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【短歌一首】 アスファルトの匂ひにはかに立ち上る雨の点描地に始まりて

アスファルトの
匂ひにはかに
立ち上る
雨の点描
地に始まりて
 

短歌は天候観察セラピー。

今年の5月は月曜日に雨が多いとニュースで言っていた。昨日月曜日も雨だった。
この季節、陽に照らされて温まっていた地表に雨粒が落ちると、地表の熱で湿気が一気に立ち上ってくる。 その湿気はアスファルトの匂いをまとっている。

路面を濡らす雨

子供の頃から、雨が降り始めて道路のアスファルトやコンクリートの匂いがしてくると、友達に「これは雨の匂いだ。」と言っていたが、なかなか分かってもらえなかった。

大人になり仕事で外出している時にも同僚や先輩に同じようなことを言ったが、「そうかな、あんまり分かんないな。そもそも雨に匂いなんてあんのか。」とそっけない返事。
「お前ら、この路面のアスファルトから立ち上ってくる雨の匂いが分からんのか、これが季節感っちゅうもんじゃろ。」っと心の中の声。

バスの窓の外の雨

雨の匂いとともに、子供の頃から雨がどこから始まるのかということも関心があった。晴れた日に天候が急変して雨が降ってくるときに、乾いた道路のアスファルトの上に、ポツリポツリと雨粒が落ちてシミができる。これが雨の始まりなのではないかと思って見ていた。 まるで、点描画のように点が描かれ、やがて全てが点に覆われる。

歩道も雨

台風1号が発生したとニュースで言っていた。
昔に比べて日本の気候も変わり、雨の降り方も亜熱帯のように感じることもある。
線状降水帯などという言葉も、以前は聞いたことがなかった。気候天候の専門用語も年々新しいものが出てくる。

自然災害には気をつけながら、雨を観察し、雨の日を味わっていきたい。

猫間英介





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