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次の大きな技術、サービスはおもちゃのように見える

こんにちは
今回は2010年にクリスディクソン氏によって書かれた
The next big thing will start out looking like a toy(次の大きいものはおもちゃに見える)について翻訳しました。
この記事の内容は12年前に書かれた記事ですが2022年の現在のなお新しいテクノロジーや業界を見る一つの考え方としてシリコンバレーに定着しています。
では始めましょう。

インターネット経済について驚くべきことの一つは、現在のインターネット・トップ企業のリストが10年前のリストとどれほど違って見えるかということです。
かつてのトップ企業が自己満足に浸っていたわけではなく、そのほとんどが、追い落とされないように、狂ったように製品を買収し、作り上げたのである。
ユニークユーザー数を見た時に2000年のトップはAOLでした。そしてそれにmicrosoft、yahoo、Lycos 、Go Networkと続いていましたが2010年にはgoogleがトップとなりました。そしてLycos Go Networkは存在感をなくしebay、wikpedia、facebookがトップ10に入り大きく順位が変わりました。2022年ではgoogleは変わらないもののyoutube、instagram、twitter、zoom、netflixなどが入り、facebookは大きく順位を上げ世界のトップサービスは目まぐるしく変化しています。


大きな新しいものが既存企業のそばをすり抜けるのは、次の大きなものがいつも最初は "おもちゃ "として見下されているからです。 これは、クレイ・クリステンセンの「破壊的イノベーション理論の主要な洞察の1つでもあります。
この理論は、「技術は、ユーザーのニーズが高まるよりも速いスピードで改良される傾向がある」という洞察から始まっています。
そしてこのな洞察から、市場や製品が時間とともにどのように変化するかについて、あらゆる種類の興味深い結論が導き出されます。

破壊的な技術がおもちゃのように扱われるのは、発売当初はユーザーのニーズを「過小評価」しているからという理由が最も大きいです。
最初の電話は、1、2マイルしか声を伝えることができませんでした。
当時の大手通信会社ウエスタンユニオンは、主要顧客である企業や鉄道会社に役立つとは思えなかったため、この電話の買収を見送りました。
彼らが予想しなかったのは、電話技術とインフラが急速に改善されることでした
(技術の採用は、いわゆる補完的ネットワーク効果により、通常、非線形的に行われます)。

だからといって、おもちゃのように見える製品がすべて次の大物になるとは限りません。破壊的なおもちゃと、ただのおもちゃにとどまるおもちゃを区別するためには製品をプロセスとして見る必要があります。
もちろん、設計者が機能を追加すればするほど製品はよくなりますが、それは比較的弱い力で、それよりも、マイクロチップの低価格化、ユビキタス化、携帯端末のスマート化など、外部からの力の方がはるかに強力です。製品が破壊的であるためには、これらの変化に乗って効用曲線を上昇させるように設計される必要があります。

ソーシャル・ソフトウェアは、ユーザーの行動が最も強力な改善要因となる興味深い特殊なケースです。
ウィキペディアは文字通りプロセスであり、毎日スパマー、破壊者、変人などによって編集されているが、毎日善人によってより速い速度でより良くされている。もし2001年に戻ってウィキペディアを静的な製品として分析したら、それはとてもおもちゃのように見えたことでしょう。ウィキペディアがこれほど見事に機能するのは、ユーザーの編集の早さが時間とともに増えるような、微妙な設計上の特徴によるものです。
百科事典的な情報に対するユーザーのニーズは比較的安定しているので、ウィキペディアが着実に良くなっていけば、やがてユーザーのニーズを満たし、それを超えることが可能になります。

製品は破壊的でなくても価値がある。初日から使い勝手がよく、長期的に使い続けられる製品はたくさんある。これがクリステンセンの言う「サステイニング・テクノロジー」です。
新興企業が有用な持続的技術を構築すると、多くの場合、すぐに既存企業に買収されたり、コピーされたりする。タイミングと実行が正しければ、持続的技術に裏打ちされた大成功のビジネスを創造することができる。
しかし、持続的技術を持つスタートアップが、2020年のトップリストに載ることはまずないでしょう。それは破壊的な技術であり、人々がそれをおもちゃと見なすために、こっそり通過するものです。

いかがでしたでしょうか。今回は原文を歪ませないために私なりの解釈は控えて解説しました。 
この内容を理解する事で今トレンドであるNFTやDAOを含むweb3やmetaverseなどの技術や業界についての一つの考え方を持っていただけると幸いです。
これ以外にもシリコンバレー、テック業界についての記事を書いていきますのでこれからもよろしくお願いします。


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