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『デジモンストーリーサイバースルゥースハッカーズメモリー』のLV50のステータスを基にロイヤルナイツのステータスを比較検討してみた

よく「マグナモンはロイヤルナイツの面汚し」などと言われますが、理由の1つに『Vテイマー01』の大輔客演回以外での描写があまりパッとせず、苦戦する描写があるため扱いが悪いことが挙げられます
しかし、デジモンファンっていわゆるドラゴンボールをはじめとする少年漫画のファン層と比べると真面目に戦闘力や強さ議論というものを展開する人がとても少ないので、どうしても数値化して考えることができない人が多いのです。
「ドラゴンボール」のスカウターではありませんが、やはり1つの基準として「戦闘力の数値化」は大事なことであり、数字は人を冷静にするので今回は敢えて数値化することによってマグナモンが本当に面汚しなのかどうかを見てみましょう。

今回参照するのはゲーム『デジモンストーリーサイバースルゥースハッカーズメモリー』のレベル50の段階でのステータスで、HPを除いた攻撃・防御・SP・知力・素早さの5項目の合計値で比較しています。
それではどうぞ。


アルフォースブイドラモン 合計値728

簡易コメント:典型的な攻撃と素早さに特化したタイプであり、守りと知力が弱めなのが大きく影響したか。攻撃力だとデュナスモンが最強なので素早さで最強を取った感じ。

オメガモン 合計値758

簡易コメント:流石に高水準のステータスでまとまっているが、超究極体でありながら数値化してみると合計値でマグナモン・スレイプモン・ドゥフトモン辺りに劣ってるのは如何なものか。

マグナモン 合計値772

簡易コメント:アーマー体進化にも関わらずロイヤルナイツでも破格の高水準ステータス。クレニアムモンと並ぶ絶対防御に決して低くはない攻撃力、そして高めの知性でここまで出しているのは見事である。

デュークモン 合計値748

簡易コメント:全体的にそつのないステータスだが、逆にいえばこれと言って突出したものがない器用貧乏な感じになっている印象も否めない。全体的にインペリアルパラディンの下位互換といった感じ。

スレイプモン 合計値783

簡易コメント:ドゥフトモンに次ぐステータスの高さで、HPの低さを除けばスーパーエリート。しかし防御ではマグナモンとクレニアムモン、素早さではアルフォースブイドラモンに引けを取ってしまっている

アルファモン 合計値750

簡易コメント:「空白の席」だからもっと凄く高いステータスなのかと思ったが意外と普通。素だとそこまで高いわけではないので、王竜剣が加わってこそ本領発揮というところか。

エグザモン 合計値758

簡易コメント:デカい図体に誤魔化されがちだが、ステータスそのものはオメガモンと同等程度。HPの高さとサイズで強そうに見せているだけで、総合的にはロイヤルナイツの中でも中堅クラス

ガンクゥモン 合計値688

簡易コメント:HPと攻撃に極振りしてた結果、他ステータスが軒並み低いという典型的な「レベルを上げて物理で殴る」脳筋ステータスロイヤルナイツの真の面汚しはむしろこいつではなかろうか。

クレニアムモン 合計値738

簡易コメント:防御だけはマグナモンと並んで凄いのだが、他がパッとしないので総合的には誰がどう見てもマグナモンの下位互換でしかないという、真のロイヤルナイツ不遇枠。

デュナスモン 合計値728

一口コメント:合計値がアルフォースブイドラモンと同じでステータスも似通っているが、アルフォースブイドラモンが素早さ、デュナスモンが攻撃力に特化したロイヤルナイツの真の特攻隊長

ドゥフトモン 合計値797

一口コメント:ロイヤルナイツにおける御神楽ミレイ枠でステータス合計が実はロイヤルナイツトップという、「影の実力者」という言葉がふさわしい伏兵的存在といったところか。

ロードナイトモン 合計値773

一口コメント:ピンクの細身に誤魔化されがちだが、実は素早さではアルフォースブイドラモンに次ぎ、またドゥフトモンと違いある程度戦闘もこなせるステータスの高さ。

ジエスモン 合計値748

一口コメント:デュナスモンとアルフォースブイドラモンと同タイプの攻撃と素早さ特化だが、やはり全体的に器用貧乏という印象は否めない。

インペリアルドラモンパラディンモード 合計値773

一口コメント:全ステータスが150台なのでデュークモンの上位互換だが、それでもファイターモードに比べると長短がはっきりしないステータスになってしまっている。


全体を通して比較してみましたが、わかったことはマグナモン・ドゥフトモン・スレイプモンなどのように見てくれが小柄な奴こそがむしろステータスが高いという結果になっています。
単純なステータスの合計値だけで言えばマグナモンは全14体いる中で5本指に入っているので、実はロイヤルナイツの方でも相当に優秀であり、むしろアーマー進化だけでこの高いステータスという事実に驚かされるのです。
逆に言いますと、他が育成に苦労して頑張ってやっとこさロイヤルナイツ入りなのに対して、大輔とブイモンはアーマー進化だけでポンとこのステータスになってしまっているのだから、チートもチートなのですよね。
何が「ロイヤルナイツの面汚し」かと、むしろステータスの合計値だけで言えば688で一番低いガンクゥモンこそがロイヤルナイツの真の面汚しなんじゃないですか?

それからインペリアルドラモン パラディンモードとオメガモンは超究極体という設定になっていますが、その割に数値そのものは他のロイヤルナイツと大差ありませんね
オメガモンに至っては「超究極体の中で最弱ではないか」と言っている人も少なからず見かけますし、何よりステータス合計値でアーマー体のマグナモンより下、かつ「Vテイマー」では自分より合計値が低いはずのアルフォースブイドラモンの引き立て役にされてしまっています
まあもちろんこれは大輔とブイモン、タイチとゼロマル、リナとブイブイがテイマーの中でも特別だからというのはあるわけですが、オメガモンってなまじ「ぼくらのウォーゲーム」で圧倒的強者みたいに描かれたのがかえって足を引っ張ってますよね
矛さんは「オメガモンに取って代わるニューヒーローを生み出せなかった」とか見当違いなこと言ってますけど、単純に超究極体でありながらこの程度のスペックだからあれだけの亜種を生み出さないとパッとしないからだとしか思えません。

あと、個人的に衝撃だったのが一番ステータスの合計値が高いのがまさかの知略担当のドゥフトモンであり、HP・攻撃・防御が極端に低い分残りのSP・知力・素早さに全てを曲振りしている感じですね。
ロードナイトモンもドゥフトモンと近いサポート系のステータスになっていますが、ドゥフトモンとの違いは極端にサポートではなくある程度HP・攻撃・防御も高いということです。
小さい身なりで弱そうに見えながら実は内側にとんでもない実力を隠し持っているというのがまさに「能ある鷹は爪を隠す」「山椒は小粒でもぴりりと辛い」を表している気がします。
マグナモンもそうなんですが、ロイヤルナイツの中におけるステータスの強弱について見る場合、決して見かけに誤魔化されてはいけないということですね。

逆に意外とパッとしないというか「こいつら見掛け倒しだなあ」と思ったのがデュークモン・アルファモン・エグザモン・ガンクゥモン・クレニアムモン・ジエスモンあたりでしょうか。
デュークモンは「テイマーズ」の松田啓人がなったデジモンだから人気は高いのですが、劇中の描写も含めて思うのは器用貧乏なステータスになってしまっているということです。
いずれを取っても140代で高水準にまとまっているようですが、逆に言えば「ここが突出して強い!」という部分がないのでいまいち決め手に欠ける感じがしてしまいます。
まあそもそも啓人自身も太一や大輔と違って圧倒的長所もなければ圧倒的短所もないというごく普通のステータスなので、それに合わせたステータスになってしまうのでしょうけど。

アルファモンに関しては王竜剣を得てやっとロードナイトモン辺りと同等程度になるので、単体で見るとどうしても器用貧乏という印象は否めません。
エグザモンに関しては典型的な見掛け倒しで、でかい図体の割にはステータスそのものはオメガモンと同等程度なので、必ずしもデカい=強いというわけではないのだなと。
ガンクゥモンはHP・攻撃・防御に曲振りしているのでサポート面やテクニック系がとんとダメという「NARUTO」でいうガイ先生やロック・リーみたいな位置付けじゃないでしょうか。
クレニアムモンに関してはもう完全なマグナモンの下位互換、防御だけがマグナモンと同じ208でHPも1630とそこそこ高いですが、総合的には敵の攻撃に耐える以外の活用法がないマゾ仕様です。

ジエスモンに関してもやはり中途半端なステータスで、攻撃と素早さに曲振りしていますが、攻撃力ではデュナスモン、素早さではアルフォースブイドラモンに敵わず、防御もそんなに高いわけでもありません。
こうして見ていくと、ロイヤルナイツと一言で言っても性能はまちまちで、いうほどマグナモンがロイヤルナイツの面汚しな感じは全くないどころか、むしろ過小評価なのではないかという気がします。
逆にオメガモンは上でも書きましたので繰り返しになりますが、全体的に高水準のステータスでまとまっている割には「ぼくらのウォーゲーム」以外だとパッとせず、亜種を出しまくった結果株価が大暴落しまくっているのです。
「ぼくらのウォーゲーム」の時のオメガモンが無印信者の間で神格化されすぎた結果、過大評価されてしまいオメガモンの適正な評価がなされていないというマグナモンの逆現象が起きてしまっています。

それではなぜこんなにも価格の大暴落が起きたオメガモンを中心に、設定上は神格化された存在でありながらこうして詳細に分析して詰めていくと意外にもそんなに差がないロイヤルナイツはなぜこうもファンの語る評価と実態に差があるのでしょうか?
理由は簡単です、それはアニメシリーズが「フロンティア」「テイマーズ」などでロイヤルナイツを敵に回して擦り倒し、またそれ以外でロイヤルナイツが自ら戦場に立って戦う機会が少ないから無敵なように見えるだけなのです。
言うなればフリーザ軍で言うところのキュイ・ドドリア・ザーボン辺りと似たようなもので、強すぎて無敵ではなく前線に立ってないから無敵に見えるだけで、実際どんな業界でも内側でふんぞり返ってるプロパー(正社員)はそんなものではないでしょうか。
ではそのキュイ・ドドリア・ザーボンはどうなったかというとフリーザの元で胡座をかいた結果、ずっと最前線で戦い続けてきた外注の委託であるベジータにあっさりと引っくり返されて負けましたよね。

ロイヤルナイツもこれと似たようなもので、「サイスル」「ハカメモ」をプレイしてわかったのは同じロイヤルナイツでもリナとブイブイのように前線に出向いて自分が動くタイプのロイヤルナイツは信頼できるが、そうじゃない奴は信頼できないということです。
個人的に信頼できるロイヤルナイツはやはりアルフォースブイドラモンとマグナモンら前線に出向く穏健派が中心であり、他は正直そんなに信頼できませんでしたね、どいつもこいつも名ばかりででいざ前線に出向くとろくなことになりません。
何だったら私は「マグナモンがロイヤルナイツの面汚し」どころか「ロイヤルナイツの存在自体がデジモンシリーズの面汚し」であり、さらにいえば初期作品のみを神格化し擦り続ける作り手と受け手の怠慢な関係性こそが「面汚し」であると考えます。
そもそもどうやったところで所詮は「ポケモン」「たまごっち」の二番煎じでしかないデジモンシリーズはアニメ『デジモンアドベンチャー』が作られた時点でこうなるであろうことは目に見えていました。

そう考えると、デジモンシリーズっていかに一部のファン・信者が声高に主張してきたかということがここからもわかるし、それがさも客観的評価にして本質であるかのように語られてきたかの証左でもありましょう。
かといって、じゃあそれをしっかり正して良き方向に改善していこうという気風が作り手と受け手の双方にあるかというとそうではありません、相も変わらずゲーム・アニメ・漫画の全ての媒体で全く連携や整合性が取れないままです。
言うなれば身内だけで満席になった喫茶店のようなものであり、そんなところに新規の顧客は寄り付かないし、かといってじゃあずっと買い支えているリピーターの質が高いのかというと、そういうわけでもありません。
だから細々と長くやっている割にはポケモンほどの大衆性と認知度・人気を獲得できないわけですし、かといってじゃあ濃いマニアックなファンが買い支えるほどの中毒性高いコンテンツかというとそれにもなりきれていないのです。

話が逸れたので元に戻して、それがわかりやすく見て取れるのがこのロイヤルナイツの事例であり、ファンや信者が声高にいう評価とゲームで表現されている実態とに大きな乖離があることが今回の事例からもわかるでしょう。
改めて思うのは決してそういうノイズやネットの評価に惑わされることなく、きちんと冷静に数字で見て事実ベースで客観的に評価して正しく見ていくということをしなければなりませんね。
そういう意味では、アズマケイさんは作品の素晴らしさはもちろんですが、何よりもデジモンファンとして数少ない本質をわかった上でしっかり設定もドラマも客観視できる人なのだなあと思います。

とりあえず言えるのはマグナモンは決してロイヤルナイツの面汚しなんかでは絶対ないということです、それだけはこの数値や劇中の描写を見れば明らかな間違いであることがご理解いただけるのではないでしょうか。

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