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AV新法について 現役AV女優が思うこと 救済法は誰の味方?

一番最近考えていた内容から書いていこうと思って、第一弾はAV出演被害防止・救済法案いわゆる[AV新法について]です。
以下[新法]と書きます。

はじめに、新法とはなんなのか軽く説明します。AVヘビーユーザーの方でも知らない方のほうが多いと思うので。
特に面白くないので,大体わかる方は飛ばして大丈夫です。
ユーザーの方にはほぼ影響は無いものなので、安心してくださいね。


AV新法とは、本人の意図に反してAV作品に出演せざるを得なくなった人たちを救済することを目的に作られた新しい法律です。
女優や出演者にダイレクトに影響があるものとしては3つくらいかなと‥
 ⚪︎ 今までは撮影当日でも良しとされていた契約書の締結が1ヶ月前厳守になった
  →面接撮影以外に書面記入の時間をつくる必要があり手間が増えます。また、当日に演者が急病などで撮影できなくなった場合に代役を立てる、という事ができなくなっています。(以前は差し替えと言ってよくあることでした)
  ⚪︎ 撮影後4ヶ月間は作品の販売及びPRができない
     →契約から1ヶ月、撮影から4ヶ月、計5ヶ月の間作品を世に出せません。その間制作サイドの売上も無く、当然女優もお給料を貰えません。
  ⚪︎ 撮影後に出演者の誰かが販売の中止を希望した場合、該当作品の販売停止
     →制作側に信頼されている女優さん以外はオファーを貰いにくくなるので,新人さんや今現在伸びてきている女優さんが撮影を受けにくくなります。エキストラの方が販売停止希望を出した話をチラッと聞きましたが、あれはどうなったのか…

以上が私が知る新法の内容です。一部ちゃんと調べました。えらい。
新法の話を聞いて最初に思ったのは,主語大きくいきますけども、男性が求める女性像とは斯くも淑やかなものなのか。
ということ。

AVを見た事がない人の方が少ないと思うんですけど、AV見てる時も、好きな子と一緒にいる時も、女性を性的に魅力のある対象として見ますよね?
もちろん女性から男性を見ても、性的魅力を感じることは往々にしてあります。
ですが、世の中に性犯罪がなくならない現状を鑑みると、男性が女性に性的魅力を感じる事の方が多いのでは無いか?と思います。
なのでここで考える理想の女性像とは、性的魅力に溢れていること、だと思うのです。
一転今の新法は、男性が大切な人に対して抱く理想である、淑やかに恥じらいを忘れずに。という部分なのかなと。
女性が進んで性的に消費されたい訳が無い、大半が騙されているに違いない!と思いたいのかなと。
性的魅力か淑やかさか、どちらかと言われると選べないけど、どっちも持っていて欲しいというのは当たり前だと思いますし、大切な人にAVなんてやって欲しくない、とは私でも思います。
でもこれらに法律という縛りをかけてしまうと、女性は淑やかであるべきだ!それを手助けしている!救っているだろう!という驕りの様なものを感じてしまうのです。
もちろんそういう男女とかの話だけではないところで、AV業界がある事のデメリット等あるんだろうな、とは思いますけどね。

現状、仕事が少なくなって困っている女優さんの声はたくさん聞きますが、出ようと思ったけど新法のおかげで助かった!というような声はあまり聞きません。
声の大きさもあると思いますが…。
元々撮影当日には契約書を音読するなど、女優からしたら充分すぎるくらいクリーンな業界だったと思います。
現場の声を聞いていただいて、その上で、判断が上手くできなかった女性だけを救って貰えるような法律ができればとても素敵ですね。

女性が自ら進んで性的に消費されることに対して,普通に考えれば社会的には嫌悪する人が多いけど,私たちは,私はその普通になれず,社会の歯車になれず苦しんでいました。
AV業界に入って救ってもらった気がしました。だから,救われる人もたくさんいるコンテンツでもあるってことを知っています。
AVを見てひとりでするときは是非,AVに救われている人間のひとりになってみてください。

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