職務質問
大学1年生の時の出来事である。
部活帰りでお腹が空いていた僕は、家路に向かう途中にコンビニによった。
肉まんを片手にコンビニを出たその時、警察官2人組から声をかけられた。
「かばんの中を見せてもらってもいい?」
どうやらこの近くで、大学生の違法薬物所持の問題があり、その取り調べだという。
もちろんそんなものとは一切縁がないが、ひとつ問題があった。
僕は、思いっきりTENGAを所持していたのだ。
スタンダードな赤いタイプのものと、少し小さいエッグタイプが2つ。
授業のプリントと、菓子パンに挟まったそいつらは、今か今かと出番を待っていた。
当然悪いことではないのだが、堪らなく恥ずかしくなった僕は、明らかに動揺を隠せずにいた。
ちなみに警察官は男性1人と女性1人の2人組。
死のロシアンルーレットの開始だ。
「も、、もちろんです。どうぞ。」
サイドのポケットから、スパイク入れまで隈なく調べる警察官。
そして男性の警察官がついに、本丸へ侵入した。
そして何かを見つけるや否や、男性警察官の動きが一瞬止まった。そう、見つかったのだ。
女性警察官もなんとなく中身を確認しようとしたそのとき、彼がこう言った。
「うん。何もないね!ご協力いただきありがとうございました。」
「い、いえ、とんでもないです、、」
いそいでカバンを閉め、早足でその場を去った。
男性警察官がウィンクしているように見えたのは流石に気のせいかもしれない。
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