No.18【八王子散歩】未成道「大塚小比企線」(七国・相原)

散歩中に気になった事があったのですが、調べても分からなかったので、教えてくださる方がいらっしゃらないかなと思い、この記事を書いています。
私は道路や構造物に疎いので、不正確な言い回しなどを大目に見ていただけますと幸いですm(_ _)m

1. 尾根沿いの遊歩道に並走する道

八王子の南方に位置するみなみ野シティ。その中でも町田市と接する七国周辺を散歩しました。今回の記事は、陽田谷戸から七国公園までの散歩に関するものです。

今回歩いた道はJR横浜線を横断するルートであり、相原トンネルの真上を通過します。そのため、遊歩道の端には国鉄の境界杭がありました。(鉄道の所管が明治政府の工部省であったため、国鉄の境界杭には「工」の文字が彫られているそうです。)

この杭があるあたりの遊歩道の端にはガードレールが設置されています。景観に馴染まない真っ白なガードレールであることと(茶色いガードレールや単管の手すりだったら素通りしていたかも)、この付近のみに突然出現したことに違和感を感じて周囲を観察していると、一段低い平場にもガードレールがありました。

一段低い平場に降りてみました。道路脇にU字溝が設置されていましたが、路面は未舗装でした。火の用心の看板には「住宅都市整備公団」の記載が見られます。この一段低い平場とガードレールは、遊歩道と並走する形でしばらく続きます。

2. 道の正体

上の画像は、UR都市機構が公開しているみなみ野シティ土地利用計画図です。この画像から、遊歩道と並走している未成道は都市計画道路3・4・8号線「大塚小比企線」であることが分かります。

上の画像は、ニッスイの研究施設の南側にある整備予定地です。大塚小比企線は、ニッスイの研究施設の南側を通り、鑓水交差点の辺りで国道16号へぶつかり、由木街道(都道20号)へ接続するよう、構想されているようです。

3. 大塚小比企線の現状

平成24年 八王子市議会第1回定例会の一般質問の中で、大塚小比企線のことが取り上げられていました。市議の方のホームページに議事録が掲載されていたので、そちらを抜粋します。

大塚小比企線の整備についてお伺いをいたします。
この道路は、平成18年から27年までの10年間を期間とする第３次事業化計画策定の際、優先整備路線に指定されるよう市長みずから東京都に直談判し、要請してきた路線であります。しかし、結果的に選から漏れてしまった市内５路線のうちの１つであります。
(中略) 
この路線は、多摩ニュータウン最後の開発区である鑓水16住区や、多摩境、それにみなみ野を直接結ぶ重要路線であり、早急に整備してもらいたいのですが、なかなか前に進んでいきません。東京都の次期計画、第４次事業化計画に位置づけられない限り困難なのかなという思いもあります。

出典: 24年第１回定例会での一般質問（12.3.29）

2016年度から2025年度までの10年間で優先的に整備すべき路線を示した「第四次事業化計画」がすでに公表されています。第三次事業化計画から外れてしまった大塚小比企線ですが、第四次では優先整備路線に指定されていました。これから数年間の間に工事が進み、今回散策した道の周辺の雰囲気が大きく変わるのかもしれません。

上の画像は、東京都都市整備局ホームページ内の第四次事業化計画における優先整備路線からの抜粋です。

4. 七国と町田を結ぶ路線は？

大塚小比企線を整備する目的は、多摩ニュータウンから八王子ニュータウンを通り、八王子南バイパスまでの東西方向の交通の利便性を向上させるためです。

では、南北方向の道路の整備は行われないのでしょうか？
つまり、『七国から町田側に抜ける道を開通させる構想はないのか？』というのが、私の疑問です。

このような構想がそもそもないのか（都道・神奈川県道506号もありますし）、道が八王子市と町田市を跨ぐために自治体間の調整の中で計画が立ち消えになったのか、それとも計画は現在進行中なのか、何かご存知の方がいらっしゃいましたらお教えいただきたいです。

地図を見ている限りでは、七国側と町田側の道路があと少しで繋がりそうだと感じてしまいますが、実際に道路を開通させるとなると簡単ではないのでしょうか。