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【短歌一首】 十九時の鎌倉駅は帳下り藍のしじまに月影一つ

十九時の 
鎌倉駅は
帳下り
藍のしじまに
月影一つ

鎌倉の夜は早い。夜の帳(とばり)があっという間に下りる。

鎌倉には仕事でもプライベートでもしばしば来るが、18時以降を鎌倉で過ごすことはほとんどない。東京や千葉から日帰り圏内なので、宿泊したことはないし、夜に鎌倉でゆっくり飲食をすることもほとんどなかった。

この日は午後の遅めの時間に会食をしようとしたら、すでに昼の営業時間が終わっている店も多く、17時少し前からの会食となった。

GARDEN HOUSE Kamakura

鎌倉駅西口から徒歩3分位のところにある「GARDEN HOUSE Kamakura」が17時に午後のカフェタイムが終わりディナータイムが始まるので、16時50分ごろに入店。GARDEN HOUSE Kamakuraは、緑に囲まれた素晴らしいカフェレストラン。これまでランチタイムにしか来たことはなくディナータイムの利用は初めて。


夜になり明かりが灯る

19時近くにお店を出た。いつもこの時間まで鎌倉にいることはないので、東京・千葉方面の総武横須賀線の時間を気にしながら、鎌倉駅へ向かう。

鎌倉駅付近の月影

鎌倉駅まで歩いて行く途中でふと空を見上げると、丸い月がとてもクリアに見えた。しかし、駅までの道もほとんと人がいなくて静か。まだ19時とは思えない。

鎌倉駅西口のスーパー

鎌倉駅西口にある高級スーパーのKINOKUNIYA付近でも、人をほとんど見かけなかった。

鎌倉駅西口へ向かうメイン通り

鎌倉駅西口が見えてきたが、このメイン通りでも人とすれ違うことがほとんどなかった。

鎌倉駅西口の駅前広場

ついさっきまでは外国人も含めて観光客でごった返していた鎌倉駅の西口には、もうほとんど人影が見当たらなくなっている。
そういえば、20年くらい前に夕方まで鎌倉にいた時に、小町通りのお店が閉まるのが18時頃でずいぶん早いなあ、と感じたことを思い出した

鎌倉駅西口

鎌倉駅西口にも人影はまばら。 東京のまだ19時が鎌倉ではもう19時なのかもしれない。
考えてみれば19時過ぎは宵の口とはいえもう十分に夜。日本の一部の大都市だけが極端に夜型にシフトしていて、そこを自然の原理原則に反した夜型現代人がうろついているのだろう。いつの間にか店が夜遅くまでやっていて当たり前、と考えてしまうところがすでに現代人の危うさなのかもしれない。

藍色の空と月影のもと、19時の鎌倉の深い静けさ、とても素晴らしかった。

猫間英介



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