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オーストリア/ウィーンの森に佇むエリザベート皇后の礼拝堂

オーストリア人は山歩きが大好き。特にウィーンの西から南にかけて広がるウィーンの森は、ウィーン人が手軽に散策やハイキングを楽しめる便利な山や散歩道があり、市民の憩いの場となっています。

特に、ワインの名産地で小高い山になっている、カーレンベルク、レオポルズベルク周辺は、天気のよい週末になれば家族連れや老夫婦など、老若男女こぞってきれいな空気と景色を楽しみにやってきます。

今日は、そんなウィーンの森の隠れた見所の一つで、ハプスブルク帝国の皇后エリザベートにちなんだ、「シシィの礼拝堂」(Sisi-Kapelle、シシィカペレ)をご紹介します。

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森の中にひっそり建っている「シシィの礼拝堂」

この礼拝堂は、1856年にエリザベート皇后(愛称はシシィ)と皇帝フランツヨーゼフの結婚を記念して、Freiherr von Sothenによって建造されました。

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元々建造者とその妻の個人的な埋葬の地として建てられたこのチャペルは、市民の憩いの場となります。

その後戦争によって荒れ果てた姿となりますが、2005年に改装が終わり、現在は、「シシィの礼拝堂」の名にふさわしく、優美なネオゴシック様式の姿が再現されています。

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こちらが礼拝堂正面。小さいですが、とても優美なファサードです。

この礼拝堂があるのは、ウィーンの森でも人気のスポット、Am Himmel(直訳すると「天上の地」)から少し散策したところです。この辺りには、芝生が広がっていて、ハイキングコースもあり、ウィーンが一望できるとても気持ちのいいところです。

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「天上の地」Am Himmelから見下ろしたウィーンの景色。その名の通り、空の上から見下ろしたような気分になれます。

カフェレストランもあり、天気のいい週末には家族連れやカップルがのんびり過ごします。ワイン祭りやカボチャ祭りなど、季節ごとに森の広場でお祭りがあったり、風が強い日には凧揚げを楽しむこともでき、手軽に自然に触れ合いたい時にはピッタリの場所です。

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Am Himmelのカフェレストラン「オクタゴン」。モダンな建物ですが、散策の休憩がてら入るとほっとします。

また、この辺りにはケルトの伝統によって、一年を木で表した「命の木の環」Lebensbaumkreisを模った広場があります。星占いを樹木でするような感覚の占いのようです。自分の誕生日の木を探すのも楽しいものです。

ウィーン周辺には、このように隠れた皇后エリザベート所縁の地が他にも沢山あります。ウィーン市内観光だけでなく、長期滞在される方は、この辺りまで足を延ばして、景色を楽しみつつ、ウィーン人風にのんびり週末を過ごされてみてはいかがでしょうか?

(2014年2月執筆)

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