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介護者が病人を虐める図式について

うちには末期ガンの父がいます。
母を中心にして弟とわたしで介護しています。
妹はたまに買い物に行くのを手伝っています。

さて、この家族体制で一番の弱者は病人である父です。


1人でできることが少ないので、誰かにそっぽを向かれると困ることが多いのも事実です。
わたしと弟は泊りがけで介護をします。

一番楽なのは妹ですが、母は、妹が一番頑張っていると褒めそやします。
そして、わたしと弟の悪口を、
「本人がいないときに」話すのです。

すると不思議に連帯感が生まれるようですが、わたしはこれには非常に危機感を持っていました。
弟は関わりたくないので母の話を無視しても、
妹と母はさぞかし話が盛り上がっているだろうな、とすぐにわかるくらいになっていました。

このままだと家族が分裂するのです。


母と妹VSわたしと弟



こんなことを父が望んでいる筈もありません。

ガン患者特有の便や放屁のニオイは強烈なんですが、本人が好きでそうしているはずはなく、
本当にすまなそうな顔をしているにも関わらず、大きな声で大げさなゼスチャーを加えながら



「くさい!くさい!もう、お父さんがいると臭くて仕方がない!」  


ヒトはいくつになってもクサイと言われたら傷つくんです。
わたしはもう絶えられなくて母に言いました。

「ひそみ声で電話したり話をするのは、聞こえては困ることを話しているからでしょう?
そこにいない人の悪口を言っていると、回り回まわって本人の耳に入るの。
それを世間では「イジメ」って言うんだよ」

父を病院に入れれば問題は解決すると思うのですが、父は自分の病状を悟っているのか、
どうしても家にいたいと懇願します。

今まで母は自由自在に好きな場所へ行き、好きなだけお金を使ってきました。
宗教にも入れあげてきました。
それができなくなったので、ストレスがマックスになっているのだと思います。

これを読んでくださっている方々は、わたしが優しい孝行娘と思ってくださっているようですが、

わたしが優しく接するのは父だけです。

母が同じようになっても見向きもしないでしょう。
山上容疑者のように、母親の宗教で苦しい幼少期を過ごしたわたしには、その憎しみが未だに消えないのです。

既にわたし達家族は分裂していたのです。