「君よ 愛する人を 守り給え」 🔷「大きく手を広げて 子供たちを抱き給え」 そして最後も 🔷「その力を与え給え」 🔷「勇気を 与え給え」 「愛するこの国」とか「この国の明日」って「日本」のことだよな、多分。日本の現状を憂いや、日本の行く末を思って歌うのかな。「あの人がそのたびに許す」ってのも、まさか好きな彼女や友人や先輩とかそんなんじゃなくて、もっと崇高な人、「神」とか「仏」とかそういうレベルなんだろうな。 (実際、そのあたりを調べてみるといろいろな説が出ていました。) 「〇〇給え」という言葉が多く登場しますが、全体としては理解できるような感覚があるけれど、いったい誰が誰に言っているのか、いま一つつかみ切れず、どこか象徴的な気高い話のように感じました。 いずれにしても、ただちに自分の気持ちや想いを込めて、歌うのはなかなか難しそうだな、と感じました。他の表現方法(絵画、小説、映画、演劇、舞踊など)では、そのあたりの背景や理屈を積み上げて考えることは結構好きですが、こと「歌を歌うこと」 に関しては、もっともっとストレートに自分の想いと五感で歌いたいと感じました。《対応策》 この歌を歌う時の想いや気持ちについて、とても素敵で美しいな、と自分が感じる歌詞とメロディーラインから、(ある意味少し歌詞の狙いからずれてしまうかもしれないが)自分の想いや気持ちを探ってみよう と考えて、じっくり歌詞を読み、聴いてみることにしました。 すると、次の部分に、特に美しさ、素晴らしさをあらためて強く感じました。 🔷「広い空よ 僕らは 今どこにいる」 🔷「真白な帆を上げて 旅立つ船にのり」 🔷「力の続く限り ふたりでも漕いでゆく」 この3つの歌詞とそのメロディラインが特に好きであることが分かりました。 「困難や苦しみの中にあって、もがいている自分が空に向かって問いかけをしている、そして、なんとか踏ん張ってまたひたむきに前に向かって進んでいこうとしている。」 「そのときに、真っ白な自分自身の旗・帆のもと、自分の好きな相手と大海原であるこの世界に船出して、自由に、そして踏ん張って、頑張って、ひたむきに生きてゆく。」 という気持ちで歌うことにしました。 特に、「ふたりでも漕いでゆく」という歌詞は、流れからは「(たとえ一人きりになっても頑張って)、ひとりでも漕いでゆく」という感じかもしれないと思った部分なので、とても新鮮に響きました。 いずれにしても、今の時点では、「国」や「神」とかはあまり意識せずに、我流となってしまいましたが、ターゲットにする気持ちを決めました。(これから何度も歌い込むうちに、別の何かが見えてくることも期待しています。もっと深く広く自分の中で熟成させていきたいと思います。)
【課 題②】: 歌詞の入りのリズムと言葉の歯切れの良さの維持。 歌詞の入りが小節の最後の方で、且つ短く歯切れよく語るものが多いので、リズム取りと言葉入れが難しい。 頭の中で理解しているものよりも、実際にはすべて8分音符や16分音符一つくらい言葉の入りも終わりも早く、どうしても自分の歌のペースが遅れてしまう。ブレスのタイミングも難しい。 🔷一番最初出だしの、「おおくの」「あやまちを」「ぼくも」「したように」 は、いずれもそれぞれの小節の休符の後の3拍目のウラ 、または4拍目 に入り、その小節内で完結 する。 この入りと言葉の歯切れよさをしっかりとキープする必要がある。 🔷同様に、「あのひと(が)」「そのたびに」「ゆるして」「きたように」。 🔷同様に、最後の方の、「ましろな」「ほをあげて」「たびだつ」「ふねにのり」。 《対応策》 しっかりと言葉の前の休符と入りの拍を意識する。そして、言葉の最後がその小節内の16分音符でスパッと切れて終わることを意識して、言葉を明確に切る。 言葉を切ったあとにしっかりとプレスをとって、次の最初の言葉の入りに備える。 小田和正さんの歌い方は、オフコース時代のこの曲のバージョンよりも、休みと歌部分の区別がより明確になっていて、これだけ歯切れよく短く力強く歌っているのに、それでいて透き通ったハイトーンの声も同時に聴かせるというのは、本当にすごいと思います。 多分、その透き通ったハイトーンに聴き惚れてそのイメージで歌ってしまうために、どうしても自分が歌う時には切れがなく間延びしてしまうのかな、と感じます。あと、小田和正さんのブレスコントロールも半端じゃないすごさ。
【課 題③】:短い言葉の中の声の抑揚、高低を掴めていない。 他の歌もそうですが、小田和正さんの歌をカラオケなどで歌う時に、短い言葉の中にある小田さんの声の抑揚、高低について、自分がどうしても真似できないと感じるところがたくさんあります。 この曲では、例えば、 🔷「あいする」「このくにも」 の、「する」 、「にも」。 「する」は「レドレ」、「にも」は「ドソラ」だが、「レレレ」、「ドララ」と歌ってしまい、抑揚をつけて歌えていない。 🔷「あのひとがー」 の「がー」は「ドソラ」だが「ドララ」と歌ってしまう。 🔷「ぼくはー」 の「くはー」は「レドレ」だが、「レレレ」で歌ってしまう。 🔷「なにを かたろうー」 の「かたろうー」は、「ファファソファソー」だが、「ファファソソソー」と歌ってしまう。 *この箇所はかなり音が高いポジションなので、抑揚の課題の中でも最も難しく感じました。《対応策》 喉を柔らかく、喉の奥を広くして、且つ、腹や横隔膜の支えと動きをしっかりと使う。 (といっても、私がその点をすべて体得することは今の時点ではなかなか難しいので、繰り返し原曲を聴き、楽譜を読み込み練習を積むという対応です。) 毎度、小田和正さんの節回し、発声のしなやかさと強さには驚嘆するばかり。
【課 題④】: 超高音のド(いわゆるハイ・ツェー【C】)への対応 🔷「たよるもーの なにーもない あのころへ かえりたいー」 の「なにーもない」の、「にー」は、ハイ・ツェー。 ハイ・ツェーはそれ自体でも十分に大変は音域ですが、これは直前の高音の「ド」から一気に1オクターブ上の「ド跳躍するので一層むずかし。 《対応策》 🔷 直前の声出し練習をしっかりと行う。 🔷しっかりと足の踏ん張り、お腹の支えをキープしながら、体を縦に長く使うようなイメージで、喉から脳天に声を持っていく感じ。 (このあたりは、声楽的な専門家のアドバイスなので、なかなか私には難しいところがありますが、身体的にはイメージがわきました。) 🔷低いところから高いところは跳躍するというイメージではなく、直前のドの延長線上、放物線上の先に次の高いドを置くイメージで歌う。 🔷それでも対応できない場合には、裏声(ファルセット)で歌う。
歌えば歌うほど、小田和正さんの歌声の透明感・力強さ・美しさ、歌い方のメリハリ技術、メロディーラインの素晴らしさなどをあらためて強く感じました。 そういえば、昨日のNHKドラマ「正直不動産2」の主題歌「so far so good」 (2022年リリース)も小田和正さんだったな。 50年以上常に最前線の現役で歌っている姿、これには本当に尊敬と憧憬です。 そして自分の人生の各ステージ(少年、青年、中年、中高年)において、たくさんの素晴らしい曲を聴かせてくれていることに心から感謝します。
猫間英介