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祖父の訃報を聞いた。
父親の違う妹の血の繋がってない祖父。
なんだか悲しい気持ちになった。
そしてあー不謹慎なんだなと自分を卑下したくなった。
人の死を使って感傷に浸っている気がした。
なんでかって?「なんだか」だからだった。
よくわからない。どうやって生きようかしか
僕には考えることができないから。

なんとなくけど鮮明に覚えてる。
何が入ってるかもよくわからない黒ずんだ
味のバランスが取れたすき焼きの味とか
何度飼っても逃げていくインコとか
祖母にとてつもなく嫌われていて早く死んでしまえと
言われていたらしい噂とか
酒に溺れて家をめちゃくちゃにした
父親の父親であるとか
なんでか冬にホットカーペットしかつけてくれなくて
寒いならジャンパー着なさいという変なところとか
何かと3ヶ月に一回は電話をかけてきて
元気しとるか?また遊びにおいでって
言ってくれるところとか
昔死んじゃったラッキーっていう犬とか
昔は愛煙家だったのかなと思わせる黄色い壁とか
家に染み付いてる加齢臭みたいな独特な香りとか
毎年多めにくれるお年玉とか
何も置いてない畳の寝室とテレビだけの5畳の部屋とか
あー酒は何飲んでたっけ夜はいつも顔を赤くして
何かをすごく熱心に話してたっけ
血も繋がってないけどなんだかすごく覚えてる。
管繋がれてギリギリで生きてるらしいっていう
の聞いても会いに行けなかったから
なんだかなんて言葉に逃げたんだとおもう。
わかっていてももう戻ってこないしな。

「死んだら何が残る?」
忘れることない記憶が残るんだと思う。
昨日何食べたかも思い出せなかったり
明日の予定すら忘れてしまうのに
何故かぼんやりけどくっきり覚えてる。
ある人はそれを傷と呼ぶしある人はエモいというし
ある人は呪いと呼ぶしある人は思い出という。
死んだらその人は何も残らない
燃やされて骨になって
埋めてあって残るといっても多分そのくらい
でも生きたという事実は消すことができない
祖母には可愛がってもらってた印象だけど
働いてた喫茶店に父親の新しい嫁と子供と3人で
来た時には気づいてたのに他人の顔されたしな
まあ葬式くらい呼んでくれたってよかったのにな
僕は冥福とかそういう言葉とか天国とか地獄とか
全く信じてないからかける言葉はないけど
感謝と皮肉5:5で今までありがとうございました
くらい言いたかったのにな

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