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台湾ドラマ「時をかける愛」|感想①

想見你

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猛烈にハマった台湾ドラマです。

台湾ドラマには馴染みがなく、最初は言語の響きや演出などに多少なりとも違和感がありました。でもそれはすぐに消え、どんどん世界観にのめり込んでいきました。

見たのは少し前なのですが、本当に感動してしまい、絶対に感想書かなきゃなと思っていたんです。
なんとNetflixで今年の夏頃に韓国リメイク版が出るそうなので、ある意味良いタイミングでした。

リメイク版の前にオリジナルを見ておこう、あるいは見る価値があるのか知りたい、という方も多いかもしれません。
私はリメイクされることを知らずに見たのですが、結果的にオリジナルを先に見ておいて良かった!と思いました。
韓国ドラマと比べると、技術面・演出面の総合力(例えば映像処理やカメラワークなど)は劣ってしまうのかもしれませんが、それでも工夫の凝らされたキラリと光る演出がありましたし、外ロケ(台湾ドラマはセットが少なく外ロケが多いそうです)ならではの太陽光の自然な美しさや開放感が素敵で、素晴らしかったです。
また、カネと権力にモノを言わせる人物だとか、モンスターペアレントだとか、社会構造の闇などのドロドロしたものは一切出てきません。このドラマは、いい意味で隣にいそうな、穏やかであたたかい市井(しせい)の人々の話です。素朴なキャラクター造形、大袈裟すぎないエピソード展開が、個人的に好みでした。いつも以上に感情移入できた気がします。

ちなみにこのドラマは、ネタバレは踏まずにまっさらな気持ちで見るのがおすすめです!
アマプラの全26話(1話40分程)のうち1〜3話は全体像が掴めずにネタバレを見たくなるかもしれませんが、5話から話が前に進みだしますので安心してください!(ちなみに私は3話から心を掴まれました。)

ということで、このnote記事はネタバレなしで書きました。話がどんな方向に向かうかなど、雰囲気に関してはふんわり言及してますが、決定的なことは明かしてません。
見るかどうかの参考にしていただければ嬉しいです。


ざっくりあらすじ

時は2019年。飛行機事故で恋人を亡くし、悲しみを乗り越えられずにいるヒロイン雨萱(ユーシュエン)。ある日謎のカセットテープが届き、雨萱(ユーシュエン)はそれを聴きながら眠りに落ちる。目を覚ますとそこは1998年の世界。そして目の前にはなぜか亡くなったはずの恋人、詮勝(チュエンション)にそっくりの人がいて......
というお話。

ヒロインはタイムスリップした先の1998年の世界で事件に巻き込まれ、過去と現在を行き来しながら、恋人にそっくりな彼は誰なのか?なぜ過去に来てしまったのか?事件の真相は何なのか?など、数々の謎を解き明かしていくのです。

前半は高校生のノスタルジックな青春物語、中盤で大学生の恋愛を描きつつサスペンスへの布石があり、終盤はサスペンスというように話が展開していきます。

ドラマのジャンルはというと、ファンタジー(タイムスリップ)とサスペンスが絡み合うラブストーリーといったところでしょうか。
途中、サスペンスがだいぶ怖くてラブストーリーだったことを忘れそうになりましたが、本質はやはりラブストーリーにあったと思います。


ネタバレなし感想

どう表現すべきなのか難しいですが、、
なんだか、あらゆる感情を呼び起こされるというか......琴線にそっと、ぐっと、たまにぐさっと触れてくるドラマでした。

先ほど、このドラマの本質はラブストーリーだと書きましたが、その理由は、"大切な人を想う気持ち"がドラマの根底にずっと流れていると思ったからです。
それは恋人に限らず、友人、家族、片思いの相手などに向けての気持ちです。
登場人物それぞれが、もう会えない恋人、いつも隣にいてくれた友人、ちょっと憎たらしいけど絆は消えない家族、近くて遠い片思いの人を心から想い、もがいていました。

そんな大切な人の幸せを願うあたたかくて不器用で切実な愛が、たくさんの色や形になってあらわれてくるので、誰かしらには共感できてジーンときてしまうと思います。

また、このドラマはサスペンス要素もかなり強いです。
前半はなぜ?どうして?という謎がふくらみ、後半で真実が明らかになるにつれて本格的に怖くなってきます。
ヒロインは、亡くなった恋人や1998年の世界で出会った大切な人たちのために事件に立ち向かいます。その痛切な気持ちが泣ける。
そして終盤にはどん底に突き落とされるようなまさかの展開が。。
見ていて、これどうやって収拾つけるんだ......?と心配になりました。笑

ですが!このドラマ、そこからがすごかった。え?ってなってる間に、悔しいくらいに美しく伏線を回収し、行き場のない哀しみはありながらも未来への明るい予感を抱かせ、完結しました。この脚本を書いた方のセンスに脱帽です。

注意
ちなみになのですが、アマプラでは、ドラマの最終話の最後に+αのエピソードがついています。
台湾で最終話放送前にネット上に最終話が流出してしまう事件があったため、製作陣の計らいで後日撮影されたものだそうです。
が、これ、ドラマ本編の余韻に浸るのが好きな人は見ない方がいいと思います!そういう人は、撮影ビハインド写真の紹介が終わったら即停止してください......(もちろん気にしない人は見てくださいね)
個人的には、ドラマ本編は想像の余地を残した美しいエンディングで締め括られ、それでひとつの作品として完成していたので、追加映像は蛇足だったと思います。私はうっかり見て白けてしまったので、そこだけは注意が必要かなと思います。


最後に

台湾ドラマはなかなかニッチかもしれませんが、韓国ドラマへのリメイクが決まっていることもありますし、内容の面白さは折り紙つきの作品です。
等身大であたたかな愛にあふれたキャラクターたちが魅力的で、青春が眩しくてキュンとし、切ない恋に涙し、彼らと一緒に事件の謎を追っていくドキドキ感も楽しめます。巧みすぎて唸るしかない脚本を存分に堪能できます。

とてもおすすめなので、ぜひ見てみてください!

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