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ウィーンの歴史と芸術を一石二鳥で楽しめるウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ

ミュージアムの街ウィーン。美術館や博物館が数多くあり、美術や歴史を楽しむためにウィーンを何度も訪れる人も多くいます。

今日は、そんなウィーンの歴史にどっぷり浸かれ、クリムトやシーレの絵まで所蔵している、ウィーンのための、ウィーンによる博物館「ウィーン・ミュージアム・カールスプラッツ」(元ウィーン歴史博物館)をご紹介します。

この博物館は、カールス広場の一角にあり、とっても便利な立地。内容もウィーン好き、歴史好き、芸術好きにはたまらない数々の所蔵品がある割にあまり知られていません。

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博物館の外観はシンプルです。

この博物館は通常、1階と2階の一部は、ウィーンに関する臨時展に使われます。クリムト生誕100周年のデッサン画展や、リンク大通り開通100周年記念の古地図や模型を展示したものなど、臨時展も興味深いラインナップで、住民でも何度も足を運びたくなります。

常設展は2階の半分、3階全体と、1階のカフェの奥の小部屋で、主にウィーンの歴史や、ウィーンに生きた著名人の生活、ウィーンにある歴史的建造物のオリジナルの彫刻などが展示されています。

2階の常設展には、中世からハプスブルク時代の展示です。中世の騎士の甲冑や武器の他、教科書でよく見かけるマリア・テレジア皇后の肖像画なども展示されています。また、建築家アドルフ・ロースの居間が、当時の家具と共に再現されています。

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3階の常設展の一番の見どころは、クリムトとシーレの絵画。クリムトの愛人エミリー・フレーゲの肖像画、「パラス・アテネ」、「愛」の三作と、エゴン・シーレの作品も2点展示してあり、世紀末芸術にとっては重要な一部屋です。

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右側の壁には三枚のクリムトの絵画

また、この階にはウィーン旧市街の巨大な模型や古地図の展示もあり、ウィーンの過去と現在を並べて、歴史に思いを馳せることができます。

また、別の部屋には、皇帝フランツ・ヨーゼフの暗殺未遂を絵画にしたものなどもあり、ウィーンやハプスブルク家の歴史を身近に感じることができます。

そして、この博物館で最も見逃せないのが、1階の奥の小部屋にある、シュテファン大聖堂のオリジナルの像やステンドグラス。14世紀に作られたこのシュテファン大聖堂の装飾品は、19世紀の大改修でほとんどがレプリカに置き換えられ、オリジナルはこの博物館に所蔵されています。

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オリジナルのシュテファン大聖堂の彫像群

このステンドグラス、過去のハプスブルク家の王や聖人の姿がかたどられ、間近で見るとその細かさに驚きます。現在のシュテファン大聖堂のステンドグラスは、あまり印象に残らないものとなってしまっていますが、在りし日の姿はもっとカラフルだったんですね。

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取り外されてしまったオリジナルのステンドグラス。オーストリアの歴代の王が象られています。

最後に、ミュージアムショップの是非覗いてみてください。ウィーンの観光名所を模ったペーパークラフト、オーストリア料理のレシピ本、子供向けにウィーンを紹介した本など、手軽でかわいいお土産が沢山売っています。ぜひお買い物にどうぞ!

(2015年8月執筆)

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