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オーストリア/触って学べる!ウィーン産業技術博物館

数え切れないほどの博物館があるウィーンですが、その中でも特に家族連れに人気なのが、この産業技術博物館(Technisches Museum Wien)です。実物の機関車やプロペラ飛行機、鉱山まであって、一度ではとても見切ることのできない濃い内容です。家族連れは年間パスを買って、天気の悪い日はここで一日過ごすことも多いようです。

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一見お城のようにも見えるクラシックで豪華な建物は、1987年のウィーン万博を受けて、1909年に皇帝フランツヨーゼフの在位60周年を記念して建造されました。建築には、オットー・ワーグナーやアドルフ・ロースなどの歴史的建築かもコンクールに応募した、大規模なものでした。

ウィーンでは最初に作られた鉄筋コンクリートの建造物の一つで(最初の鉄筋コンクリートの建物であるオットー・ワーグナー建築の郵便貯金局は1904年に完成しています)、当時は最新技術であって電気も既に導入されていました。

内部は交通、エネルギー、楽器、重工業、自然、日常のテクノロジーなどのテーマに別れ、合計4つの階に渡っています。

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まず、入り口の階段を上ると、吹き抜けになっている2階部分には巨大な機関車や路面電車が出迎えてくれます。上を見上げれば、ガラスの天井にはプロペラ機やヘリコプターが飛んでいて、テクノロジーの歴史に一気にタイムトリップさせてくれます。

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展示は触れて学ぶことを目的に作られていて、ほとんどの展示品を実際に触って、動きを確かめたり、仕組みを試してみたりできるようになっています。

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ディーゼル列車の操縦席に実際に座ってエンジンをかけてみたり、自転車発電をしてみたり、セイリングの帆がどうやってボートを進めるのかを、実際に風を使って学んだり、大人でも新鮮な学びの機会が沢山あります。

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実際に操縦体験ができるディーゼル列車

建物の地下では鉱山が再現され、一日一回のガイドツアーで内部を訪れることもできます。実際に100年前の鉱山がどのように機能していたのかを体験することができ、家族連れにも人気です。

建物の3階部分には、子供用のプレイルームもあり、中には実際使われていた古い消防車がそのまま置かれています。実際に運転席に乗ってハンドルを握ることもでき、乗り物好きのお子さんは大興奮かもしれません。

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子供が自由に乗って遊べる、実物の消防車

オーストリアの歴史好きには見逃せないのが、皇妃エリザベートの専用客車。旅行好きだったエリザベートは、専用にしつらえて客車で、ヨーロッパ中を旅していました。その歴史的な客車が展示してあり、中も覗くことができます。

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外見は目立たないよう、普通の列車と変わらないように作られていますが、内部は豪華なホテルのような内装で、一両にベッドルームとソファールーム、トイレが備え付けられています。こんな客室だったら、長時間の列車の旅もゆったりと楽しめたことでしょう。

一度で全てを見て回るにはとても足りない、とても内容が濃く充実した博物館です。住民の方は是非年間パスで、旅行者の方はゆっくりと時間を取って、オーストリアのテクノロジーの歴史を楽しんでくださいね。

(2013年5月執筆)

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