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不登校児の親歴7年の着地点

一昨日。
仕事中に小学校から電話。
着信に気付かず、折り返す。

担任の先生からお迎え要請。
「体調が悪いわけではないのですが、今日は色々あって、もう帰りたいとのことです。お迎えをお願いできますか?」
ふーん、なるほど…。
じゃあ、仕事は早退して迎えに行くか。
仕事も暇だし、有休もあるし、帰ってnote書きたいし。笑

「これからお迎えに行きます。」と電話を切る。

娘の小学校では「原則的には」早退は保護者のお迎えが必要だ。
しかし昨年度不登校&保健室登校だった娘は、私が学校と担任に掛け合って「好きな時に自分で帰れる」権利を手に入れていた。

お迎えに行くが、待っているはずの保健室には娘の姿が無い。
仲良しになった保健の先生に挨拶すると「児童会の当番活動に行ってます。」とのこと。

早退したいけど児童会の仕事はこなすのか!?
素晴らしいぞ、娘。

先生と雑談していると娘が戻ってきた。
「あれ?ママ!どうしたの?」
いや、お迎えに来たのですがね??
「え?別に、歩いて帰るつもりだったのに!!」

そこで保健の先生から事情説明。
「学年も担任も変わったから、去年みたいに好きなときに帰るようにするには、一度お母さんと先生で話をしてもらうほうが安心です。」
そりゃそーだ!!
娘がごちる。
「ママが来るぐらいなら学校にいたのに~」
そんな気軽な感じなのね~?
だったら。まあ、良かった。
今日は家でゆっくりしよっか。

帰宅し、娘が話しはじめる。
「キャンプの班、一回決まったのに、前のクラスばっかりで固まってるからって変えられちゃってさー。」
ああ、そうだったのかー。
良いメンバーだって喜んでたのに残念だったねぇ。

「それと、もう一個、あるんだけど」
ほうほう??
「でも、それは言えないヤツだから、言わない。」
なるほど。

小学校5年生は行事が目白押し。
通常の学校生活に加えて、児童会の当番活動、田んぼの学習(代掻きと田植え)、運動会、キャンプ。
10歳や11歳の子どもたちが、ぎゅっと詰まった行事の活動を、あれもこれも忙しくやっているんだもん。
たいしたもんだけど、疲れちゃうよね。
そして。
疲れた子どもたちの余裕のない気持ちから、トラブルも起きてしまう。

よね。

娘の「言えないヤツ」はトラブル系らしい。

「どうしても言えない」というので、言えないなら言えないでも良いよ。でも、言いたくなったら、いつでもどうぞ。と水を向けておく。

寝る前にもう一度私のところに来て、珍しくハグをせがむ娘。
ぎゅーっと、抱きしめると、ぽろぽろ涙を流す。
「言えないんだけどね。でも、行きたくない…。」

いいさ、いいさ。
言えないなら言わなくてもいい。
行きたくないなら行かなくても良い。
自分で考えて、自分で決めたら良いよ。

そう言って、涙を拭いて、もう一度、ぎゅーっとハグ。

「今日は一緒に寝ようか?」と声をかけるも「あ、それは大丈夫っす!」と塩対応。
まあ、そんだけ元気なら、いっか。笑

で、昨日の朝。
なかなか布団から出られない娘。

ああ、こりゃ、久々に来たな。
もう、歩いては学校に間に合わない時間だけれど、まだパジャマだし…。

長女に駅まで送って欲しいと頼まれていたので「お姉ちゃんを送ってくる。学校に行きたいなら送っていくから準備をしておいて?」と娘に声をかけ、一旦家をでる。

家に戻ると、娘の姿が見えない。
大きい声で名前を呼ぶと、パジャマのままコタツの中に潜っていた娘が顔を出した。

泣いていた。

「どうする?ってか、もうこの時間だから、私が仕事を休まない限り間に合わないけど、私に仕事、休んで欲しい?」
ぶんぶんと首を横に振る娘。
「申し訳ないけど、あと10分で家を出なければならないから、自分から話をして欲しい」とお願いする。

「行きたい理由と行きたくない理由があって」
うん、うん。
「今日は田植えがあるから、行かなきゃいけない。」
ふむふむ。
「でも、言えない方の理由で、学校には行きたくない~。泣」

え?ちょっとまって??

私「ねえねえ、今、行きたい理由、入ってなかったよ?」
娘「え?」
私「行かなきゃいけない理由と、行きたくない理由だけだった。」
娘「あ、ホントだ。」
私「あのね、本当に行きたいんだったら、いま、あなたはパジャマじゃないと思うの。だから、行きたくないんだよ、ホントは。」
娘「ああ、そうかー、ホントだー…。」

私「あのね、私が会社に行かなくても、会社は潰れない。あなたが田植えにいかなくても、誰かが田植えをする。社会ってそういうもんなんだよ。だから、行きたくないなら別に行かなくても良いと私は思うよ?」
娘「ってか、もう間に合わないね!笑」
私「そうそう。家にいて、家事を色々やってくれても良いんだよ~?笑」
娘「うーん、じゃあ、クッキー焼くね」
私「まあ、せっかくの休みだから、好きなコトして楽しんで。じゃ、私は仕事に行きます!」
娘「行ってらっしゃい!花に水、あげとくねー」

この間。
私の心。
全く、ぶれず。
不安もなく。
この対応。

我ながら、腹が据わってるなー。
と思いながら、数えてみた。

私。
母親歴21年。
そのうち、不登校の母親歴、のべ7年。
母業の、さんぶんのいち、不登校対応してるわ。
そりゃあ、腹も据わるってもんだ!笑


不登校って。
言葉の定義は「年間30日以上の欠席」だけど。

学校に行くとか行かないとか、そういうことじゃないって思う。
不登校っていうくくりなら「休学中」の息子だって未だに不登校枠だ。笑

子どもが。
「生きるのが楽しい」って思えていれば、それでいい。
学校に行っても行かなくても、生きるのが楽しければ、なんとでもなる。

親には、子どもを、学校に行かせる力は無い。
でも。
子どもが「生きるって楽しい」って思える環境は作れる。

それでいいの。

昨日は早退して。
今日は学校を休んで。

かわいいクッキーを焼いて。
アプリの自主学習を怖いぐらい数こなして。

帰宅した私を笑顔で迎えてくれた娘を見て。

私の対応は間違ってなかったな。
って答え合わせをした、ベテラン?不登校児の親、でした。

自分が親として間違っていないかどうか。
その答えは、いつも子どもの中にある。


そして今朝。
にっこり笑顔で機嫌良く起きてきた娘。
「今日は休む」

うんうん、自分で決めたなら、それでいいんだよ。

人生には色々ある。
休み休み、ぼちぼち、幸せに行こ。