🎹 DTMer・作曲家の目線から見るK-Popの特徴 - 中編

2023年6月20日 14:12

みなさん、こんにちは！
I’chiba’nです！

前回はK-Pop風楽曲を作るために、
K-Popのジャンル的特徴を紹介させていただきました！

今回は、本格的にK-Popトラックを作ることにおいて、
参考になる、音楽的、トラックメーキング的な特徴を
紹介させていただきたいと思います！

一番大事なのは低音

J-Popではロックベースのバンド編成の曲が多いので、
ギターの音作りや、上物のメロディーラインを大事にモニターしながら楽曲を制作している方が多いと思います。
そのせいで、高音域の楽器の音作りを頑張る場合が多いですが、

K-PopはEDMなど、ダンスミュージックをベースにしている曲が多いので、
EDMの作り方をベースに考え、
ドラムとベース、低音の音を綺麗にまとめることが大事です。

コツ１：最初からいいサンプルを使おう

自分が作りたい楽曲のジャンルが決まったら、
そのジャンルに当てはまるドラムサンプルから探しましょう。

Splice : （月格サブスク：12.99$から〜）

Spliceでは、EDMを中心に使えるさまざまなサンプルをサブスク式で
販売しているプラットフォームです。

例えば、Dubstep風の楽曲が作りたいのであれば、
Spliceに登録し、「Dubstep」と検索するだけで、
ドラムはもちろん、シンセ、ベースなど、出来上がった音のサンプルを
たくさん提案してくれるので、
とても便利にサンプルを探すことができます。

Spliceは最近いろいろな曲から聞こえすぎて、
逆に嫌がる人もいるみたいですが、
簡単にDAWにアクセスして必要なサンプルを手に入れることができるので、
使ったことない方はぜひ使ってみてください。

その他、ポピュラーに使われているサンプル販売サイト：

Ujam - IDol (11,147円)

Ujam社は、かなり独特なコンセプトの音源を作っている会社です。
こちらのプラグインは、面白いことにK-Pop楽曲制作だけを想定して作られたドラムシンセサイザーです。

紹介動画を見ればわかると思いますが、
さまざまなジャンルのドラムサンプルとプリセットを提供する上に、
Transitionの調節、Saturater調節など、
ドラムシンセサイザーとしての十分な役割をしているプラグインです。

個人的な印象では、
少し音が軽いイメージはありますが、以下から説明する
「レイヤー」で十分解決できる範囲内の音をしていますので、
より重い音の音色が必要だったり、K-Popにこだわらず、
EDM楽曲の制作にもとても簡単に使えるドラムシンセです。

コツ２：音をレイヤーさせよう

K-Popの音響的特徴は、まるで濃いメイクをしているような
極端に派手なサウンドだと思います。
これがまた一般的なEDM楽曲との違いなのではないかと思いますが、

ボーカルの処理も、ベースの低音も、シンセ、プラックなど
ウワモノの楽器も、極端に派手なサウンドをしているところが、
K-Popの音響的特徴です。

そういった派手な音の作り方はいろいろありますが、
まずは音の倍音を増やすことが大事です。
J-Popのダンス楽曲より、
K-Popの楽曲でドラムが厚く聞こえる理由でもあります。

倍音を増やす、一番簡単なコツは、
音を重ねることです。

もしかしてみなさん、楽器ごとに必ず１トラック、
と勝手に自分の中で制限してませんか？👀

実はDTMの世界、特にK-Popの世界では、
聞こえる音より聞こえない音の方が大事にな場合があります。

もちろん、何も考えないでひたすら音を重ねて、
という意味ではありません。
メインで使いたいキック、スネアなどに、足りてない成分を重ねる感じです。

例えば、選んだキックサンプルのスーパーベースに（超低音）
もう少し余韻があってほしい、と思ったら、
超低音に余韻をを持っているサンプルを別トラックで重ね、
必要な部分だけをボリュームやEQで調節して使う感じです。

かなりざっくりとした説明になってしまいましますが、
K-Popではドラムだけではなく、シンセ、べースなどに、
音をレイヤーさせ、分厚くて存在感のある音に仕上げることが一般的です。

音を重ねると時は、
マスキングされ、逆に元の音の魅力を失ったりする場合も多いので、
音をレイヤーする時は、

確実な意図を持って
レイヤーの音の存在理由を常に疑いながら
マスキング（音通し、重要音域が被り、籠ったような音になること）に注意
Octaveでのレイヤーも考える

しながら作っていきましょう。

コード感を聞かせない

K-Popは
コードが確実にわからないアレンジをされている場合が多いです。

コード感がわかりやすい楽器を使わなかったり、
ピアノやギターなどの楽器を使っても、
できれば和声を聞かせるのではなく、
リフの動きをメインにするアレンジが多いです。

特に、ダンスの傾向が強いジャンルになればなるほど、
コードの存在感は薄くなりますが、それには理由があります。

K-Popは日本の楽曲と違って、1曲の中に大人数が参加することが多いです。

この曲の場合、
今一番ヒットソングを出しているシンガーソングライター、
Ed Sheeren氏の名前も見えますね。

一般的なEDMだと、一人の人がメロディーからトラックメーキングまで
全部やってしまうパータンが多いと思われますが、

K-Popの場合、アレンジが終わった段階のトラックができ（トラックメーカー）、
その上に歌メロを乗せていく（トップライナー）流れで楽曲を作るので、
各パートごとよってメロディーを描いた人が違ったり、
チームで楽曲を制作するので、参加人数が多いのです。

ということは、
すでに出来上がって変更できないコードの上にメロを載せるより、
ルート音は決まっていても、
Majorコードなのか、マイナーなのか、曖昧なサウンドの方が、
メロディーを載せる人的には自由にスケールを選んでメロをかけますよね！

３度がない方がクールで迫力のあるサウンドになる場合も多いです。
パワーコードみたいに。

ただ、３度なしのこのアレンジだと、J-Popのような和声から感じる
繊細な表現などはできないので、
アレンジの方法として両方頭の中に入れておきましょう。

どっちのアレンジ方法がいいのかは、
楽曲のコンセプトとジャンルによって変わることであり、
絶対的ではない、ということを覚えてください。

和声感・コード感が薄い楽曲の例：

BTS - Make it right

https://www.youtube.com/watch?v=y3rj2CDHF5c

Aパートにもちょっとしたパッド楽器が入っていますが、
はっきりコードが聞こえる音ではないですね。
Bパートでやっとピアノなどが出始め、コードを聴かせてくれますが、
サビに入ってまた、
コードの動きよりはベースと、
ループされるリフがメインになって楽曲のスケールを説明してくれる
アレンジをしています。

Stray Kids - Thunderous

こちらの楽曲はコードとメロディーの相性を聞かせる曲ではなく、
完全にサウンドのかっこよさで勝負するアレンジしてますね！

Saturator・Multiband Compresserの活用

みなさんは、Saturatorとか、Multiband Compresserなどのプラグインを
使っていますか？

個人的に、この二つのプラグインこそ、音をうまく化粧してくれるプラグインだと思います。
特に、Multiband Compresserは、
あまり歴史が長いプラグインでもないですが、
CubaseなどのDAWに内蔵されるようになるぐらい、音作りからマスタリングまで、
頻繁に使われているプラグインです。

Saturatorは、
倍音を増やして、音の厚さを出したり、質感を変えたり、
艶を出すなどの役割をするプラグインです。

Multiband Compresserは、
EQのような見た目をしていますが、
実は音域ごと違う設定でCompressすることができるプラグインです。
必要な音域をもっと目立つようにさせたりし、いらない成分のノイズを削ることができます。

上でも言っていますが、k-Popはまるで濃いメイクをしているような
極端に派手になサウンドをしています。

Saturatorも、Multiband Compresserも、
とても強力なプラグインで、
うまく使用するとk-Popのような派手なサウンドになりますが、
使用難易度が高いせいで、全然ダメな音になってしまったり、
音の変化がとても激しいプラグインです。

ですので、何回か試してみたり、マニュアルをしっかり読んだり、
Bypassを確認しながら使用することをお勧めします。
何もわかってない時は、プリセットだけでも十分です。

今日は、前回のジャンル的特性から続けて、
k-Popの音楽的な特性をまとめてみました！

そこまで大した内容ではなかったかもしれませんが、
その小さい違いが、より最初企画したニュアンスの楽曲に
近道を作ります。

I’chiba’nでは、K-Popはもちろん、
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