即興小説:「連続にんにく魔の最後」
※こちらはyoutubeの配信中に「即興小説トレーニング」を利用して15分で書いた小説となります。
・本文
お題:疲れた愉快犯
必須要素:冷え症
「まだやんなきゃいけないんですか…」
「うん!」
サングラス越しからでも、男のうんざりした表情が見えるようであった。
男は、街では有名な「連続にんにく魔」であった。
人の料理に勝手ににんにくをすりおろしてかけるのだ。
これからデートの予定がある被害者や、
そもそもにんにくが嫌いな犠牲者たちが被害を訴えていた。
あの有名な「からあげレモン団」に続く新たな組織なのか、それとも個人の犯行なのか、
その姿はいまだ謎とされていた。
その「連続にんにく魔」は、しかし困り果てていた。
目の前にはにんにくを、鼻をつまみながら無理して食べ続ける女性がいるのである。
彼女は明らかに嫌がっているので、男のポリシーとして犯行を続けないわけにはいかないが、
同時に彼女はそのにんにくが載ったステーキやサラダ、コーンスープ、さらにはソルベまで
嫌な顔をしながら食べ続けるのである。
「あのー、そこまでいやだったらもう食べるのやめた方が…」
「いやいや、うっぷ、もっと、にんに、うう、にんにくかけて…」
こんなことが毎食、もう一週間も続いている。
彼女がにんにくを嫌がっている以上、にんにくをかけ続けないわけにはいかないが、
彼女はにんにくを食べ続ける。
「ああ、ありがたい。体がポカポカしてきた」
そう、彼女はにんにくを大量にとることで、自らの冷え性が改善できているのである。
なので、たとえ臭いが気になろうが、味が好きでなかろうが、彼女はにんにくを求め続けるのだ。
街では「連続にんにく魔が最近現れない」と平和を喜び合っていた。
こうして、「なんでもマヨの民」の反乱まで、街の平和は保たれたのである。
・あとがき
とりあえずお題にかなり苦しんだ作品でした。「疲れた愉快犯」というのもピンと来ませんし、そこにさらに「冷え症」まできて、いったいなんだこれ…?となりまして、とりあえず冷え症の症状とか解消法を調べました。
15分の中で調べるというのは結構楽ではないのですが、その中で「冷え症にはしょうがやニンニクが効く」というのを読んで、「なんにでも勝手ににんにくをかける愉快犯が冷え症の人に感謝される」というのが浮かんできました。しょうがよりはにんにくの方が嫌そうだなぁと。最近なんにでも大量のにんにくをかける料理動画を見ていたのでその影響もあるかもしれません。時間がないとこのように最近刷り込まれたものに影響受けますよね!
なお、即興小説配信はYoutubeで行うので、興味ある方はチャンネル登録していただけると嬉しいです!
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