私がガレキ美少女を泣かせた理由。〜発動篇〜
模型の制作は、塗装の工程が一番楽しい。色がつくことで、ただの美麗な彫刻だったものが、肉にも鉄にも布にも変身するから。単色の彫刻はどこか高次元の存在のようなもので、それを塗装することで現実世界のありきたりなものに貶めている感覚が個人的にあって、それがたまらない。現実的な物体に偽装すること。リアルな表現をすること。塗装、それは破壊なのだ。
さて、肌のグラデーションが上手く行った。ラスキウスのホワイトピーチを全体に吹いてから、クリアーペールレッドを「肉が圧迫を受けている」部分周辺に吹いてみた。スーツがキツそうだったから。次にホワイトピーチで色を戻すというかボカして、最後にスーパースムースクリアーつや消しでコートして完了。理想的なスベスベモチモチ肌になった。見て欲しい。
上の3枚の写真は、今回のガレージキット制作のゴールのひとつと言ってもいい。ガレージキットである証明となる最期の輝きを捉えた写真だから。
その時、イデが発動した──。
首周りにちょっとした塗り残しがあり、マスキングをしたらコレです。ああ。よりによって顔パーツだけ下地処理を忘れていたのだ。レジンキャストはプラモデルとは違って溶剤が食いつかないから、下地を荒くするか、強力なプライマーを塗らないと塗膜がすぐに剥がれてしまう。
実は、3つ付属していた瞳のデカールはなんやかんやあってコレが最期。経験上、この状態で上塗りをかけても失敗しかない。こうなったら下地処理までやり直し、自力でアイペイントをやるしかない。やったことないけど。しかし去年、美少女研究の為にウマ娘(アドマイヤベガ)をひたすら模写していた時期があったから多分大丈夫、という謎の自信を抱えて、エナメル塗料を買い出しに模型屋に向かったのだった。
そして次回、完成編。
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