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【ブラック・ウィドウ】21年越しの家族の絆

7月8日(木)に、
マーベル・スタジオ最新作「ブラック・ウィドウ」が公開。
2年ぶりに、マーベルシリーズが劇場に帰ってきた(!)
ということで、はやる気持ちを抱えつつ、さっそく行ってきました。

ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)は、マーベルのキャラクターの中では、(強くてタフなのでつい忘れてしまいますが)普通の人。
超人的な身体能力と優れた知性を持っていますが、キャプテン・アメリカやハルクのような特殊な能力はありません。

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「ブラック・ウィドウ」では、今まで伝えられてこなかった彼女の過去を描いています。

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■ログライン
孤独な女 ナターシャ・ロマノフが、自分を暗殺者に育て上げたスパイ組織「レッドルーム」との対峙を通して、(偽りの)家族との繋がりを育む。

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■あらすじ
1995年アメリカ・オハイオで、偽りの父・母・妹と共にナターシャ・ロマノフは生活していました。平和な日々も束の間、S.H.I.E.L.D.にロシアの工作員であると気づかれた一家は、命からがらレッドルームの基地があるキューバに戻ります。潜入任務を終えた家族は、ドレイコフ(レッド・ルームのボス)の策略もありバラバラに。

21年後の2016年、アベンジャーズは内部分裂。ソコヴィア協定に違反したナターシャは、アメリカ国務長官のサディアス・ロスに追われていました。
逃亡中の彼女は、友人メイソンを頼りノルウェーに渡ります。彼が急遽用意したキャンピングカーには、ブダベストの隠れ家に置いていた私物が。その中に見慣れない赤い薬品(ガス)が入っていることに気づきます。
その夜、ナターシャは見知らぬ敵に急襲されます。

襲われた理由を探るべく、ナターシャはブダベストに。
21年ぶりに血の繋がらない妹 エレーナに再会します。赤い特殊なガスを送ってきたのは彼女でした。
エレーナがついこの間まで操られていたこと、
S.H.I.E.L.D.加入の最終試験で暗殺したはずのドレイコフが生きていること、
レッドルームが今も秘密裏に少女たちを洗脳し、戦闘集団“ウィドウ”として育てていること、を知ります。

ナターシャとエレーナは、ドレイコフとの因縁の関係に決着をつけ、レッドルームを崩壊。囚われたウィドウたちを解放するため、離ればなれになっていた偽りの家族と再会し、共闘するのです。

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ヴァルキリー、ワンダ、ガモーラにキャプテン・マーベル...。
マーベルシリーズで好きな女性キャラクターもたくさんいます。
しかし、特殊能力に頼らず、ずば抜けた戦闘スキルで生き抜くナターシャは、(にも拘らず、ただの人間という)親近感から憧れずにはいられません。

彼女のよう動けるようになりたくて、習得している武術やトレーニングについて検索したこともあります。笑

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面白かったポイント
(ネタバレもあるので、これから観る予定の人はお気をつけください)

①キャラクター設定
脚本の学校で、よく指摘されることの1つに、“キャラクター性”があります。
 その人はどんな性格で、
 どんな人生を生きて、
 どんな反応をみせるか、
 そして、どんなセリフを言うか。
脚本修行中の場合、基本書き手は一人なので、それぞれの個性を形成するのは、正直かなり難しい。

しかし「ブラック・ウィドウ」では、各キャラクターのバックボーンがきちんと設定され、説得力があります。
レッドルームから抜け出し、アベンジャーズの一員として自由意思で正義を行える立場になったナターシャだからこそ、ソコヴィア協定に対して葛藤するし、ウィドウを解放するために奮闘するのです。

②“痛みは人を強くする”
怪我をした幼いナターシャが、母親メリーナから授けられた言葉。
これがあったから、ナターシャは、どんな過酷な状況でも諦めずに強く生きてきたんだろうと感じずにはいられない、台詞です。
そして、21年後、ドレイコフの監視下で研究を続ける母親を、奮い立たせるキーワードでもあります。(伏線回収が見事!)

③ナターシャとエレーナの関係
姉妹の設定が、
リアルに、とても細やかに描かれています。(わたしも姉妹なので特に)

ナターシャはアベンジャーズの中では、
賢くクールで突っ込みどころなんっていっさい見当たりません。
なのに妹のエレーナだけは、ナターシャの決めポーズを茶化していたり。(このシーンは秀逸!)
妹からもらったジャケットを大切に着ていたり。(妹への愛を感じる)

姉妹の小気味良い掛け合いをもっと、ずっと観ていたくなります。

④ポケットだらけのジャケット
劇中でエレーナが、着ているポケットがたくさんついたジャケットは、
ドレイコフの洗脳が解けた彼女が、初めて自分で選んで購入しました。

ポケットだらけのジャケット=自由(自分で決めること)の象徴

「自分で決めて、自らの意志で行動する」ことは、レッドルームから逃れ、アベンジャーズの一員になったナターシャが獲得した権利であり、
洗脳が解けたエレーナたちウィドウが、体現していくものでもあります。
ポケットだらけのジャケットは、奪われた人生を取り戻す第一歩なのです。

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最後に映画の感想について。

2008年にスタートした、マーベルシリーズ。
わたしが映画館で観始めたのはごく最近、
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」からです。

マーベルにハマって、新作が出るのを指折り数えて、(大袈裟ですが)人生の楽しみが増えたなぁって思っています。

わたしは、「ブラック・ウィドウ」の大きなテーマは、“家族の絆”だと考えます。
ナターシャにとって、家族とも呼べる存在だったアベンジャーズ。
その繋がりが揺らいだとき、偶然か必然か、
幼少期生活を共にしていた偽りの家族と再会します。

ナターシャは、「ブラック・ウィドウ」後の物語となる「アベンジャーズ/エンドゲーム」で、残念ながら命を落としてしまいます。
わたしたちは、彼女の運命を知りながら「ブラック・ウィドウ」を観ることになります。

天涯孤独だと思っていたナターシャが、サノスとの苦しい戦いに挑む前、
自分に関わる2つの擬似家族と向き合い、
家族のような関係性を築いていたと知り、
また少しでも温かい思い出があったことがわかり、
ほんとうに良かったなぁ。と思わずにはいられませんでした。
(まさに、ブラック・ウィドウの追悼の映画だと思います)

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最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。よければ、またお待ちしています。