何でもない日が記念日になる③「ペアリング交換記念日」
大学に入り服装が自由になったためペアリングなるものを2人で買った。私はピンクゴールド、彼氏さんはブラックシルバー。一部がねじれているようなデザインになっていて、2つのリングを合わせるとハートができる。石が取れたら悲しくなるという理由で、あえて石なしのシンプルなものを選んだ。
日差しが強く、暖かい陽気の5月のある日。
スタバの新作を片手に鴨川で散歩し、座った場所で指輪を交換した。
周りにも同じようなカップルがたくさんいたが、私たちは2人だけの誓いの儀式をした。
彼が指輪の入った箱を開け、私の薬指に指輪をそっとはめる。
次に私が彼の手を取り、彼の薬指にそっと私のより一回り大きい指輪をはめる。
2人で見つめ合い、照れくさく微笑んだ後、「愛してるよ」と交わし、指輪をはめた薬指の写真とツーショット写真を撮る。
私はすぐに右手に入らなくなって以降左手の薬指にはめている。小さい頃から「薬指には結婚指輪をはめちゃだめだよ」って教えられてきたけど、婚約約を果たした相手とお揃いなら左手の薬指にはめちゃえ、って思った。
「結婚してるの?」って聞かれるのも慣れた。
私がいいと思えばいいのだ。他の人はこの指輪の価値も意味も知らない。
でもこれを読んでくれた方には、私と彼氏さんのペアリングの思い出が伝わっていたらと思います。
―――――――――――――――――4月30日は、ペアリング交換記念日。
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