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音楽で聞くファッションブランド 2

みなさん、こんにちは!
I'chiba'n スタッフのハンです!

今回の記事は、前回投稿した「音楽で聞くファッションブランド」の続編を準備いたしました!

前回の記事をまだ読んでいない方は、
こちらを先にお読みいただけると、より面白く記事を楽しめると思います!

最近は、ZARA、ユニクロのようなSPAブランドから始め、
様々なセレクトショップ、ストリートブランド、
そしてCHANELやLouis Vuittonのようなハイブランドに至るまで、


ファッション業界は自分達の色を顧客に分かりやすく見せるために、
音楽を活発に使用しています。

今回は、音楽配信サービスに登録されている
各ブランドのプレイリスト、もしくはショーに使われた音楽を
みなさんに紹介しようと思います!

「音楽で聞くファッションブランド」から

①Freitag

 廃棄寸前のトラックの幌や使われなくなった自転車のタイヤチューブなどの素材を再利用して、丈夫さと機能性を求めるのはもちろん、素材のパターンや質が全部違うところを活用し、世界に一つしかないデザインの鞄を作っているFreitagはその価値を認められ、多くのファッション好きの方に愛されているスイスの鞄ブランドです。

 Freitagは今回新しいモデルのバックパック、「MONO[PA6]」の宣伝動画に、モジュラーシンセサイザーを活用したアンビエント音楽を起用しました。

 個人的な解釈では、「Upcycle」(Level Up + Recycle:リサイクルを通して新しい商品を制作し、より価値のある商品にレベルアップさせる、という意味の新しい言葉として使われている)という言葉を流行らせたブランドでありつつも、感覚的な動画とアンビエントミュージックがくれる抽象的な雰囲気を通して、「機能性だけのブランド」「リサイクルって結局ゴミで作ったものではないか」など、今までFreitagが持っていたネガティブなイメージを超えようとしているように感じました。
新しいモデル「MONO[PA6]」からもしっかりファッションブランドとして一歩踏み出そうとしているように思えます。

 モジュラーシンセサイザーを使用したアンビエントミュージックをより体験してみたい方は、I'chiba'nが毎月開催している『ONxCHI』meetsART」で体験してみることも良いかと思います。

 Freitagは宣伝用動画以外にも、自分たちのアイデンティティとオリジナリティを強調するため、Spotifyを通してプレイリストをキュレーションして提供するなど、音楽をしっかり自分たちのブランドの一部として活用しています。



②Gentle Monster

アンビエントミュージックを活用しているブランドとして、
みなさんにもう一つのブランドを紹介したいと思います。

2011年から韓国を拠点に始め、現在は世界的なブランドとして広がっている「Gentle Monster」は、近未来的なデザインと、やりすぎなデザインの間を微妙に守っていることが特徴であるアイウェア(Eye Wear : メガネ、サングラスなど、目にかける方のアクセサリー)ブランドです。

 その近未来的デザインと高級感を強調するため、「Gentle Monster」もモデューラーシンセサイザーとノイズを中心にした楽曲を積極的に活用しています。

 ただし、さまざまなブランドやインフルエンサーとのコラボを大事にしているブランドである分、自分たちのオリジナリティーを維持しづつ、コラボ相手のキャラクターもしっかり気にして楽曲を選んでいることも確認できます。



③Vivienne Westwood

服はもちろん、ピアス、ネックレス、財布など、
幅広い多くの方々に愛されている「Vivienne Westwood」は、イギリスのパンク文化から大きな影響を受けた分、以前から音楽ともとても近い関係を持っているブランドです。
国内ではアニメ、映画の「NANA」で知られているブランドでもあります。

2022年、Vivienne Westwoodさんが亡くなった以後にもパンク精神をもとにしているコレクションをたくさん発表していますが、2024/25 F/Wショーでは、かなり面白い音楽を使用しました。

 今回のコレクションは、オーストリアの現代舞踊家Simon Mayer,を中心に、Matteo Haitzmann, Simon Wehrliの3人組トリオSunBengSitting x Sons of Sissyとともに、全体のショーを現代美術化しました。

 音楽を積極的に使用し、ファッションショーをライブぽくすることは、もう珍しくはないかもしれませんが、
今回のショーはいわゆる「アカペラ」(Accapella:楽器を使用せず、人の声だけで全開する音楽)、もしくはUnplugged(電気を使用する楽器を使用せず、アコギのような楽器だけを利用した音楽)のように、口で真似した鳥の鳴き声、足音、お尻を叩く音、メトロノームなど、今までは楽器としてはあまり使われなかった音をリアルタイムで演奏しました。(上記の動画、14:46から)

 今回のコレクションが後期ルネサンスの衣装、そして民族ダンスをテーマにしている分、電気を使用せずより人間らしい音、自然の音を追求した結果、デザイナーが求めたエキゾチックな雰囲気を強調することができたかと思います。

 また、今回のショーではミュージシャン「SamSmith」がモデルとして参加、よりジェンダレスなVivienneのスタイルを強調できたのはもちろん、ミュージシャンとファッションの関係性に関してももう一度考えてみる貴重なパフォマンスだったと思われます。


④thisisneverthat

 2010年設立され、韓国の「Supreme」とも呼ばれている「thisisneverthat」は、ストリートブランドの人気が強かった数年前、過激なロゴープレイ(ブランドのロゴーを大きく書いたTシャツなどをデザインする方法でブランドのアイデンティティを強調させる方法)で人気を得たブランドです。

 最近は韓国だけではなく、日本の若者にも愛されるようになり原宿や渋谷などでよく見かけるブランドになりました。

 「thisisnevethat」の特徴はユニクロ、GUのようなドメスティックブランドである分、ブランドとしてのコンセプトは強くないですが、ワークウェア(Work Wear : 工事現場など、特集な仕事の作業服からインスピレーションされたルックス)、テックウェア(Tech Wear:機能性だけを求め、ポケットがたくさん付いていたり、ゴアテックスなどの生地を使った服でスタイリングするルックス)、ブロックコアー(Block Core : スポーツユニフォームとカジュアルをミックスマッチするルックス)など、その時ストリートシーンでの流行りをしっかり反映しつつも、真似するだけではなく、しっかりもとになるジャンルを反映して独自のデザインを作っていることです。

 そんなブランドの特性が音楽にも反映され、thisisneverthatは毎回のコレクションにそのコンセプトにフィットした音楽を使用、ブランドのオリジナリティよりコレクションのコンセプトを強調しています。

 2021年、ポケモンとのコラボではHiphopをベースにしつつ、ちょっとしたCheeptuneの要素を取り入れ、可愛さとおしゃれ感を強調したり(動画1)、2024年、BudweiserとのコラボではDrum & Bassとハードロックをハイブリッドさせたようなサウンドの曲を使用することで若さと自由を強調しています。

 その他にも、韓国のHiphopアーティスト「Giriboy」、「Paloalto」と楽曲を制作するなど、若者のストリート文化を色々な形でブランドに反映しています。


⑤Supreme

 アメリカのスケートボード文化に基づいているSupremeは、最近に入ってはその人気が減ってしまったですが、2010年代のストリートファッションブームを起こした主役である分、歴史的存在価値はとても高いブランドです。

 ストリートファッションのブームが終わった今もSupremeが多くの方に愛されるようになった理由は、VFコパレーションに合併された後も、しっかりスケートボード文化を元にしたコレクションを発表する努力をしてきたからなのではないかと思われます。

 それだけスケートボード文化を愛するSupremeは、やっぱり、自由、挑戦、反抗などのキーワードを大事にするスケートボード文化に合う、Rock、Hiphopなどの音楽を宣伝動画やお店のBGMに使用してきました。

 また、Hiphopミュージシャンthe Notorious B.I.G、Gucci Mane, Alternative RockミュージシャンNeil Young、Michael Jacksonの顔やアルバムカバーがプリンティングされたコラボを展開するなど、さまざまなミュージシャンとの親しい関係性を作っています。

 もっと面白いのは、KORG、Fender, Akai など、さまざまな楽器ブランドとコラボし、限定デザインの楽器も作っています。(動画の16秒から)


⑥UNIQLO


みなさんはユニクロのYoutube、みたことありますか?

 今回の記事を準備しながら色々なブランドを検討しましたが、高くて手が届かないブランドではなく、僕たちに一番近いドメスティックファッションブランドであるユニクロはどんな音楽を使用しているんだろう、と気になり、ユニクロの今までのCMや動画を色々確認しました。

 その中でも私が興味を持ったのは、「Life Wear Music」という企画でした。

「ふだんの生活」を衣替えするように。
気分にあわせて、ライフスタイルシーンを選ぶ。
音楽(BGM)と映像(BGV)との融合からはじまる、あらたなる生活様式。
それが、『LifeWear Music』。

ユニクロのYoutubeから、LifewearMusicの紹介文。

 仕事や作業中に聞くためのアンビエントミュージック、Lofi Hiphop、Jazzなどの音楽配信チャンネルが数年前から流行っていますが、ユニクロもさまざまなアーティストとのコラボを通して、キャンプや作業など、さまざまな場面で聴ける落ち着く音楽を「Lifewear Music」を通して提供しています。

 ユニクロの服は下着からスーツ、長袖から半袖、カジュアルからフォーマルまで、幅広く服を出している分、私たちの生活どの場面でも合いそうな服がありますよね。お店も多くて、少し時間を出せばいつでもその服を簡単に手にすることもできますし。
 そういう「どこにいてもユニクロが一緒」というイメージを,「Lifewear Music」のような企画を通して、より強く主張しているようで、とても面白いな、と思いました。



みなさんいかがですか?
ファッションはただ生存を目的にする手段を超え、芸術に、
そしてブランドの特性やキャラクターを通して、着る人本人の性格やイメージを表現できる「自己解放」の機能までしている、人類にはなくてはいけないものになっていますね。

実は僕たちが毎日着ている服にもそれなりのストーリーが、
そして今まで知らなかった素敵な音楽が含まれているかもしれません。

みなさんはどんなブランドが好きですか?
そしてそのブランドは、どんなストーリーと音楽を含めていますか?

ぜひみなさんもコメントでファッションブランドの面白い音楽やストーリーを教えてください!


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