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ある日突然、退職を勧められたら

牛丼チェーン「吉野家ホールディングス」の業績が悪化。吉野家は、今年度中に国内外の150店舗を閉店することを明らかにしました。また、東京商工リサーチによると今年上半期(1~6月)に希望退職を募った上場企業は、41社と昨年1年間を上回ったそうです。

そんなわたしも整理解雇を受け、2020年7月末で会社を辞めました
いろいろと腑に落ちないこともありましたが、いくつかの行政や法的機関に相談することで、ようやく着地点をみつけることができました。
こちらの記事には、辞める際にお世話になった「労働局」「社会保険労務士」「弁護士」などの無料相談の窓口についてまとめています。

■初めての法律相談

希望退職の打診があったのが、2020年6月16日(火)。6月21日(月)までに回答を伝えることになりました。打診を受けた時点で、どうあがいても会社に残る方法がないとわかり、受け入れることにしました。

しかし、企業側から提示された内容をみた瞬間、モヤモヤとした感情がわき上がりました。
有給休暇付与のタイミングや夏休みを含むと取得できる休暇は、40日ほど。しかし、会社の提案している希望退職の内容だと、引継ぎが完了しなければ有給休暇を取得できず(実際は、法律上守れられている労働者の権利ですので交渉可能です)、7月31日(金)までに消化できない休みは放棄しなければなりません(これだと有給が9日以上なくなってしまいます)。
会社都合の急な打診であること、あまりに残酷な扱いに腹が立ちました。

しかし、自分ではそれを言語化することができず、またどう戦っていいかわかりません。一人では太刀打ちできないと感じ、まずは専門家の意見を聞きに行こうと考えました。

0)下準備
無料相談の時間は限られています。そのため、聞きたいことを明確にし、必要な証拠や参考になる資料(時系列に整理がおすすめ)、質問されるであろう内容についての回答など、先回りして準備することをお勧めします。
わたしは緊張しやすいので、事前にリハーサルも行いました。

まずは、役所の無料相談に行きました。(2020年6月時点の情報となりますので、営業時間等変更になっている可能性があります。詳しくは、各期間のWEBサイトをご確認ください)

1)地域の法律相談
わたしが住んでいる地域の役所では、金銭、離婚、相続、人権など、生活にまつわるさまざまな問題や悩みについて無料で相談できる窓口があります。

事前予約制で、時間は30分ほど。一つの案件に対して1回だけ相談することができます。

役所の弁護士さんは離婚と相続が専門。ここでは、「これだ!」という回答を得ることができませんでした。しかし、自分の状況や意見を言語化できたこと、また交渉の余地があることがわかりました。なにより、モヤモヤを法の下の正当な要求として意見することができるという事実にとても安心しました。

この後の動きを決めかねていたところ、法律相談案内所で、法テラスを見つけました。

2)法テラス・サポートダイヤル*(WEB
営業時間:平日 9:00〜21:00・土曜 9:00〜17:00
電話番号:0570-078374

*刑事・民事を問わず、法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしようという構想のもと、総合法律支援法に基づき、2006年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人。法的トラブルの問い合わせに対して、適切な法制度、関係機関(法律相談・公的機関窓口等)の紹介する。

法テラス・サポートダイヤルでは、“有給休暇は労働者に与えられた正当な権利”だとアドバイスをいただきました。さらに相談先として、「労働局」「社会保険労務士」「弁護士」の連絡先を教えていただきました。(お時間がないかたは、以下の「労働局」「社会保険労務士」「弁護士」に、ご相談いただくといいと思います)

ちなみに法テラスと契約している弁護士・司法書士への相談も可能です。ただし、無料相談を受ける際は、収入等が一定額以下であることなど条件を満たす方のみと制限があります。詳しくはWEBサイトをご確認ください。

3)労働局*(WEB
地域によって窓口が異なりますので、WEBサイトにてご確認ください。

*解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどのあらゆる分野の労働問題を対象としています。専門の相談員が面談もしくは電話で対応してくれます。予約不要、利用無料です。

労働局では、「有給が取得できるのは雇用関係にある場合のみ」や「有給の切り捨ては違法ではない」など、わたしの欲しい回答は得られませんでした。しかし、整理解雇の4要件についての説明や雇用に関する基本の考え方を教えていただくことができました。「整理解雇」を行うのはかなり難しいこと、再雇用を考えるなら会社を訴えることもできるとアドバイスいただきました。

4)全国社会保険労務士会連合会総合労働相談所*(WEB
時間:平日 11:00〜14:00
電話番号:0570-07-4864

*全国47都道府県にある社会保険労務士会は、気軽に、安心して利用できる労働相談窓口です。

問合せは平日のみだったので、残念ながら社会保険労務士の方への相談はできませんでした。

「労働局」「社会保険労務士」「弁護士」と、それぞれ専門が異なるため回答が違うことがあります。法律の相談をする際は、いくつかの場所に連絡するのがおすすめです。
(急に解雇された友人は、社会保険労務士では「会社都合の離職票の受け取り、退職届を書かない」。労働局では「解雇予告手当と解雇理由書をもらう」とアドバイスしてもらったようです)

5)日本労働弁護団*・東京(WEB
時間:月火木 15:00〜17:00、土 13:00〜15:00
電話番号:03-3251-5363
(注)現在、変則的な実施となっています。WEBサイトをご確認ください。

*日本労働弁護団は、憲法で保証された労働者と労働組合の権利を擁護する目的として全国の弁護士によって組織された団体です。

日によっては混み合う可能性があります。わたしは、土曜日に電話をかけましたが、繋がるまでに1時間ほどかかりました。日本労働弁護団への相談は、時間の制限がないので、対処方法や交渉の進め方など細かくアドバイスいただくことができました。

また、今後もいつでも相談ができるようにと、担当の弁護士の方の連絡先を聞いておきました。

最終的に

どの窓口でも必ず聞かれたのは「あなたはどうしたいの?」という質問でした。最初は、自信がなくうまく答えることができませんでしたが、“今後どういう人生を生きたいか”について改めて自分自身に問うきっかけにもなりました。

わたしは、この会社で働けることを心から誇りに思っていましたし、必要としてくれるならできる限り貢献したいと考えていました。
相談していく中で「不当解雇無効の訴えを行い、会社に復帰することもできる」とも言われましたが、「必要ない」と言われた会社に無理やり残るより、自分を必要としてくれている場所に行きたいと答えを出し、退職を選びました。

このページをみている方は、今まさに大変な状況かと思います。皆さまが納得のいく答えが得られるよう応援しています。

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。よければ、またお待ちしています。