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【積読消化】まとめて三冊紹介・感想編。

前回の記事から5ヶ月近く経過しておりました。この時期までほとんど読んでませんでした。積読消化、永遠に終わらない気がしてきた。戻ってこい、半年前の断捨離欲。


というわけで、1冊目から紹介します。成冨ミヲリさん著『絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法』。

まだTwitterをやってた頃に、他の人のツイートで知って購入した記憶だけはあります。5年くらい積んでました……。
「トレーニング本を読んで真似すればいい」「まずはデッサンからやれ」など、ネットには多種多様な絵のアドバイスがあります。逆に言えば、今の自分が求めているアドバイスを自力で集める必要があるし、本当に伸ばしたい能力を伸ばせる練習法であるかどうかを精査する必要があります。上手い人はいつの間にか上手くなっていたり元から立体的に描けるので、なかなか”どう上手くなったのか”については語られにくい。根性論や非言語的な技能習得がはびこる世界で、”どうしたら、どういう能力が伸びるのか?””今の自分に必要な要素は何か?”を言語化したものが本作です。

最初に著者の美大受験や初仕事での失敗談などを交えつつ、<絵が上手いとは何か?>という疑問を細分化して分析しています。技術的に上手い絵(写実的な物など)もあれば、より正確に描かれた形の上手い絵もある。ふと、学生時代の担任の先生が、「絵はヘタだけど、宇宙戦艦ヤマトの絵だけはどの角度からでも描ける」と言って、黒板にいろんな角度から見たヤマトの絵を描いたことを思い出しました。絵の技術はないけれど、精細に形を認識して記憶している。だからできたことなんだと思います。つまり、絵の技術があっても形を知っていないと描けないし、これらは日々学ばないと覚えられません。また、遠近や立体という感覚が分からないなら、それを習得する必要もあります。
続いて、絵を描くことをいろんな要素に分類し、その人に合った練習法を紹介しています。アイデアを伝える上で形だけでも伝わればいいのなら、日ごろからメモ書き程度のクロッキーをすればいい。3DCGを作るなら、立体把握のためにデッサンや立体彫塑をする。オリジナルなキャラや背景が描けるようになりたいなら、図鑑や資料集などを集めてスケッチしてみる。普段から気になったイラストなどを集めてみる……。どの要素も何かにつながるため、非常にいろんな練習や学びを並行してやらないといけない。しかし、上達していく過程に喜びや楽しさが見いだされれば、もっとうまくなっていく、とのこと。

「嫉妬と誤解が渦巻く世界」、というのが読了後の感想でした。著者も含め、美術や創作に携わると、どうしても”才能”や”センス”という壁が立ちはだかる。「あの人は元から上手い」「自分にはセンスがない」という誤解や嫉妬。この辺は避けては通れないものなのだと思います。
しかし、だからこそ著者の”個性”についての言葉が染みるのです。

「自分のセンスは信じて育てるしかありません……(中略)もっと自分のことを信じてあげてください」(p121)

これは趣味であれプロであれ、創作を志す人全てに届けばいいなぁ、と思いました。確かに天才はいる。でも、その人にはなれません。どうやっても、自分は自分のままです。逆に言えば、自分のセンスを、他の誰かに「すごい」と思わせるくらい伸ばすことはできるはず。技術なら学べばいいし、アイデアならばいつかは湧いてくるかもしれない。他人を見ることも大切ですが、自分に向き合うことも忘れないようにしたいものですね。


2冊目は池谷裕二さん著『回転させるだけで脳が覚醒するドリル』。

2019年にも『メンタルローテーション ”回転脳”をつくる』という本が出ましたが、より様々な問題を載せてパワーアップしました。小学生の頃から図形が苦手過ぎるので、四苦八苦しました。相変わらず問題を解くと、脳がムズムズします。
”おわりに”に、著者が尊敬する女性の知人が、賢い人の見分け方について「頭の良い人は地図をいちいち回転させませんよね」と語ったエピソードが書かれているのですが。おかしいな。そんなに回転させなくても分かる方だけど、賢くないぞ?
前作には描かれなかった、メンタルローテーションを日常生活で鍛えるアドバイスも収録。”左右逆の鏡文字を書いてみる”、”スマホの自撮りモードで髪型をセットしてみる”など、まねできそうなものが紹介されています。この記事を書くために本棚から引っ張り出して何問か解きましたが、すでにやってる問題なのに間違えました。鍛えたほうがいいのかもしれません。
メンタルローテーション(心的回転)は、様々な能力に関わりがあります。論理力や発想力のみならず、果ては人間関係などにも影響します。”相手の立場になって考えてみる”ことそのものが、心的回転ですからね。気になった方はぜひチャレンジを。


3冊目。たつき諒さん著。『私が見た未来 完全版』

この『完全版』が出る前の『私が見た未来』を、テレビで知ったのが8月ごろ。そして、この作品が出たことを知ったのが、いつも見ている都市ボーイズチャンネルの動画でした。

こちらのレビューもかなり分かりやすいので、ぜひ。あとチャンネル登録も(ダイマ)。

1999年版の『私が見た未来』の表紙に書かれた「大災害は2011年3月」という言葉が注目され、そこから話題になりました。今年『完全版』として発売するまで、たつき諒さんの偽物騒動があったり、YouTuberの間でいろんな考察がなされたりと、”予言本”として人気を博した作品です。この『完全版』では、表紙の書き下ろしや、普段つけている夢日記を掲載したり、話題になった大災害の予言についても解説しています。

予言そのものについては、読了後の今も半信半疑です。どちらかと言えば、「ここまで予知夢を見るのは、たつき諒さんがすごいのか?実は自分のような人間でも見ているのでは?」という疑問が、購入のきっかけでした。読んで思ったのは……うん。無理むり。ここまで予知夢見た人と自分じゃあ比べものにならない。
・15年前にQUEENのボーカル、フレディ・マーキュリーが死去するニュースを夢で見ていた。
・叔父が亡くなる夢を1年前に見ていた。しかも同じ月日。
・ずっと同じ夢を見ていて、それが殺人事件の被害者の遺体が見つかった所だった。

他にも当たった予知夢のことや、インドで不思議な経験をしたことなどが漫画として描かれており、とんでもなく鋭い直感力と霊的な体験をお持ちの人でした。自分のような凡人とは違いましたね……。もしかしたら見ているのかもしれないけど、覚えてないしこんなすごい経験をしたことないし。

本作では、漫画で描かれている「街を襲う大津波」が、実はあの東日本大震災のものではなく、2025年7月に起こるであろう”大災難”なのではないかと記されています。とてつもない大津波が起こり、太平洋周辺の国を襲っていく……とのこと。
先述したように、自分は予言には半信半疑のままです。ただ、このコロナ禍だって、2019年頃の自分に言えば「何言うてんねん」と返すでしょう。感染症の流行は、これまでも他国でありました。しかし、日本は幸運にも難を逃れていました。本来ならSF小説や創作で描かれるような出来事を、われわれはこの1年半以上、ずっと経験してきたのです。ならば、何が起こっても不思議じゃない。より酷い未来が来たとしても、あり得ない話ではないと思うんですよ。
しかし、怖いことばかりでもなく。2025年7月の”大災難”を超えると、明るい未来が見えた、とも書かれているのです。何がどうなってもおかしくない世を生きている。そして、よりひどくなることもあり得る。でも、希望を持ってしがみつきたい。良いことないまま死ねない。そう思うようになりました。今やってる筋トレだって、どう活きるかは分かりません。何なら自己満足で終わるかもしれない。でも、こういう備えが、暗い世の中を生き抜く上で役に立つと信じて、続けてまいりたいと思います。
本作では、作者の短編ホラー漫画も収録。王道かつ読みやすいホラー漫画でした。予言も含めて、気になった方はぜひ。

ちなみに、本作でホロスコープという占いを知り、試しにネットでやってみました。自分は太陽と冥王星が120度の関係らしく、ある記事では「人生の大転換を何度か迎える宿命にある」とのこと。ホンマかいな。


ここまでお読みいただきありがとうございました。前回の記事でも書いた7年もの間積んでる本は、現在も読めてません(オイ)。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……。

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