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港区病院勤務から、ド田舎農家になったワケ

どうも、あいけーです。
今回の記事は、私がなぜ農家になったのか。を綴りたいと思います。

普段は農家として自営業しつつ、管理栄養士の免許を駆使しながら栄養情報の発信とネイチャーフォトグラファーとして生活しています。


私は、都内病院に管理栄養士として2.5年勤務していました。
高齢者施設(介護老人保健施設)でも、1年半働き経験を積んできました。

そんな私が、なぜ農家になったのか。
なぜ、給料の安定している病院勤務から、不安定な自営業を選んだのか。


気づき

病院ではその患者さんにあった食事を提供します。その病気や、その人の食べられないもの(アレルギーや薬の関係上のもの)を除いた食事。

これが俗にいう食事箋というやつです。

その人、その病気、その食事量、全て管理された食事がその人のために特別に作られる献立です。

その献立を立てて、調理師と調理し、患者さんの元へ運ぶ。
そうして食べてもらい、体調を整えてもらって退院してもらう。

これが理想的なルートです。
もちろん管理栄養士の食事や献立”だけではなく”、医師や看護師、PTやST、OTなどさまざまな医療従事者が関わってやっと、退院できます。

病院や高齢者施設の食事は美味しくないとよく言われます。
それは、病院で働く前から巷ではよく言われており、それでもまだマシになった方だ。ということもよく耳にしてきました。

退院してもらうためには、病院食を食べてもらわないと検査値の改善や体調が整うワケがありません。。。

そのために、病院内厨房ではさまざまな調理工夫を施してあります。
例えば、献立に鶏肉のグリルがあったとしましょう。
そのグリルは、コンベクションオーブンで焼き上げることが多いのですが、【水分量】【焼き時間】【温度】【風量】などを細かく設定して、その鶏肉にしっかり火を通して、尚且つ柔らかく仕上げるために工夫をしています。

K(カリウム)制限の患者などは、生野菜などは基本的にはNGの為
沸騰した熱湯に野菜を入れ茹でこぼしてから提供などをしています。

もちろん茹でこぼすことで食感は柔らかくなりすぎることもあるので、
患者さん自身柔らかすぎるのは食べなかったりなどもあります。



ある時、見てしまったんです。


食事後の病棟を回っていると、
一口も食べられていない食事が丸々トレーに残っているものを。


あれ?
そっか。調子が悪くて食べられないってこともあるもんね。。


と、そう思っていましたが。
患者さんのテーブルにはお菓子の残骸がありました


その時に気づいたんです。


あ、違う。
どんなに美味しいものを提供しても、
食べるっていう行為を決めるのは患者さん自身で、医師や看護師、
管理栄養士などが、どんなことを言っても、どんなことを説得させても
食べるのは患者さん本人であるんだ。

いや、わかってます。
本質的なことであることなんです。また、それは前々から分かってはいたんですが、再確認というか、なんというか実態を目の当たりにした感じがしました。


次に考えたのが、
ではどうしたら食べてもらえるんだろう?

いや、違う。なんで食べたくないのだろう?と考え始めました。


人は、何か強要されるとそれに抗いたくなります。
分かりやすい例が、宿題をやりなさい。と母親に言われた時でしょう。
やろうと思ったのに。。。と感じて、やる気が喪失する。
一度は経験したことのある"それ"です。

これって、まさに病院食を食べることなのか。と感じました。

病気を良くしたいんでしょう?では、この食事をした後に、この薬を2錠づつ。そして3時間後には検査をしますからね。

と、病気になった患者さんは、何をするにも、させられていると感じてしまっているのかな。と、そこで考えが巡ったんです。


じゃあ、最初から管理をしてしまえば?

高齢社会により、入院患者のほとんどが高齢者の方々です。
言ってみたら、6.70歳の方が多く在院しています。

6.70年今までの生活をしていて、病院に入院して急に病院食を食べろだなんて、そりゃ無理な話です。

だって、今までの嗜好や生活があって、入院してその生活を崩されるなんて誰も思わないからなんです。

じゃあ、どうしたらいいのだろう。


好きなものを好きな時に食べて、健康でいたい。
そんな都合の良いことなんて・・・?


ああ、いや。
その食べたいもの、その好きなものが元々体に良いものならば?
と、考えついたんです。


そっか。病気なる前に、健康なものを食べてもらえれば。
健康なものを、素直に美味しいと思ってもらえるならば?と、、


私は運がいいです。
埼玉県の田舎に育ち、その生まれ育ったところは”農家”であるから。

健康に必要な野菜を育て、その野菜に囲まれて育ってきたのですから。

少しでも、少しでもいいから、病気になる前の人たちに美味しい野菜を食べてもらって、美味しいと感じてもらって、野菜を好きになってもらって、そして、健康へと。病気に負けない身体を。と、思ったんです。


病院管理栄養士から、専業農家へ。
そして、管理栄養士農家へと。

そう、思ったんです。

元々は、病院で元気に退院してもらうことが人助けと思っていました。
けれど、違うんです。

そもそも、病気になんて誰もなりたくないんです
病気にならずに健康に人は生きていきたいんです。

そのためには、美味しい健康なものを届けることで、
少しでも病気という歯車を遅らせることが、私が思う本当に意味での人助けなのかなって。

多くの考えが交錯して、港区病院勤務から、ド田舎農家に転身しました。


簡単じゃない

簡単じゃないんです。野菜を0からつくるのは、、、
とても時間がかかる仕事です。しかし、出荷して食べるまでは一瞬。

土作り、肥やし、植え付け、追肥、など野菜を作るまでに多くの過程を踏みます。

ただ、少しでも多くの人が野菜の本来の美味しさを実感してもらって、少しでも野菜に、健康に関心を持ってくれたら私は”管理栄養士”としても”農家”としても、とても嬉しいです。

野菜の出荷状況や、健康情報の発信、食べ方、レシピ、農業のノウハウなど、農業用インスタグラムで発信しています。

しかし、難しいんです。
簡単じゃないんです。みんながみんな、健康に関心があるわけではないし、どんなに言っても届かないんですよね。

けれど、簡単すぎるゲームは飽きてしまうことと同じように、私が始めたこのゲームは難易度★5の高難易度ゲーム。

病気にならないために、健康意識を高めるために、多くの人にそれを自分で気づいてもらえるような、間接的な健康の提案を野菜を通して伝えようとしています。

人はいつだって、自分で気づきがないと変わらないんです。
自分がそうだったように。

栄養情報発信、農業と栄養の組み合わせ、レシピの紹介、食べたいと思ってもらえるような野菜の写真、健康に関する意識の向上など。

これは自分にしかできないことだと思ってます。

難しくていいんです。簡単じゃないからこそ、面白いんです。


農家になったワケを、ざっと書いてみました。本気でやってます。
これが本当の意味での人助けになるって信じて。


以上です。真面目に書きすぎて堅苦しくなってしまいましたね、、、
最後まで読んでくださりありがとうございました!


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