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最近遊んだ・遊んでるゲームを一気にレビュー(2024年5月編)

 今月は色々遊びました!またオンラインイベントで知った作品が本記事に書く以外にも非常に多く、イベントの力を感じます。


基本無料ゲーム

学園アイドルマスター

 サービス開始から世を席巻している今作を私も始めました。
 私は萩原雪歩担当のPなのですが、今作は忙しさもありスルーする予定でした。ただプレイした人から伝わってくる「学マスは実質Slay the Spire」という言葉が「そんなことある!?」と気になって遊んでみました。

 本当にSlay the Spireでした…!

 レッスンやイベントでカードを集めてデッキとアイドル自身の能力を強化し試験というボス戦に挑むという、完全にSlay the Spire的なデッキ構築型ローグライクのシステムが取り入れられています。狙い通りのデッキができてコンボで圧倒出来たり、うまくいかず歪つなデッキと共に負けていくのを繰り返すその繰り返しでいわゆる脳汁が出るタイプの作品で「もう一周、もう一周」となる、運と実力のバランスが強烈に射幸心を誘います。「学マス」はこのデッキ構築型ローグライクの面白さがしっかり入っていると同時に大規模ソシャゲとしてはとにかくテンポがよいのでついつい遊んでしまいます。アイマスをしているのに「このカードがここでくれば打点が…!」「そのカードはもっと後半で来てくれよ…!!」とか考えたりしています。
 またプロデュースを1周クリアすると担当アイドルによるライブが見られるのですが、そのライブを撮影した画像が「メモリー」となってランダムなカードやバフの供給源となりさらにアイドルを鍛えられるといういわば「ハクスラ」要素もあります。インディーゲームの流行りをアイマスに取り込んで来るという意外さと落とし込みの巧みさに驚かされます。
 もちろん、アイドルマスターですので単純にゲームとしての面白さに加えて、アイドルへの思い入れもプレイするごとに高まっていきますストーリーはアイマスらしく各アイドルの強烈なクセと裏返しの魅力がしっかり描かれています。学園もの、育成ものということでアイドルの歌やダンスが最初は下手なのをしっかり描いてくるのも非常に話題ですし、その上でTrueENDの立派なライブを見るとグッときます。またライブの際の「汗」の演出がすごいので必見です。ローグライクの高揚とアイドル育成の感情の揺さぶりがきれいに掛け算されていて「これは流行るよな」と思いながらやりすぎにならないように遊んでいます
 それはそれとしてここまで担当、つまり推しが決まってないんですよね…。最初の選べるSSRは声や曲がいいので麻央にしたのですがシンプルに見た目ならリーリヤが好きですし、攻略しやすいのは手毬ですしストーリー読んでると咲季いいなーってなりますし、佑芽実装されたし美鈴が気になるし…。(追記:初のTrueEndがリーリヤだったのでとりあえずリーリヤになりました

フリーゲーム


かがみの特殊少年更生施設

 架空の少年更生施設のホームページを検索などで探索し一体何が起きているのかを調べていくARG(代替現実ゲーム)です。ホームページの記事や生徒が作成した作品、あるいは実際にtwitterにあるアカウントから暗号や検索キーワードを見つけ出し、表には出ていない秘密のページ、そして施設の真相を求めていきます。
 「体験型モキュメンタリー」という通りまるで流行のモキュメンタリーホラーに自分自身が飛び込んでいるような感覚で遊べます。Jホラー映画において「PCの画面で謎の暗号を解く」シーンは結構あると思いますが、まさにそれをやっている感じです。
 調べていくうち少しずつ漏れ出す「何か嫌な感じ」が非常にぞくぞくしました。また、調査の「カギ」となるものを見つけた時は実際に「あっヤバいものを見つけた!」感じを受けました。それは本来なら危険なものではないのですが、ある演出方法が合わさることにより「うわこんなのヤバいに決まってるだろ」と一瞬で思ってしまうような、そんな演出がなされているのがとてもうまいです。そして行き着いた結末は驚かされるものであると同時に非常に日本のホラーらしいゾクッとする感じがありました。全体に直接的に怖いものはほとんどないですが、「なんか嫌だなぁ」「ざわざわする」「うわ…」となるような怖さを感じながら遊びました。
 今作、最初私は一人で配信で解こうとしていたのですが完全に行き詰ってしまい、普段から仲良くしている低探倶楽部のぱんまつりさんと渡辺洋介さんに協力をしてもらい解くことができました。持つべきものは友です。かなり難しいと評判なので今から挑まれる方も複数で挑む方がいいかもしれません…!ちなみに二人ともnoteでいい文章書いているのでぜひ読んでくださいね!


_HIS DREAMS

 主人公が記憶を求めて旅をするレトロスタイルのアドベンチャーRPGになります。
 今作は第一章のみの体験版的な作品ですが、結論から言うと今やっておいた方がいい作品です!とにかくその作り込みがあらゆる方向でとんでもないレベルになっています。「とんでもないものに出会ってしまったのでは…?」「これ完成したらやばいのでは…?」となる超注目の作品です。
 絵本のようなレトロなグラフィックと自作(!)BGMが合わさって立ち上がる雰囲気はほんわかなのにどこか不安やドキドキが入り混じる、穏やかなダークファンタジーとなっています。その世界が細部まで作りこまれていてそれを浴びるだけでも本当にわくわくします。
 
また、私は今作の言葉へのこだわり具合が好きです。大量の探索箇所で読めるちょっとしたセリフも非常に面白いですし、戦闘中のクリティカルヒットに当たるものが「めっちゃいたそう!」になっていたり、技名と物語が呼応したりと用語一つにこだわりがありそこから立ち上がる世界観に引きこまれていきます。あと店員とのやりとりいいですよね…。
 そしてそれらの高クオリティな要素をまとめる演出が本当にすごいです。2Dマップから一枚絵にシームレスに移行する演出、マップ名の最高におしゃれな出し方などテンポを崩さないまま世界観を引き立てる演出が生き割っています。劇場・舞台をモチーフとしたUIやデザインもいいですし、とにかく素晴らしいところばかりで今から完成が楽しみで仕方ない作品です。ぜひみなさんにも体験してほしいですし、作者様は無理のない範囲で開発を続けていただければと思います。
 また、今作はフリゲ一期一絵祭というフリーゲームのイベントがきっかけで知った作品です。おそらくこのイベントがなければ今作は遊ぶ機会はなかったですので、改めてここで主催者様への感謝を申し上げたいと思います。


小説家の旅紀行

 ネタに詰まった小説家が旅先で小説のネタを探すというアドベンチャー作品です。今作もフリゲ一期一絵祭で出会った作品となります。
 今作は遊んでいて「旅してるー!」という感触が非常に感じられる作品です。モナーRPGという形式で2Dマップのデフォルトされた世界ではありますが観光地としてのデザインが非常に豊かで本当に観光をしている気分です。町民と会話したり、温泉に入ったり、神社に参拝したり絶景を見たりしているうちに旅先の町の風や匂いが感じられるかのようにさえ感じられました。町の歴史を読めたり、地理的条件から生まれる観光名所、そして人々の暮らしがしっかり描かれていたりと箱庭的にしっかり町が作り上げられているからそう感じられるのでしょう。なので遊んだ後は本当に日帰り旅行をして羽根を伸ばしたかのような感覚になりました。ぜひ忙しい日々でちょっと癒されたい時に遊んでもらいたいです。
 また「ひょんなことから小説のネタを見つける」というのは「わかる……!」となりました。私も小説を書いていた時はそのような経験がよくありました。また、今作にはクリアに必要な量以上に大量の小説のネタ元があり、「いったいこのネタ元からどんな作品ができるんだろう」「自分だったらどんな作品が書けるだろう」と考えてみたりするのもいい時間になりました。 


妹侵蝕 - ソロリズム

・虐待・暴力・流血・薬物等の描写や表現を含みます。
 フラッシュバックする方や苦手な方はプレイは絶対にプレイをお控えください。
・このゲームには犯罪の描写があります
 決して、犯罪行為を助長する作品ではありません。
 また、ゲーム内の行為を現実に移す等は絶対にお辞めください。

 妹との会話の中で間違いを見つけてそれを指摘するという会話型ノベルゲームです。

 今作、とにかく、すごかったです。

 なぜ妹との会話間違いを見つけなければならないのか、見つけたら何なのか、かわいらしいけど何かがひっかかる妹の姿、そして「妹浸蝕」というタイトルなど、コメディやほんわかした展開もありつつもどこかちぐはぐで不安を掻き立てる光景や展開が続いていきます。そして物語を読み進めて届く真相、「妹浸蝕」という言葉の意味を知った時は、なんか、もう、本当に圧倒されました。心から戦慄しましたし、悲しかったし、切なかったです。全てを終えるとこのタイトル画像の妹のオーバーオールが恐ろしく、そして悲しく見えてきます。短編ですしネタバレは避けたいですが、本当に今作の辛いけど圧倒的な物語を味わってほしいです。
 言葉一つ、映像一つ、演出一つ、端から端まで、最初から最後まで濃厚な物語が張り巡らされている、とんでもない短編作品でした。辛い、怖い描写は大量にありますので上記の注意書きを確認の上ぜひネタバレなど何も見ずに遊んでほしい大傑作だと思っています。


きりかのらんらんイリュージョン!

 こちらもフリゲ一期一絵祭で出会った作品です。
魔法少女を描いた超短編・分岐なしのノベルゲームで、ネタバレ防止で言えることがほとんどないのですが声が出ました……!かなり衝撃を受けた作品だったのでぜひ体感してほしいです。ものすごく短い紹介となってしまいますが、本当に何も、どんな感情になったかでさえネタバレしたくないので…!


イマジナリー・バッドフレンド

 突然現れたイマジナリーフレンドと会話しながら今自分に起きていることを少しずつ知っていくノベルゲームです。
 今作は文章もさることながらとにかく絵の力がすごい作品でした。デザインのポップさはもちろん、構図、ロケーション、距離感、ちょっとした角度のつけ方など全てが見ていて楽しいですし、幼き日の思い出を想起させる優しさと切なさを表現しています。
 私はイマジナリーフレンドがいたことはないのですが、今作のことを思い出すと自分の幼いころの友人を思い出し、何とも言えない切ない気持ちになります。前述の絵の力に加えこの二人のセリフも本当に最初から最後まですばらしく、実況でプレイした時はその結末に思わず涙を流しました。非常に小さなシチュエーションながらそこに人間の人間らしさがあふれている、センチメンタルで上質な短編です。


おまけ

 「_HIS DREAMS」「小説家の旅紀行」「イマジナリー・バッドフレンド」を遊んだアーカイブを遊んだ後に見ていただければ嬉しいです!


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