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陽キャにはなれないと悟った日

昔からどちらかと言えば陰キャな私。
陽キャに憧れた時も正直あった。
ちょっと頑張ればそんな陽キャと呼ばれる人達に、私も混ざることが出来るかもと思っていた。

そう、あの日までは。

あの日とはズバリ、友人の結婚式の日。
二次会に参加した時のことである。

夫と共に結婚式に招待され喜んで出席した。
新郎新婦はどちらも素敵な人たちだ。

結婚式は素晴らしいものだった。
幸せのお裾分けをしてもらった気分。
帰り際に二次会に是非来て欲しい!お願い!
絶対来て!!と念を押された。
もしかしたら、まだコロナもあることだし出席者が少ないのかも。と思い夫と参加。
(当時はまだ5類になっていなかった)


二次会の場所は、新郎新婦の自宅。
何人が集まるのか、などの情報は一切なかったので、そこまで人はいないだろうと思っていたのだが甘かった。

まるで大学のサークルの様な二次会。
私たち夫婦以外、新郎新婦も含めみんな友達で
かなりアウェイな状況。
THE 身内の集まりだ。
皆早めに集まり食事もほぼ終わっていた。

しかも仲間内で結婚、交際しているのも多数。
完全に私たちは場違いだったのだ。
扉を開け入った瞬間の気まずさと、誰?という
雰囲気は一生忘れられない。
思い出すだけで胃が痛くなってくる。

だが、せっかく招待してくれたし、楽しまないと相手に失礼だと思い過ごした。
いい人たちだったけれど、やはり私たちだけ
どこか浮いていた。
話に入りきれなかったり、食事もあまり食べられなかったり。
後から聞いたのだが、夫はあからさまに会話からハブられてしまったらしい。
それでも、主役の顔を立てて耐えた。

そんな私たちに気を遣ったのか分からないが
誰かがテレビゲームしよう!と言い出した。
ゲームは一対一の対戦で、負けたら繰り上がるトーナメント式だ。
負けた2人は漫才かコントを披露するという
死にたくなる罰ゲーム。

もう、帰りたい。

素直にそう思った。夫も思ったと思う。
初対面の人と漫才が出来るほど、私は器用ではない。
そもそも、そのゲーム自体プレイした事が無かった。
私の悪いところだが、こういう時に帰ります。の一言が言えないのだ。
この空気を読み過ぎるところを、自分でぶん殴ってしまいたい。

なんとか罰ゲームは免れたものの、私たち以外の参加者は全員友達だ。
かなり盛り上がり楽しそうにしている。
漫才もそれなりの物が披露された。

正直、気を使い過ぎて疲れてきた。
だが幸いにも時間は流れる。
そろそろ終電もあるので‥とこの場から逃げることが出来た。

帰り際、夫ともう二度とあのグループの誘いは行かないでおこうと話した。
多分、もう誘われないと思うけれど。

しかし、あんな身内しかいない場になぜ私たちを呼んだのか。
知らない人たちの中で放ったらかしにされたのも、なんだか嫌な気持ちになった。
別に事細かな気配り求めているわけではないけれど、もう少し何かあってもいいのでは?と思ってしまう。
それくらい疲れてしまったのだ。

色々私たちには理解出来なかったけれど、恐らく

あの場にいた人達は全員陽キャに違いない。

新郎新婦もきっとそうだ。
でなければあの様な場に私たちを呼ばないだろう。
自分たちの友達だから私たちもきっと仲良くなれる。
そして楽しく過ごせると思っていたのかも。
もしかしたら何も考えてない可能性もあるけれど。

私たちはただ、地獄の様な数時間を過ごしただけに終わった。

こんな思わぬ形で陽キャのコミュニティというのを、実際体験して私はこんな風になれないと悟った。

どこまでいっても私は陰キャだと。

そして二度と結婚式の二次会には参加しないと誓いながら、夫とコンビニで夜食を買い家で飲み直した。

その晩の二次会の愚痴は止まらなかった。


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