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何でもない日が記念日になる①馴れ初めと「付き合い始めた日」

BUMP OF CHICKENの「とっておきの唄」が好きだ。数か月前にアサインした結婚式で流れていて、こんな曲もあったなと思い出し、改めて聴いてみると歌詞がすっと心に染み込んだ。


「何でもない日も記念日にしよう」

(全歌詞と引用元は最下部に掲載)


ずっと書こう書こうと思っていたけれど、なかなか筆が進まず(笑)やっぱりまずは彼との馴れ初めと、付き合った時のことを。

私と彼氏さんは中学校が同じだった。中学2年生の後期、学活、委員会決め。その頃からアニメが大好きで、声優になりたいという動機で放送委員会を選んだ。クラスから1人しかならない、活動は毎週の決まった曜日だけ。自分の好きな音楽を全校中に流せるし、楽しそうだと思った。でもまさかそこで今の彼氏さんに出会うことになるとは、その時は思わなかった。

11月のある日の昼、自分の放送当番を終えた私は放送室の鍵を返し、職員室に入ろうとしていた。職員室の向かい側には給食室があり、各クラスの給食当番が列をなして鍋や皿を返しに来ているのを横目に見ていた。そこでふと同じ放送委員の彼に目が留まった。

―――――――それはたぶん、「一目惚れ」だった。

それまでも委員会の会議では見かけていたはずなのに。もしかしたら、まともに正面から見たことがなかったのかもしれない。名前も薄っすらとしか覚えていなくて、近くにいた友達に「あの人って○○君だっけ?」と聞いたのを覚えている。

実は当時、小6の頃から2年間熱烈に想っていた人がいた。けれど、彼に対する感情が一度胸の奥底から湧き上がったら止められなかった。

もっと知りたい。もっと近づきたい。

1週間も経たないうちに「気になる」から、明らかな「好き」に変化した。

そこからは止まらなかった。いつも恋愛相談に乗ってくれていた親友が彼と同じ小学校ということもあり、卒アルを見せてもらったり、小学生の時の彼の様子を聞いたりした。彼に「委員会全員に配ってるから」と嘘をつき、プロフィール帳を書いてもらった。当時アメブロが流行っていて、彼もやっているということだけ耳に挟んだので、毎日のように検索をかけて探した。(結局見つからなくて友達に聞いた笑)

しかし彼のアメブロから知りたくなかった事実が見つかる。

彼には、別に好きな子がいたのだ。

その子は私も話したことのある子だったが、私が適うような子ではないので絶望した。

そこから私のハイエナ本性が牙を剥き、ある意味暴走していた(笑) 冬休みに入る前日の放課後、彼がその子に告白するという情報を入手した。しかし、その子はそこまで彼に気がないことを知っていたので、振られた直後を狙って私が彼に告白しようと思った。それまで私と彼は2,3回くらいしか話したことがなく、接点は委員会くらいしかなかった。友達になれたとしても失うものが怖くて余計告白しにくくなるし、まずは自分の存在と想いを知ってもらえれば十分だったのだ。

文字通りの「当たって砕けろ」だった。

例の親友が持っていた小学校の時の連絡網から彼の家の電話番号を入手し、家にいるだろう晩御飯の時間帯に電話をかけて告白した。(今思えばとんだ迷惑行為笑)

「――――――同じ放送委員会の奥です。実はあなたのことが好きで。あなたに好きな子がいるのも知ってるのですが、もしよかったら付き合ってくれませんか...?」

案の定その場では答えがもらえず、後日直接会って断られてしまった。でも私の目標は達成できたのだ。

「じゃあお友達になってもらえませんか?私もアメブロ始めたから、フォローし合いませんか?」

そこからメアドも交換した。お互い新たな友達ができた非日常感もあり、ほぼ毎日のように連絡を取り合った。校内で直接話すというリスクも避けられ、容易に遊びの約束もできた。他の友達も誘って勉強会したり、カラオケに行ったりもした。

それから私たちは3年生になった。残念ながらラストイヤーで彼とは同じクラスになれなかった。しかし彼の好きな子と同じクラスになれた。これはチャンスだった。もともとその子とはもっと仲良くなりたかったこともあり、一気に距離を詰めた。そして彼の恋愛を応援する名目で、彼とその子と他の友達にも声をかけて遊ぶ日を設けた。今思うとこの行動力とメンタルはすごいと思う笑

当時の作戦はこうだった。彼にその子を近づけてみたら、案外思ってた子じゃなかったと諦めてくれるかもしれない。もし逆にもっと好きになって、付き合うことになっても、別れてくれるのを待てばいい。とにかく応援することで私の株は上がるし、一番近くで恋愛事情が伺える。なにより彼と話す機会が増える。美味しいポジションを手に入れた。

彼の恋愛をサポートし始めて、約半年が経った。

中3の9月中旬。急に彼から電話がかかってきた。例の子のことが好きじゃなくなった、という内容だった。通常ならここで「チャンスが来た」と思うはずだが、私の心も疲弊しかけていた。それに高校受験も控えているから、「恋愛休戦宣言」を私にしたのだと思い、それからは諦め半分だった。

10月の中旬。中学の近くで開催されていたお祭りに友達数人と来ているときだった。歩き疲れて、みんなで地べたに座り、各々携帯をいじって駄弁っているときだった。

「明日暇?遊ばない?」と彼からメールが来た。それまで私から遊びに誘うことはあったが、彼から誘われたことはなかったため、驚いた。行先は話し合った結果、動物園になった。いかにも中学生らしいチョイスだが、同級生に絶対会わずに済む場所なので好条件だった。

正直動物はどうでもよくて、丸1日彼を独り占めできる優越感に浸っていた。もっと一緒にいたいのに、お別れの時間は残酷にも近づいてくる。

別れ際「じゃあね」と言いかけた時だった。

彼からの告白。

耳を疑った。あり得ないと思っていた。1年間望んでいたその日がそんなにあっさり来ると思わなかった。

後日談なのだけれど、好きだった子には結局告白し損ねていたらしい。だから私への告白が初めての告白だったらしい。今でも、あの時勇気を出して告白してくれた彼に感謝しかない。

お互いに告白しあったからこそある、今の関係。

あの時の自分たちの勇気を無駄にしないためにも、これからも大事にしていきたい。簡単に別れてしまったら、過去の自分たちに失礼だとすら思う。

7年半以上経った今でも毎月、毎年記念日をお祝いする。

あの日のあの気持ちを忘れないために。


―――――――――――――――――――10月13日は、付き合った記念日。


ゆっくりでいいから君が本当に笑って泣けるような2人になろう     ちょっとずつアルバムを重くしよう 何でもない日も記念日にしよう
どんなにめくっても終わりがないかわりに続きがある2人のアルバム
まほうのアルバム                          これからどこに行こうか僕ら 静かな場所ににぎやかな場所
どこでもいいんだよね それぞれの場所に
君らしいキミがいれば そこはまさに
地図にもない場所で手をつないで
インスタントのカメラももって
僕は花をつんで「きみに似合う花なんだろうか」なんて本気で首かしげたりして                                単純な僕の単純な唄 大事な人の為だけの唄
よくあるLOVE SONGでも2人の前だけでトクベツであればいい
よくある唄でいい                            誰でも見かけホド強くないし自分で思うよりも泣き虫だから
「一人で大丈夫」なんて絶対言わせない 嫌がったってムリヤリ連れていくよ地図にもない場所へ手をつないで 君の大切な犬もつれて
時々口ずさむその唄少し覚えたからちょっとでも一緒に唄わせて
OH YEAR!                              小鳥が夜明けを唄であいず とっておきの声でリズムとって
何でもない日にも小さなドラマがあるって気付いたんだ
単純な僕の単純な唄 ナミダを止める為にある唄
不安のつのる夜は思い出して欲しい
この日を僕は確かめ生きる この日に君を見つけて生きる
この何でもない日が記念日になる
だからどんなに大きな地図にもない場所へ
手をつないで魔法のアルバムに続きを                 不安のつのるヨルは忘れないで 君のタメのウタがあるコト
地図にもない場所へ 手をつないでテヲツナイデ
ゆっくりでいいから 君が本当に笑って泣けるような
地図にもない場所へ (手をつないで)

引用:https://j-lyric.net/artist/a000673/l0025f8.html

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