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Adobe Photoshop Lightroom Classicで使ってるPC

今回はカメラではなく使用しているPCのマニアックな話。

人は速さには馴れますが遅さには馴れないので、カメラの性能に見合ったPCは必須だと考えています。

個人的な許容というか感覚として、RAW現像に費やせる時間は1枚2秒以下が理想。
1枚を等倍表示した時に1秒以下の一瞬が理想ですが、現実的には数十~数百枚現像処理をして1枚2秒程度なら問題なく、3秒だと少々遅く、4秒だと遅いです。 5~6秒になったら気長に待つしかない。
JPEG派の人はメモリはそれなりに必要でしょうけど、CPUはそんなに高性能じゃなくて大丈夫だと思いますが。


参考までに使用しているメインPCのスペックを書いておきます。
一年半前に組んだ一昔前の仕様なのでドヤれるような面は無く別段どうという事は無いですが、Adobe Photoshop Lightroom ClassicでのRAWデータ現像を目的に組んだので6100万画素のRAWデータは1枚0.9秒~2秒でJPEG出力出来るので実使用での性能はそこそこ。
処理速度に倍の違いが出るのはデータの違いで、Lightroom Classicは風景に比べホリゾントのような情報量の少ないデータの方が現像処理が速く、同じデータでもハイライトを飛ばした方が処理が速いです。
等倍表示で1枚表示させる(〝読み込み〟が消える)のは4~5秒程必要で速くはない。。

CPU / AMD RYZEN 3900X
CPUクーラー / SCYTHE 風魔
マザーボード / ASUS PRIME X570-PRO/CSM
ビデオカード / MSI GEFORCE GTX1650 AERO ITX 4G OC
メインメモリ 64GB
SSD / ADATA XPG SX8200 Pro PCIe Gen3 x4 512GB (Cドライブ)
SSD / Corsair Force MP600 PCIe Gen4 x4 1000GB (カタログデータ用)
SSD / ADATA XPG SX8200 Pro PCIe Gen3 x4 1024GB (編集データ用)
HDD / TOSHIBA MN05ACA600 6GB (編集済みRAWデータ用)
その他HDD諸々


全部一度に購入した訳でなく、最初に買ったのはCPUとクーラー、マザー、Gen4 SSDくらいで当時は10万円くらい。 それ以外は以前から使っていたパーツを流用したり後から変更してますが、そんなに費用はかかっていなくて、4ストレージの基本構成は変わらない。


CPUはPsaaMark - CPU Mark でスコアが高く購入可能な金額のもので選んでいます。
経験則では、このスコアってだいたいRAW現像時間に直結するのですが、Adobe Photoshop Lightroom Classicはクロックが高い方がコア数より効果がある場合が多いので、今なら12世代Core i7以上は当然として、もしかしたらCore i5-12600Kの方が(特に単発の表示では)速いかも知れない。

作業手順として、撮影枚数が数百数千の場合は、読み込ませた後にセレクトし等倍プレビューを生成後にピンチェックを行っていますが、数枚数十枚の場合は等倍プレビューは作成せず、1枚1枚等倍表示させています。
1枚表示はシングルスレッドなのでコア数の多さが活かされず動作クロックが高い方が等倍表示が速いので、等倍プレビュー未作成のデータを次々に等倍表示させてゆく作業手順ではクロックの高い方が適しています。
コア数の多さはマルチスレッドで活かされるのでプレビューを含む複数枚出力、大量処理時に違いが出ます。
両方速いのが理想ですが、自分の使用方法に合ったCPU選択が大事ですね。

マザーボートはなるべく安価なもの。
必要な機能があってちゃんと動けば問題ない。
現在見なくなったメーカーを含め色々使いましたが、ASUS(ASUSTek)とgigabyte、MSIのマザーは壊れたり初期不良に当たったことがない。

PCIe Gen4に対応したM.2スロットが二つあるのですが、転送速度の点で最も優先すべきなのはAdobe Photoshop Lightroom Classicのカタログファイル(*.lrcat)で、WindowsやPhotoshopのスワップファイル(pagefile.sys / Photoshop Temp)やBridgeのキャッシュにも使うので、CPUに直結したスロットに速度の速いPCIe Gen4のタイプを使用しています。
次に優先するのはRAWデータの編集用SSDで最も酷使されるストレージでもあります。 こちらはマザーボードではなくPCIe x16スロットにドーターカード経由で。 十数MB単位のRAWファイルだったり数KBのxmpファイルがメインなので、PCIe Gen3クラスでも速めのものを選んでいます。
この二つはGB級の巨大ファイルや無数にある小さなファイルへ無意識にアクセスすることになり、転送速度や高速なランダムアクセスが実使用に影響するので最優先です。

ストレージを物理的にOS / カタログファイル / 編集用RAWデータと3つに分けるのは、Adobe Photoshop Lightroom Classicに最適化した構成ならば信頼性とパフォーマンス、運用性の面からとても重要です。
この構成にすると、Cドライブが故障したり再インストールの必要があってもAdobe Photoshop Lightroom Classicをインストールし既存のカタログファイルを読み込めば編集作業に影響はなく、カタログファイルが破壊されてもxmpファイルを生成する設定にしているので手間は掛かるものの復旧可能で、安全性/運用性が高く、処理を分散させているのでパフォーマンス面でも有利です。

更に編集済みのデータを別ストレージ(HDD)に格納し、4ストレージ構成とする事でバックアップと共に容量不足となる可能性も少なくなります。
この部分は他PCや外付けHDD、NASといった別のハードウェアを利用する事でも対処出来ますが、日常的に使用するなら筐体に内蔵している方が使い易いですね。

ビデオカードは動画編集や3D CGではないので単独のGPUを使用しても処理時間が大きく向上する訳ではなく、CPUの方が処理性能では圧倒的に重要。 同様にストレージ性能/容量やメモリの量の方が作業性で重要です。
このカードは以前からの使い回しだし、希望するディスプレイ出力があればいいので、中の下くらいを選んでいます。


RAWデータ用のSSDは1TBでは手狭なので2TBくらいは欲しいところですが、2022年4月現在でも容量単価がまだ高額で1TBが最も買いやすくまだ待ちかな。
耐久性の方が問題に感じるので入れ替える可能性はあるか…

今後、ボディの画素数が増えてRAWデータが重くなれば、CPUを5900Xやら5950Xに変更する可能性もありますし、メモリを積めるだけ積む可能性もあるので性能の底上げは可能なんですけど、いまのところはこれで。


レンズ交換式カメラの需要は20年前は元より10年前より増えていると思うのですが、全体における割合は少ないのか、こういったRAW現像に本質的に特化し運用性まで考慮した仕様はメーカー製やショップ系PCでは存在せず、媒体の情報も毎回毎回似たようなゲーム用途ばかりで画像編集や動画編集に関しては昔から情報も多くありません。

〝RAW現像お勧めPC〟とか眉唾物で、その構成では性能を発揮出来ず作業性も悪いばかりか、お世話になっているご高名なプロカメラマンの方は第8世代Core i5で満足しているので〝プロカメラマンが教える〟とかメチャクチャ怪しい…
逆にPCに詳しくてもツール(この場合はAdobe Photoshop Lightroom Classic)の動作や作業手順に熟達していないとダメだし。

一度の撮影で300枚の人と3000枚の人、2000万画素の人と10000万画素の人、毎日のように撮る人と、週1~2度の人、月2で撮る人、不定期に気が向いた時に撮る人ではそれぞれ要求(必要)スペックが違うだろうし、処理時間の許容も違うし、興味があるレベルの人と軽い趣味の人、ガチで趣味の人、職業的な人でも全く違うし…

確実なのは、全ての人に共通して〝データを失ってはいけない〟こと。
撮影者の中にはデータ損失の可能性を踏まえて意図的に小容量のメモリーカードを使う人もいるし、前述のご高名なプロの方も撮影データは多重化し、すべきことは行っています。
これはどんな目的でも用途でも全部同じですけど、使用者側の備えが最も重要であると同時に、データを失う可能性を考慮されていない仕様は〝向いていない〟です。
絶対に向いていない。
ハードウェアの信頼性は当然ですが、実際には使用してみないと判らない以上は仕様/構成は考慮すべきで、特に〝○○向け〟と銘打つ場合は絶対に必要です。
LINEの履歴が消えただけでも大騒ぎするんだから、撮影データが消えたらひっくり返るぞ。


それらを踏まえ、次回は既成のメーカー製PCをAdobe Photoshop Lightroom Classicに最適化してゆきます。

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