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『デジモンアドベンチャーVテイマー01』の人間キャラクターを『人生の取扱説明書』『恋愛の取説』の12種類に分類してみたら?タイチと大輔が滅茶苦茶相性がいい理由も考察!

以前に私がデジモンに関して考察する際にお世話になったサイトの1つがこちらの「U型改」なんですが、こちらの方は「テイマーズ」から入って「アド」→「02」と入った方です。
いわゆる無印信者ではないので、無印や02に対する率直な忌憚なき意見が見られますし、また彼の提唱する「タケル史観論」は20年近くも前に大変鋭い考察をされていて、読み応えがあります。
んで、その中の面白半分の妄想・考察のネタの中にオタキング岡田こと岡田斗司夫が書いた『人生の取扱説明書』『恋愛の取説』を基にしたデジモンのアニメキャラの考察が上げられていました。
あくまでもエンタメとしてですが、これが結構分析力高めでキャラを考察する際にお世話になりましたので、誠に勝手ではありますが、今回こちらの知恵を拝借させていただきます。

「アド」「02」「テイマーズ」はこちらの方の考察で全く違和感がないのでいいとして、まだ考察されていない漫画版の「Vテイマー01」の方はどうなのだろうと考えてみました。
歴代随一の傑作であるこの作品のキャラクター達は一体どんなメンタルをしていて、井沢・やぶてん先生はどのようにキャラをお造りになったかを考えてみようと思います。
なお、今回取り上げるのはあくまでもテイマー=人間キャラだけなのでパートナーデジモンに関しては一切考察しませんので悪しからず。
客演回のメンバーに関しては他の作品の物も参照しつつ考えていますので、客演回単独ということにはなりません。

それではどうぞ。


<Vテイマーキャラ分類>

王様タイプ
内向王様 : なし
純粋王様 : 彩羽レイ(2→3)、本宮大輔(客演回)(2→3)
外向王様 : 豪徳寺マリ(2)

軍人タイプ
外向軍人 : 彩羽ネオ(3)、八神太一(アドコロ版客演回)(2)
純粋軍人 : 神原拓也(客演回)(1)、秋山遼(3)
内向軍人 : なし

学者タイプ
外向学者 : なし
純粋学者 : 八神タイチ(3)
内向学者 : シグマ(1→2→3)

職人タイプ
内向職人 : なし
純粋職人 : 藤本秀人(1→2)
外向職人 : なし

八神タイチ(純粋学者、レベル3)

アニメ版の太一とは平行同位体なので「純粋軍人レベル3」なのかと思いましたが、作品を何度も読み返すたびにやはり漫画版のタイチは「学者」タイプなのではないかという結論に至りました。
オーバーライトやパラレルワールド関連もそうですが、「頭脳派テイマー」というだけあってきちっと理論・理屈で物事を考え行動し、戦略をきちんと立てて勝つのでアニメ版太一とは決定的に違い光子郎・丈・伊織に近いです
特にアドコロ版太一との共演回を見ればわかると思いますが、アニメ版の太一は無印もコロンも外向軍人なので「レベルを上げて物理で殴る」というマッチョイズムが根本にあります。
他にも客演回で出た「フロンティア」の神原拓也や「テイマーズ」の秋山遼とも喧嘩や馬が合わないことが多かったので、そもそも本作のタイチは軍人タイプと縁がある割に相性はいまいちです。
しかし長期で相性がいいのが客演回でタッグを組んだ本宮大輔や物語後半の鍵を握る純粋王様の彩羽レイであり、この2人とは長期の相性が最高にいいですし、またマリともいい感じではないでしょうか。
光子郎が作中でレベル2から3に成長したのに対してこちらのタイチは冒険に来る前から完璧超人だったので、成長したというよりも完璧超人ぶりにより磨きがかかったと言うのが正確です。

彩羽ネオ(外向軍人、レベル3)

立ち位置的にデジモンカイザーこと一乗寺賢と似ているから職人タイプかと思いましたが、作中で見る限り随一の負けず嫌いでエイリアス3を従えるカリスマ性も抜群、タイチと同じ「最初から完璧超人」なので外交軍人レベル3でしょう。
例えるなら「闇落ちしたアニメ版八神太一」と言った方がよく、闇落ちした理由が純粋軍人たるタイチへのライバル心と交通事故で歩けなくなってしまった妹・レイが歩けなくなったことに絶望した心の弱みをデーモンに利用されたからでした。
軍人タイプなので純粋職人の藤本秀人とは長期の相性が中々に良く、これは正にアニメ版の太一とヤマトの関係と同じで外向軍人と純粋職人という正反対のタイプだからこそ仲良くなるのが早かったということでしょう。
面白いのは肝心要の妹・レイやライバルであるタイチとの相性が可もなく不可もなしといったところですが、思えばこの兄妹ってレイの方がしっかり者で兄が暴走機関車という感じなんですよね。
自分の思い通りにならないとすぐに癇癪を起こしてしまいがちなところも実にアニメ版太一とそっくりであり、「三国志」でいう曹操タイプがデジモン界に現れたようなものだと思ってください。
そう考えると、「Vテイマー」の世界ってアニメ版に例えると主人公になった光子郎と闇落ちした太一がガチバトルしてるようなものであり、そりゃあ壮大な軍事戦記になろうというものです。

彩羽レイ(純粋王様、レベル2→3)

本作の紛うことなき真ヒロインことレイちゃんですが、見た目が空で中身が妹属性なのでヒカリと似た職人タイプかと思いましたが、劇中の描写や役割を見るとむしろミミや大輔と同じ純粋王様タイプでした。
同じ王様タイプのマリちゃんには「色気がない」なんて揶揄されていましたが、純粋王様は外の飾り気ではなく素材がそもそも純粋だから魅力的なので、その点もミミ・大輔と同じです。
空みたいに努めて明るく振舞おうとするのでもないしヒカリみたいに思い詰めるわけでもない圧倒的陽の、正に「デジメンタル」が相応しい最強最高のヒロインであり、かのデーモンでさえそこを恐れていました。
初期はデジモンを怖がっていたものの元々明るいタイプなのでレベル2、終盤ではタイチを励ましアルフォースブイドラモンフューチャーモードを誕生させる勝利の鍵となったのでレベル3です。
アニメに例えるなら光子郎とミミの関係性がそのまま主人公とヒロインになった関係性であり、純粋学者ながら恋愛に奥手なタイチをムードメーカーな神メンタルのレイが励まし支える感じではないでしょうか。
逆に秀人からは憧れを向けられている感じでしたが、確かに本編を見ると確かに秀人ってレイみたいになれたらいいなあという風に少なからず思っている節があります。

豪徳寺マリ(外向王様、レベル2)

敵だった時は物凄く悪辣な策士の側面が目立ったので学者タイプかと思いましたが、むしろタイチに負けてから出してきたグイグイ引っ張る外向的なコミュ力と明るさが目立つので外向王様で「闇落ちした京」でしょう。
基本的には明るいのですが、改心してから特別に目立った行動・言動を起こして成長したという感じではないのでレベル2止まりですが、実は秀人以外のメンツとは何らかの相性関係が発生しているのが美味しいです。
一番相性がいいのは内向学者のシグマですがこれは本編でもちょくちょくありましたし、実は同じ理論派のタイチともその次に相性がよくて長期でのお付き合いが発生する関係性ではないでしょうか。
そして外向軍人のネオや純粋王様のレイとはすぐに仲良くなれるというのも納得であり、ネオの理念に共感したからエイリアス3に入りましたし、レイとも打ち解けるのは早いですがそこから仲は深まらないでしょう。
策士といってもいわゆる理論的なものというよりは相手を見せかけで騙す演技力であったりハッタリめいたものでカオスに貶めるという感覚的なものですし、そういう意味でも彼女は京タイプです。
唯一、秀人とだけは何の相性関係も発生しませんでしたが、これは別に珍しくもなんともなくたまたま同じエイリアス3だったというだけであり、特に違和感はありません。

藤本秀人(純粋職人、レベル1→2)

アニメ版のアドベンチャーシリーズでは高石田兄弟・武之内空・八神ヒカリ・一乗寺賢と実に5人もいた職人タイプですが、「Vテイマー」では秀人のみであり、しかもヤマト・賢と同じ純粋職人でした。
最初にエイリアス3として登場した時は自分の本質を見失ってオーグとメルーガが反逆を起こしたのでレベル1、タイチに負けて改心してからは素に戻ったのでレベル2でしょうか、3に至る劇的なイベントは特にありません。
相性で見ていくとマリ・シグマ以外とは相性関係が発生しており、タイチには優越感レイに対しては憧れが発生しており、タイチに優越感というのは敵だった時が正にそうでしたね。
レイちゃんに対してはやはり終盤のデジメンタルの件もあって自分にはない芯の強さを持っているのに憧れがあった節はありますし、外向軍人のネオとは長期の相性がいいのもその通り。
とにかく彩羽兄妹とはデジタルワールドに来る前から相性が良くて、それがあったからこそタイチも最終的にライバルであったはずのネオやヒロインたるレイとの繋がりができたというのはあります。
そう考えると「ブラコン要素の全くない綺麗な石田ヤマト・一乗寺賢」というのがこの藤本秀人であり、だからこそオーグとメルーガを使い熟す事ができていたことにも納得です。

シグマ(内向学者、レベル1→2→3)

実は今回の分類で真っ先にキャラ分類がわかったのが彼であり、タイチとの対決を見ていると高度な学者タイプの駆け引きというか知略合戦が見られて面白かったです。
仮面をつけてボソボソと喋るタイプなので間違いなく伊織と似ていて「内向」であり、なおかつ光子郎と同じ分析大好き人間なので「学者」ということで一発で決定しました。
また、実は劇中で一番成長が著しかったのも彼であり、初期はひたすら自分のことだけに意識が向いていて仮面をつけていたのでレベル1、タイチに負けて改心してから自分の声で喋るようになったのでレベル2です。
そして終盤ではその高い分析力を活かしてアルカディモンのなんたるかを綿密に分析して問題解決に使用するというレイの次に凄まじいファインプレーを見せたのでレベル3としました。
個人的には「闇落ちした伊織」が彼であり、外向王様のマリと長期の相性が最高に良いのは正に京と伊織の関係性であり、純粋学者のタイチともすぐに仲良くなれ、純粋王様のレイや外向軍人のネオとも相性がいいですね。
逆に純粋職人である藤本秀人との相性関係が可もなく不可もなしであることは特に違和感はありません。

八神タイチと客演回で出てきたメンバーの相性について〜本宮大輔だけがタイチと最高の相性〜

さて、ここからは余談のコラムですが、以前にも語った「本宮大輔だけが客演回で唯一花を持たせて貰った」理由について改めてこの分析を基に考察してみました。
上の分類を見てみるとわかると思いますが、「Vテイマー」のタイチは光子郎と同じ純粋学者のレベル3であり、アニメの太一とは違い緻密な戦術・戦略を持って勝つ頭脳派テイマーです。
そんな彼が客演回で一緒になったのが「02」の本宮大輔、「フロンティア」の神原拓也、「テイマーズ」の秋山遼、そして「アドコロ」の八神太一でした。
そしてこの中で「夢の共演」としてきっちり「ダブルテイマー」という形で成り立っていたのは大輔だけで須賀、この分類を見れば一発で理由がわかります。

そう、本宮大輔以外は全員軍人タイプなのである!

驚愕の事実ですが、実は大輔以外の拓也・遼・太一(アドコロ版)は全員彩羽ネオと同じ軍人タイプなんですよね、要は「レベルをあげて物理で殴る」という感じの。
だからというわけではないでしょうが、学者タイプと軍人タイプってアニメの太一と光子郎が濃く描かれているからうまくいくように見えているだけで、実際は可もなく不可もなしといったところでしょう。
拓也と遼は見た目と性格が爽やかであり、特に「テイマーズ」の留姫から遼に対する評価が「完璧なまでの爽やかオーラ」ですが、これは職人タイプから見た軍人タイプへの評価であると言えます。
アニメ版の太一もそうですが、闇落ちしていない光属性の軍人タイプって外から見ると凄く爽やかに見えるんです、これはスーパー戦隊シリーズの昭和戦隊のリーダー型レッドを見てもらえればわかるでしょう。

しかし、軍人タイプのめんどくさいところって「内側の人間に対しては一気に暴君と化す」という典型的な内弁慶気質であり、特に無印の太一なんて巽マトイ兄さんと同じで「権力と暴力が服を着て歩いている」タイプです。
それが露骨に出ているのがダークマスターズ編45話冒頭のヤマトとの殴り合いのシーンであり、仲間の制止にも耳を貸さず「お前ら全然分かってないんだな!このパンチは俺のパンチじゃない、ピッコロモンの代わりだ!」とヤマトへの暴力を正当化しています。
これが軍人タイプの恐ろしいところであり、強い意思の塊である軍人タイプはよく言えば「勇気」、悪く言えば「無謀」ですし、しかも自分の思い通りにならないと結構折れやすいという側面もあるのです。
で、拓也と遼は原作の描写を見ればわかりますが根っこが太一と同じ「レベルを上げて物理で殴る」軍人タイプですが、太一と違ってグイグイ引っ張るカリスマ性がなく、内向的でもないので「純粋軍人」に分類されます。

あとはその中で拓也が最も精神面が脆いレベル1、伝説のテイマーこと秋山遼は最初から完成された完璧超人タイプなのでレベル3、アドコロ版初期の太一はまだ器が出来ていない段階なので外向軍人レベル2となりました。
だからか純粋学者タイプのタイチといまいち馬が合わず、拓也やアドコロ版太一は勝手に暴走しては敵にやられてタイチがその尻拭いをしており、遼とは単なるつまらない男の子同士の意地の張り合いで喧嘩しているだけです。
そりゃあ客演回として成立するわけもないですし、以前から方々でも言われていますがアニメ版の軍人太一とVテイマーの学者タイチでは夢の共演をしたとしても軍人太一が暴走して学者タイチに尻拭いさせる予感しかしません
実際に「ウォーゲーム」の時の太一と光子郎がそれであり、癇癪を起こして無茶しまくる太一の尻拭いを何度光子郎がさせられていたかを思うと、本当に光子郎の苦労がいたたまれません。

その点で言えば大輔との相性は客演回として完璧であり、最初のうちこそ大輔はタイチを「偽太一」なんて言っていましたが、奇跡のデジメンタルを手にしてからのツーカーぶりは最強でした。
同時に大輔自身もこの瞬間で一気に精神がレベル2から3に成長した感じがあって、正直な話大輔ってアニメの軍人太一よりもVテイマーの学者タイチの方が相性滅茶苦茶いいのでは?と今でも思います。
実は10年ほど前にデジモンの二次小説を書いたときに大輔とブイモンVテイマーの世界に出張してタイチとのコンビを組ませた作品を描いたのですが、これが無茶苦茶相性良くて描きやすかったんですよね。
そう考えると、「デコード」のリナも言動や行動だけを見ると「王様」タイプかと思いましたが、でも奥底を見ていくと好奇心旺盛なタイプなので意外と「純粋学者」なのかもしれません

リナちゃんに関しては作品ごとにキャラ像が安定していないので現在考察中ですが、でもタイチとゼロマルと同じアルフォースのテイマーなので奥底は似ているのだろうなと思います。

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