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P.V.L.日記 父子入院17〜19日目 自宅

PVL(脳室周囲白質軟化症)から独歩をめざしリハビリ入院、
3歳児と父親が入院という名の合宿生活。
17日から23日は妻と交代中。18日午前中にOTとPT。妻子一時帰宅。

5月18日(水)
病院の臨時対応策により月曜に交代したばかりの妻と息子が夕方に一時帰宅。17日ぶりに3人で食事する。

昨年も5月も入院中だったため、子どもの日は2年連続で病院の中だった。今年は想定外の一時帰宅により島根の義母から頂いた鎧兜を見せてあげることができた。病院ではネットプリントで印刷したものを貼っていたので実物を見せることができてよかったと思う。立派な兜。

連日のリハビリと施術のおかげで息子の足どりは軽い。柔軟性が増しているせいかよく動けている。自宅でもバランスボールを使ったリハビリをしてみた。



5月19日(木)
朝起きるとリバプールのサッカー選手、南野拓実がスタメンで同点ゴールを決めていた。息子が8ヶ月のときに新婚旅行で欧州に行き、当時オーストリア、ザルツブルクのチームにいた南野選手をアポなしで訪ねた。朝6時に起きウィーンから電車で2時間半をかけ移動し、吹雪の中でベビーカーを押して練習場に辿り着いた。サッカーの練習は午前中に終わってしまう。しかも雪。一か八かである。妻も私も必死であった。偶然の幸運により練習場で会うことが叶い、息子を抱っこして写真を撮ってもらった。あれから3年、この頃はまだ息子にPVLの症状が出るとは考えておらず、むしろ順調に育っていてもうすぐ歩くかもと期待さえしていた。南野選手の挑戦と活躍が少なからず我々家族のリハビリ生活の支えになっている。いつかまた家族で会いに行きたい。

今日は外出なし。体調を崩すとリハビリに戻れないので幼稚園にも行けず。21日の病院再合流まで3人とも自宅で過ごすことになった。リハビリの成果で息子の座る姿勢が随分よい。3人で寝る。

5月20日(金)

今日も自宅待機。2歳頃に読み聞かせていた絵本を発見。息子はひらがなを読めるようになったので、今度は自分で声にだして読んでいる。私は「脳性麻痺治療マニュアル」を読でいる。SDR手術やITBの項目を再読。思いを巡らせているうちに神戸大学医学部に社会人特別選抜枠があり理学療法学科でも募集している情報に行き着いた。息子も南野選手も頑張っているではないか。私も奮起して理学療法士になるのはどうだ。国家試験まで最短4年もかかるが自分が息子に施術できるなら短いものだ。やるしかない。

色々考え出すとつい現実味の薄いことを考えがちになるのは昔からで、20代の頃に転職が頓挫しそうになったとき「トライアスロンに挑戦する」ことを退職理由にして円満退社を図ろうとしたことがあった。もちろんトライアスロン経験などない。それどころか、10キロすら走ったことがなかったのにだ。その計画を上司にメールするとすぐさま精神状態を心配する返信が届いて思いとどまった。ありがとう上司。今回も意気揚々と妻に話すがあっさりした返答で我に返った。そりゃそうだ、考え直すのだ。仮に私が理学療法士になったとして、腕のいい理学療法士かどうかはまた別の問題である。私は正気に戻り仕事のオンラインミーティングに参加した。ありがとう恭子さん。

息子と妻は、明日からまた病院へ戻りリハビリ再開だ。私も23日から再びの父子入院である。(続く)


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