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【創作大賞2024読書感想】うやまわんわん〜犬将軍を崇める一族〜 


漠然と読書するのと、作品を書くモードで読書するのでは全然違うな。
そんなことを感じた創作大賞。

ご縁があって拝読した作品の、読書メモをシェアします。
(あくまで個人的な感想です)


うやまわんわん〜犬将軍を崇める一族〜 /箱男 https://note.com/inukoubou58


今回は、箱男さんの『うやまわんわん〜犬将軍を崇める一族〜』です。


(作品のポイント)

・セリフだけで誰がしゃべっているのかわかるくらい、登場人物のキャラがはっきりしている
 →ちょっとした動作の描写も、その人物の心情や性格がしっかり投影されている

・文章自体が読みやすいので、犬守家の異様な世界に入りやすかった
 →というか、ぐいぐい物語の世界に引き込まれた

・物語の最後に主人公の成長が見られる
 →いじめのシーンや学校でのシーンは生々しくて、読んでいて胸が痛くなるくらい
 →成長した主人公が最後に1人で直接対決の末、乗り越えられてスカッとした

・異様かつドロドロした犬守家の日々の先に、希望の光が差し込むとは!
 →読み始めた当初は、どういう結末が待っているのか想像がつかなかった
 →主人公たちの未来(=新たな物語)を追いかけたい気持ちになった



(個人的感想)

 とにかく、巧い。物語の中に無駄が一切無い。
 執筆中は自分の作品に影響が出ないように、読む作品を抑えているけれど、「とにかく続きが気になる」という理由で、マイルールを撤回するほど。
 「他のクリエイターさんの作品も積極的に読んでみよう」という気持ちになった、きっかけの1つになった作品です。

 正直なことを言うと。犬守家の特殊な重い感じが妙に実家の雰囲気に似ていて、自分と似たような立場にある狛音ちゃんが『第六章 犬公方の呪い(その2) 2』で主人公・暢くんに犬守家に対する思いを吐露するセリフは、「私小説で言おうと思っていたのに、先に言われちゃった」と、思いました。
 犬守家の方が圧倒的に規模が大きくて重量級だし、狛音ちゃんの背負っているものの方がはるかに大きい。というわけで暢くん、引き続きサポート頼んだよ。(と、勝手に言ってみる)

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