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コミュニケーションデザイナーは具体的に何をやっているのか?

こんにちは、クックパッドデザイン推進部のいちはら@ichinii3です。

先日「コミュニケーションデザイナーって最近よく聞くけど、具体的に何しているのかわからない。」という声を頂きました。

確かに。

分かりにくいし、どう説明して良いか迷ったので、これを機にクックパッドで行われているコミュニケーションデザインの具体例に挙げて(ボツになった事例も紹介します)記事にまとめたいと思います。コミュニケーションデザイナーについて知りたい方の参考になれば嬉しいです!

そもそもコミュニケーションデザイナーとは?

そもそもコミュニケーションデザイナーとは、何か特定の分野に限ってデザインをしているという訳ではなく、ブランド・サービスの目的や課題に対して、デザインの知見をフル導入してアウトプットを行うことで、ブランドと、それを届ける相手とのコミュニケーションを作るデザイナーのことです。

届けるための手段はいろいろ

解決の手段は色々あるからこそ「何してるの?」と聞かれて「うーん。なんか、色々やっているなー・・・UI・グラフィック・ノベルティとかも・・」と答えることとなり、具体的によくわからない。ということになるのかなと思います。私の周りにもそういう目的のために手段を選ばない系のデザイナーが増えている気がします・・(ちょっと物騒w)。

デザイナーあるあるの話

デザイナーは、よく聞く話だと思いますが、例えば、最初はパンフレットを作るはずだったけど、話し合った結果、最終的にSNS配信バナーを作った。など。手段ではなく目的に向き合うことで、アウトプットが変わることがあります。

また、さらに言うと、必要と思えばグラフィックだけでなく文章を考えることすらあります。例えばcookpad newsのサービスコンセプト文はイラストと一緒に私が作成しました(もちろんコピーをプロに任せる判断も前提としてあります)。

cookpad news コンセプト

そうは言うけど現実は・・・

いや、そんなこと言うけど仕事としてデザインしなきゃいけないものが先に決まってて(むしろ、そっちの方が多い)そして期限もあるから、いちいちコミュニケーションうんぬん言ってたらキリがない。ということもあると思います。

そんな時でも、ちゃんと目的まで遡り、考えられる人がコミュニケーションデザイナーと個人的には思っています。目的に立ち返れるかどうかで、おそらくアウトプットは変わってきます。

では、以下にデザイン推進部(※)で行ったコミュニケーションデザインの具体例を3つほどあげてみようと思います。

※デザイン推進部は、クックパッド内で中長期的な視点でのブランディングや会社横断でのデザイン活動をおこなっている部署です。

デザイン推進部で行ったコミュニケーションデザイン

課題_インターン生とのコミュニケーション活性化

CookpadSummerInternship2022

こちらは、インターンシップのノベルティ一式です。今年は、久しぶりのオフラインでの開催でとても盛り上がりました(様子はこちらのnoteで)。
一方、以下は去年の様子です。オンラインだった為、画面上で社員と参加者が分かりやすいようにzoomの背景を分けているのが分かると思います。

昨年の様子(白:社員 黒:参加者)

今年はオフラインのため、実際のオフィスでも同じように参加者をパッと判別できて、社員が参加者に声をかけやすい状況を作らないといけません。そこで社員とインターン生のTシャツとストラップのデザインをzoomの背景のように反転させることで、一体感を感じさせつつ、コミュニケーションを活性化できるように工夫をしました。

左写真)インターン参加者  右写真)社員

小さなことかも知れないですが、ただノベルティを作るだけでなく目的を持ってアウトプットに繋げている良い例かなと思います。

ちょっとしたものにも工夫を持って作る


課題_実験農園を近所の一般客にも広報したい

うちの野菜webサイト

これは、クックパッドが行っている生物多様性や自然との共生を追求する実験農園のwebサイトです。周辺住民へのご案内ページを作成したいという話だったのですが、当初、農園自体の名前がなく「ガーデンファーム」とだけ記載させれて、かなり説明文章量も多かったので、事業責任者にヒアリング。このプロジェクトがユーザーとどういったコミュニケーションをしたいのか?から掘り下げた結果から、一般客にも親しみやすくなるよう農園の名前の提案し、野菜収穫をイメージしたシンボルロゴの作成。
またイメージしやすいように現場で実際に子供たちが収穫している様子を写真撮影し、コンセプトを簡潔なコピーにまとめてから、UIデザインに落とし込みました。

「近所で気軽に野菜を収穫して、料理してほしい」という思を込めたロゴを作成
最適なコミュニケーションのために手段を駆使する


上記のように、提案がうまくいった事例ばかりではなく、考えた結果残念ながらボツになる事例もあります。

課題_クックパッドらしいiOSDCノベルティとは?

9月に行われたiOSDCでは、当初クックパッドらしく食品をノベルティとして配りたい。という要望がありました。もちろん、食品にロゴをつけてノベルティにすることは比較的簡単にできます。しかしクックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを掲げる料理の会社だからこそ、食品ノベルティについては慎重に考えたいと思い、さまざまな調査を行ったもののミッションを表現するためのストーリーが描けずに食品のノベルティは断念することになりました。

iOSDCノベルティ

その代わりに「登壇者を応援する・イベントをみんなで盛り上げる」という目的に切り替え、LGTMうちわと装飾用のステッカーを作成しました。
また実際のブースで配るノベルティには、料理をした時に使えるクックパッドオリジナルの料理アイコンをあしらったキッチンタオルを作成しました。食品ノベルティについては、クックパッドブランドを体現できるようなものを考え直し、次の機会にチャレンジしたいです。

そして、現在、デザイン推進部のコミュニケーションデザイングループでは、11月25日に開催されるTechConfに向けて会場装飾やノベルティの作成を行っています。今年からロゴもリニューアルしました。

そこにどんなコミュニケーションデザインがあるのかは、開催後に詳しくお伝えできると思いますので、お楽しみに。

まとめ

色々と書きましたが、まとめると

・デザインのアウトプットによってコミュニケーションを作る
・目的や課題に合わせて適切な手段を導き出す

何のために作るのか?に常に立ち返り、そこでどういったコミュニケーションがなされるか?を考えることがコミュニケーションデザイナーのやっていることなのかなと思います!

こぼれ話

クックパッドには、プロダクトデザイナーとコミュニケーションデザイナーという2職種のデザイナーが存在しています。私は元々プロダクトデザイナー(UIUXデザイナー)だったのですが、なんかやってることがコミュニケーションデザイナーっぽいねと言われたのをきっかけに転身しました。結局、あまり肩書きとかは関係なくデザイナーとして、目的に向きあうことが大事なのかなと個人的には思っています。

現実問題が色々あるにしても、精進するのみです!

以上です。読んでいただきありがとうございました。クックパッドではコミュニケーション・グラフィックデザイナーを募集しています。興味を持たれた方はぜひこちらをご覧くださいませ。



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