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ひょうたんじま’21 9月(三陸地おこの活動報告)

 地おことして大槌町に戻ってから半年になる月でしたね。
 各地おこメンバーの活動を見ると、それぞれにミッションを抱え、その実現に向け試行錯誤しながら着実に実績を積んでいる印象を受けます。なんとも頼もしく感じます。人のことばかり感心していないで自分も積み上げていかないとですね。
 今月は業務でも個人的小さなことをちょこちょこやっていました。

1.今月の主な業務 

◎観光SPOT(歴史コンテンツ)関係
 ・寺社仏閣取材 見生山大念寺
◎海と観光を考える会
◎ふるさと納税関係
 ・お墓掃除代行サービス商品化に向けてのキックオフ会開催
 ・ふるさとチョイス関係作業
◎おおちゃん地元応援券
 ・かってに自称推進隊を名乗りFBに連投する

2.寺社仏閣取材 見生山大念寺

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日生山大念寺山門

 歴史観光スポットのHP掲載の作業を少しずつ進めているところですが、先日協会HPについて打合せがあり、新しい画面構成が決まったので、10月中には第一弾を掲載できるかなというところまで来ています。
 その掲載のための作業の一つとして、実際に神社やお寺の関係者にお話しを聞いているのですが、9月は、見生山大念寺の住職にお話をお伺いすることが出来ました。
 見生山大念寺は、現在の大槌町役場のすぐ後ろの山間にあり、東日本大震災後には多くの被災者の避難場所として、また、亡くなられた遺骨の一時安置場所にもなりました。取材した日はお彼岸の前で、お墓周りの草木を業者さんがきれいに剪定していました。お彼岸時には早い人で朝4時過ぎからお墓参りに来る人もいるそうで、住職も玄関近くに置いたソファーで寝て待機していることもあるそうです。

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阿弥陀三尊・法然上人像・善導大師像を祀る本堂

 大念寺には、私が4月に活動を始めすぐに関わった仏像展覧会において、貴重な仏像(善導大師像、法然上人像)を借用いただきました。前川善兵衛に関わる文化財が多く残る寺社で、ほかにもゆかりの品があります。

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法然上人像と善導大師像(江戸仏師 安岡良運作)

 また、境内には観音堂があります。これは無量山観音といい、元々は元城内の山腹観音平に鎮座していました。小鎚神社にある観音神輿は、この無量山観音の神輿になります。明治の神仏分離令により、神輿は小鎚神社に移管されました。観音堂には町指定文化財の十一面観音像が祀られています。この日、住職の計らいで特別に拝見させていただくことが出来ました。境内の軒下で休憩していた業者の方々(町民)も一緒に拝見したのですが、拝見するのは初めての方、存在自体知らなかった方もいました。大槌の現実を改めて感じました。

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観音堂の十一面観音像(大槌町指定重要文化財)

 この大念寺にも御朱印があります。そこには“第二十九番”の印もあるのですが、これは三陸三十三ケ所観音霊場の第二十九番目の霊場を意味しているのですが、元々観光などの商業目的の要素を含んで開創されたルートだったので、住職もそのルート束ねる組織に疑問を感じ、現在はその組織から抜けているそうです。ですので、本来はもう二十九番目の霊場ではないそうですが、事情を知らない参拝者が御朱印を求めてくるため、出しているそうです。

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大念寺の御朱印

3.県博日曜講座(岩手県立博物館)

 現在、大槌町役場には文化財に関する専門学芸員はいません。また、生涯学習課には文化財関係を熟知した職員はいません。震災復興による優先度による弊害なのか、それとも大槌町民のマインドか。どこの自治体にも文化財関係の部署があり、学芸員でなくても、専門に対応する職員がいると思っていたわたし。自分も歴史には疎い人で、自身のふるさとについても、普段は全く触れる事がありません。それでも、必要な時に、地元の歴史を知る事が出来るのは、誰かしらがその歴史をまとめ残してくれているからです。今、大槌町は復興という今と未来を一番に見ているからなのか、震災を除いて、歴史という過去を置いていこうとしているようにも思えてしまいます。

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 実は今、そんな大槌町出身の学芸員が、岩手県立博物館に在職しています。その学芸員が博物館の定期講座である県博日曜講座で、前川善兵衛について講議をすると、今、大槌で独自に前川善兵衛について研修してる"ぐるっとおおつち"の皆さんからお誘いがあり行ってきました。
 講師の学芸員は、30代前半くらいの若い方でした。前川善兵衛については、独自で調べた情報からの説明と考察でした。驚いたのは(というかやっぱりという感じですが)、その講師(学芸員)が前川善兵衛を初めて知ったのが、小学校6年生の時に担任の先生からという話。自虐ネタの一つで言っていたのでどこまで本当かはわかりませんが、それまではレストラン吉里吉里善兵衛の名前だと思っていたという・・・
 さて、実際の講座の内容自体は、ぐるっとおおつちメンバーのこれまでの情報収集力に敵うことはなく、周知の部分が多かったので新たな発見は少なかったのですが、自分として一番うれしかったのは、大槌出身の若い学芸員が県の博物館にいて、なおかつ、前川善兵衛について自己研究していることです。これは、大槌町にとっても大切な人財になるのではと思っています。
 ですので、これを機に大槌町とも関係を持って、研究を一緒に進めていけたらいいのになぁと思っていたのですが・・・
 講演後の質問タイムで事は起こりました。まだ、若い講師。前川善兵衛像の考察について、ネガティブな方向からの視点で発言していました。自分もまだまだの浅い知識ながら、考察が一方方向からになってしまっているとは感じていたのですが・・・
 質問タイムでぐるっとのメンバーが発言開始。講師より詳しい知識を話される方、講師の考察に異議を唱える方、講師が知らない人間関係の部分まで触れだす方。本人固まってしまっています。皆さん伝えたいことを話されたと思いますが、発言の仕方は穏やかでも、外から見れば講師をフルボッコしてしまった印象は否めません。
 これから、大いに活躍してもらえる若い人財を・・・自分は目をつむり心の中で嘆いてしまいました。
 メンバーの皆さん的にはそんな感覚はないようで、今後行っていく予定の前川善兵衛についての談義集会へ、講師の参加を依頼するとのことのようですが、果たして参加してくれるのでしょうか。
 講師に名刺は渡しましたが向こうからの名刺をいただかなかったので、翌日、博物館の問い合わせメールを利用して、講座時のことや大槌の現状、今後の協力についてのメールを送ったのですが、今のところ返信はいただけていません・・・

4.海と観光を考える会

 大槌町の2大海岸の浪板海岸、吉里吉里海岸とフィッシャリーナの活用について、その周辺の商業施設、宿泊施設を含めたエリア活用法について考える会議。
 自分はオブザーバー的に参加させていただいています。
 会議の中で、この2つの海岸に対する思いをそれぞれの参加者が話したのですが、同じ場所でもその人それぞれの思いや考えがあることがわかりました。その様々な考えの中でも、共通して言えることは、この素敵な海岸で、楽しい思い出をたくさん作り、未来へ残していきたいという思いなのかなと感じています。
 まだ、理念、ビジョンについて議論している段階なので、今後どうなっていくのか。素敵な活用法が見いだせるよう、自分も考えながら参加していきたいと思います。

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浪板海岸からの中秋の名月

5.ふるさと納税返礼品 商品化ミッション

 大槌での私のミッションの一つに、ふるさと納税があります。
 大槌町のふるさと納税は現在、ふるさとチョイスを利用し、その運営を観光交流協会が請け負っています。大槌町でやりたかったことの一つに、まちの特産品を全国に広めていきたいという思いもあったので、ふるさと納税に関われることは願ってもいないことでした。
 ふるさと納税の出品受注等全般の管理は観光交流協会の職員が一手に引き受けてくれています。その中で自分が出来ることとして、今、HPの出品サイトを充実させるためのチェック、SNS(主にFB、Twitter)への旬やお得な商品情報の発信、知り合いや関係者へのお得商品情報の紹介などを行っています。
 9月にはチャレンジ応援品として国の補助を受けた商品を2点出したところ、かなりの寄付をいただけました。個人的にも親戚知り合い筋に紹介し、何件かで寄付いただくことができました。全体の寄付額からすれば微々たるものですが、情報が本人の元へ届けさえすれば、寄付につながる感触を得たので、いかに多くの方へ情報を届けられるか、試行錯誤していきたいと思います。

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス!大槌」

 そのような中で、実際に出品する商品化へのミッションが来ました。もうすでに全国の多くの自治体で商品としてサービス提供されている、お墓掃除の代行業務の商品化です。少子高齢化が進む日本で、大槌町も同じように人口減少と併せ問題となっているわけですが、誰しも一生を終えた後を過ごすであろう居場所の維持管理も問題になるわけです。
 大槌でもたくさんのお墓があるわけですが、町外に移住された世帯でも、お盆、お彼岸、3月11日、そして大槌まつり、吉里吉里まつりには大槌町に戻ってきて、お墓参りも一緒に行う。そんなルーティーンで維持管理されてきたと思います。しかし、コロナ禍においては帰郷もままならない状態になり、当然お墓参りにも来られない状態になっています。
 そんな背景も考慮に入れて、大槌町もお墓掃除代行を商品化し、ふるさと納税に出品することになりました。しかしながら、大槌町ではシルバ―や石材店をはじめ、大槌コミュニティステーション、そして、吉里吉里地区では独自のサポート団体を立ち上げ実施している状況のため、実際にサービス提供している各事業者にお声がけし、ご賛同いただいた事業者様と、ふるさと納税の受注ピークになる12月出品に向けて協議を進めています。
 このほかにも、空き家や空き地の管理、みまもりサービスなど、地域の実情を踏まえたサービスも商品化敷ければと考えていきます。

6.自称おおちゃん地元応援券推進隊

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 観光交流協会でコロナ禍の食堂・タクシー支援の一つとして販売している「おおちゃん応援券」。1セット5,000円で7,500円分(500円券×15枚)の利用が可能。50%の還元率にも関わらず、通常の買い物に使用できないということで、いまいち販売数が伸びないため、販売期限を9月30日まで延長ということになり、日頃からヘビーユーザーの自分が勝手に推進隊を名乗り、地域おこし協力隊のFacebook(FB)に食べた食事を投稿し始めました。

Facebook 大槌町地域おこし協力隊

 地おこのFBは基本週一以上で更新することをお願いされています(自分はそう聞いている)ので、各隊員週に1~2回位の更新をしているのですが、自分が連日更新をし始めると、1週間後には地おこのFBが食べ物だらけになるという・・・なんともシュールなFBになっていきました。
 そこに緊急事態宣言がまた延長するという情報が入り、おおちゃん地元応援券も11月30日まで延長することに。ん、あと2か月これを続けるのか・・・
 実際のFB投稿の効果もわからないので、一度投稿上に食堂や券の利用についてコメントを求めたところ、なんとか1名いただけたので、文句が出るか、券が売り切れるまでは継続していこうと思います。
 ちなみに、確かに応援券はお得ですが、毎日同じメニューはと思い、各店舗いろんなメニューを食べさせていただいているので、自分の生活レベルのランチを超えるときもあります。ですので、当然、生活費に占める食事のエンジェル係数(これわかる人いるかなぁ)は上がっています。なのでその分、夜を抑えるようにしています。
 でも、この機会に大槌町の食堂のいろんな味にあえてとても楽しいです。一つ言えることは、それぞれ人の好みもありますが、大槌町の食堂はどこもおいしいと思います。自分の地元には、これはちょっと・・・というお店が実際ありましたから・・・
 ですので、大槌の皆さん、地元食堂メシをもっと愛してあげてください。

7.地元の味(ソウルフード)

 このことを書こうと思ったのは、シーサイドタウンマスト内元気村で大槌の復興従事者のお腹を満たしてきた食堂の一つ「三陸味処千勝」さんが9月30日を以って閉店したことにあります。
 2015年に復興支援の応援職員としてやってきた私は、利用数は多くないにしろ、千勝さんでも食事をいただいていました。初めて食べたカキフライ。地元では見たことのない大きなカキフライに興奮したのを覚えています(町民の方には当たり前かもしれませんが)。
 その千勝さんの看板メニューの一つが「鶏唐揚げネギソース掛定食」。油を切ってカラッとした唐揚げに炒めたたまねぎのようにきつね色したネギソースは、唐揚げに良く染みわたり、唯一無二の味わいを引き出してくれました。これは、他にはない、大槌、ここにしかない味だと思いました。その味が9月30日を以って失われました。

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残したい味「鶏唐揚げネギソース掛け」

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千勝の味「鶏唐揚げネギソース掛定食」

 皆さんは、ふるさとの味、地元の味、その店の味と聞かれて何を思い浮かべますか?
 私の地元、静岡県富士宮市。富士宮やきそばの名前は、もはやどの方でも一度は聞いたことはあるのではないでしょうか。その後、焼きそばだけでも、横手やきそば、浪江やきそばなど、B1グランプリの影響もあり、一気にご当地グルメが増えていきました。
 これらご当地グルメは、その町や地域全体に広く知られているものですが、この他にもその地域の一部の人の間で知られている人気メニュー、この店に行ったらまずはこのメニュー。そこでしか食べられない味があると思います。そう、唯一無二の味で、地元の知る人ぞ知る味も「ソウルフード」だと思っています。
 長くなりましたが、千勝さんの「鶏唐揚げネギソース掛定食」は、まさにこれだと思っています。町内のどの食堂にもそんな逸品があると思います。
 実は、そう思ったのには自分が残念に思っている故郷の食堂メシがあるからです。
 その店のなまえは「まるきゅう」。夫婦二人で切り盛りする小さな食堂です。ここの看板メニューが「肉炒めライス」。

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今はなき、まるきゅうの「肉炒めライス」

 一人用のアツアツのフライパンにじゅうじゅうと音を立てながら豚バラと青ネギの油ギトギトの肉炒めが乗っかり、大盛りのライスとみそ汁と店で付けた漬物をセットにした定食。自分自身、頻繁に行くことはないが、毎年実施される清掃運動の昼には必ず行く店として、知る人ぞ知るお店でした。肉炒めの味も唯一無二のその店にしかない味。油ギトギトなので、フライパンの下の三点台を反対にし、その足にフライパンを立てかけ斜めにし、油を下に寄せながら食べるという方法を見出されました。それでも脂っぽいのですが、それをライスと一緒にかき込むと幸せがあふれ、みそ汁、そして漬物がその脂っぽさを絶妙に消してくれるなんともよくできた定食でした。

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油ギトギト、でもうまい「肉炒め」

 その食堂が数年前になくなりました。継いでいく人もいません。そう、もう「肉炒めライス」は食べることができません。なくなってしまったのです。
 役所の男連中が年に一度は食べていたあの味にもう会えることがない。これもソウルフードと言っていいのではないでしょうか。
 そして「鶏唐揚げネギソース掛定食」も大槌のソウルフードと言っていいのではないでしょうか。
 だから、その味を何とか残したいと勝手に考えています。実は、千勝さんにも失礼ながらその話しをしました。最初は、何を勝手なことをと言われてしまうかと思いましたが、意外にも、実現できるならというお言葉をいただきました。
 観光交流協会でも、町内食堂の一品の商品化計画なるものを検討はしているものの、いろいろハードルがあり、そこで止まっているのが現状ですが、個人として、何とかあのネギソースを大槌の味、千勝の味として残したいと考えています(勝手に思っています)。
 個人でやるには、無知な私にはあまりにもハードルが高いのは解っています。ですので、この思いに共感する方で、良い方法を知っている方、ぜひご協力をお待ちしています。

8.個人的に⤴な出来事

 ドナドナとお別れしたはずのマイカーレガオ君ですが・・・

 なんと、復活して戻ってきました。

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 当初は、ほんとにさよならの予定でした。
 しかし、希望通りの代わりの車がなかなか見つからない中、根本原因のエンジンの代替えが安く見つかるという幸運があり、実際に見積もった所、安い乗りつぶし車両を買う費用と大して変わらないため、修理をすることになりました。
 細かい部品は元のエンジン部品を使い、いわば心臓移植して蘇ったという感じです。

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 元のエンジン(今までありがとう…)

 久しぶりの乗る愛車はリニューアルした心臓が気持ちよく鼓動します。シードや足回りのヘタレ、メーター周りやオーディオ機器の不具合等所々ありますが、いたわりながらもう少し一緒に走ってい行きたいと思います。

9.私の好きな大槌町(蓬莱島(ひょうたん島))

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島のそばの防波堤上から見た蓬莱島

 大槌町のシンボルともいえる蓬莱島(ひょうたん島)。実際にひょうたんに見えるのは、ある一定の角度からなのですが、長い防波堤を渡って沖にある島に上陸できるというのは、何か子供心をくすぐるというのか、ひょっこりひょうたん島や弁天神社、過去津波に何度ものまれながらもシンボルとしてあり続ける姿に、浪漫すら感じてしまいます。

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島に咲いた”はまぎく”

 そんな魅力ある蓬莱島に、9月下旬から10月にかけて ”はまぎく” が咲き乱れます。津波にすっぽりのまれた島。海水ではまぎくも枯れてしまうのではと思っていましたが、現在では島を囲むように花を咲かせています。
 宇宙まで行ったという大槌のはまぎくの種と同じくらい貴重なはまぎくなのではと勝手に思っています。

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