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私がガレキ美少女を泣かせた理由。〜無限切削編〜

▲こわれそうだけど、しなやか。美しいもの。

 ガレージキット。やわらかい樹脂の型枠に、やわらかい樹脂を流し込んで作るわけだから、プラモデルでは考えられないような形状のパーツが頻繁に登場する。素晴らしい。先鋭で繊細。これがガレージキットのメリットだというのか。

▲感動した。

 しかし、それが同時に最大のデメリットだと気づくのにそう時間は掛からなかった。

▲表面処理、まだ終わらんよ

 パーティングラインの処理はOK。プラモデルでもやるから。しかし、モデグラの特集でページの大半を割いていたから薄々勘付いてはいたのだけれど、型ズレによる段差処理、気泡埋め、整形不良による凹凸の掘り直しと再成形……こんなに時間がかかるとは!BGVとしてぼっちざろっくを全話と、TV版Zガンダムを1話から見直し始めて、カクリコンが死ぬとこまで見てしまった。アメリアーーーー!!!!

 お陰でプラモ用にいつか使うだろうと思って買っておいたけれども3年ぐらい全く使わなかった工具群がメチャクチャ役に立った。上の写真は、コレがなかったら無理だったなという切削用工具で、特にゴッドハンドとWAVEの各種ヤスリ、彫刻刀、シタデルのモールドリムーバー、タミヤのイージーサンディングは大変役に立った。あと、次にガレキを作るときは絶対にアルゴファイルのアルティマ7を手に入れて左手を切り落としサイコガンの様に移植することを心に誓った。

▲でもね、この大理石の彫像のように滑らかな鼠蹊部の造形を見たら苦労は全て忘れちゃった。

 そして、ここで事件が発生した。ほぼ同価格帯でPVC完成品フィギュアの販売が決まったという衝撃のニュースが目に入ったのだ。

 ほぼ同価格で!?暴力は良く無い。昨今の高価格帯PVCフィギュアはお値段以上にクオリティが高く、モデグラ2021年2月号では「完成品フィギュアを手本にしてプラモやガレキに取り入れよう」といったエポックな特集が組まれるほど。私がガレキを同じように作ったところで、熟練工が寄ってたかって効率的に生産するPVC完成品より上手く作れる訳がない。訳がない……。

 しかし、せっかく買ったガレキである。無垢であり、何色にも染まるガレージキットの特性を最大限活かすべく、オリジナルカラーで、更にプラスアルファを取り入れて完成させることを決意した。私はモデラーだから。

そして事件は起こった。

つづく。


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