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P.V.L.日記 父子入院27日目 温水

PVL(脳室周囲白質軟化症)から独歩をめざしリハビリ入院、
3歳児と父親が入院という名の合宿生活。
OTが10時15分から。PTが16時20分から。

5月28日(土)
朝からご満悦である。親しくさせてもらっている同じPVLの子どもを持つご家族から退院祝いにプラレールの贈り物。息子がサンダーバードと交換して、1週間前からお借りしていた成田エクスプレスを新車で頂いた。嬉しいよね。ありがとうございます。

するとこうなる。炎天下に公園に直行。フリースペースが閉鎖中だから仕方ない。お部屋で音も出せずずっと我慢の連続だったから今日くらいは許そう。ただ、汚れるから水洗いしてから病院に帰ろう。

するとこうなる。水洗いからの水遊びに「直行」である。服も装具もずぶ濡れである。あと20分後にはPTの時間だよ・・・。予想はしていたが大人には諦めるという解決策がある。ずっと我慢の連続だったから今日くらいは許そう。息子よ、存分に浴びろ。

OTでは輪投げを使って、足をくぐらせる動作で衣服の着脱の訓練。これなら家でもできる。PTでは「船底変形」した足を矯正するための訓練をいくつか教えてもらう。息子は、つま先だちの状態で緊張していてるので、足の裏の外側で歩いていて、足の指のあたりの前方に体重を乗せて上体を引っ張り上げることが苦手である。

週末を過ごせば長いリハビリ入院が終わる。

5月2日から入院したため今月の思い出は入院生活だけだ。それはそれで面白いものだが、家族の思い出も何か残したく、リハビリの後に近くの銭湯に出かけた。病院の周辺は昔ながらの長屋も数多く残っており銭湯も徒歩圏内に数軒ある。今日営業していた銭湯は病院から直線距離で200メートルと少し、約2分で着く「昌乃湯」。天井付近の男湯と女湯にまたがる中央位置に大きな神棚が祀ってあり、湯船は熱いのが1槽のみ。昭和中期に迷い込んだような銭湯である。お客も我々だけだ。お孫さんらしい姉弟が「番頭ごっこ」をしているのもまたいい。小さな番頭さんからおつりをもらった。


入院中のお風呂は40分交代制(掃除込み)。急かしてばかりだったので、息子もゆったりした広い銭湯に目を輝かせていた。おそらく、街の銭湯は生まれて初めての経験のはず。息子は、恐る恐るへりから手を入れているだけだったが、徐々に熱さに慣らしていくと湯船にもつかった。とはいえやはり熱かったのか、「これが一番きもちいい潜りたい」と言いながら、上がりの掛水を頭から何度もかぶっていた。最後に定番のお風呂上がりにラムネ。そういえば、2歳のときにビー玉を飲み込みんで翌日にお尻からでてきたっけな。(続く)


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