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母と思い出

「地震で大変な中すやすや眠ってたんだから」

わたしが覚えている中で最も古い母との会話はこれです。

いっつも少し頬を膨らませて、それから少しはにかんで言うのでした。

1994年10月、北海道東の沖合でたいそう大きな地震がありました。

いまでこそ、2011年の東日本大震災で記憶が薄れていますが、実家にいる間は、いつも母が語って聞かせてくれたのでよく覚えています。

しかし、東京で暮らすようになってから、わたしに思い出話を聞かせてくれる人もいなくなってしまいました。

徐々に危機意識は薄れ、平穏な日常を信じて疑わない様になっていました。

そんな中、この2020年の4,5月は非常に地震が多く感じられ、よく肝を冷やしていました。

実際は、ステイホームで家の椅子に腰掛けていたためか、地震を感じ易くなっていただけのようです笑

ただ、首都直下型地震が懸念されているなか、不穏な報道もあるようで、

5月20日、YAHOOニュースによると、24時間で計6回の地震が頻発したそうです。

1923年関東大震災の後から取っているデータベースにもそのような群発地震の発生は記録がなく、観測史上初めてだといいます。

専門家も更に大きな地震の誘発と、それに伴う津波に警鐘を鳴らしています。

自分も今住んでる家がどうなるか、気になって大家さんに聞いてみたら、

「すぐにあの坂の上に行きなさいね」(僕:やっぱり家財は諦めろってか)

と、現実的なアドバイスを頂きました笑

東京の不動産で財を成す大家さんは、大地震発生の危険性を考慮しているそうで、

「わたしは保険に入ってるから」

と豪語されていました。

でもどうやら、不動産投資の保険には注意が必要なようで、

1.火災保険に入ったが地震保険をつけていない場合

「地震が原因で発生した火災による損害や、地震による延焼・拡大した部分の損害については、火災保険では補償対象外となる」

という規約があるらしいのです。単純につけ忘れたらホラーですよね…

2.全損から一部損まで4つの基準に分かれている

損失の度合いによっては一部損にも当たらず、全く保証がない場合も。

40cmの浸水では一部損にもならないとか…

わたしがすやすや眠っていたときに大人はこんなことに頭を悩ませていたのかと思うと、

ちょっと申し訳なく感じますね…笑

母もきっと不安だったろうに、優しさですべてを包み込んでくれた。

あれくらいの皮肉の一つ言いたくなる気持ちもわかります笑

話を聞いて以来、

「子供をすやすや眠らせてあげられる親になる。」

が、人生の目標の一つです。

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