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鉄道ファン必見!ウィーンの市電の歴史に触れる、ウィーン交通博物館

ウィーンとその周辺には、3つの鉄道関係の博物館があります。その中でも今回は、市電とウイーンの交通に焦点を絞った「ウィーン交通博物館」をご紹介します。

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ウィーン交通博物館Remise。この日はマーケットが立っていました。

2014年に新装開店し、市電博物館から交通博物館Verkersmuseumへと名前が変わったこの博物館。一つの都市の市電をテーマにした博物館としては世界最大です。

以前市電の車庫として使われていたレンガ造りの建物が、線路もそのまま博物館として使われているため、鉄道車庫を意味するRemiseのニックネームとともにウィーン人に愛されています。

ウィーン交通局の公式博物館ですので、展示は圧巻です。旧車庫のレンガづくりの建物の中には、トラムを始め、バス、地下鉄、工事車両等、100台以上のウィーンの交通機関が並べられています。


トラムの展示。レトロな車体がかわいいですね。

最も古いものは1868年に作られ、馬車のように二頭の馬に引かれていた「馬車トラム」、その次に古いものは蒸気で動く「蒸気機関トラム」と、ハプスブルク家時代からウィーンの街の人達を見守ってきた車体ばかり。

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ハプスブルク時代に、実際の馬車に引かれて線路の上を走っていた、馬車トラム。

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蒸気をもくもくと吹き出して走っていた「蒸気機関トラム」

更に驚くことには、この博物館内の車両は、実際に動かすことができるのです。以前の記事「トラム53台の歴史を遡る!ウィーン市電150周年パレード」 でご紹介したとおり、昨年の記念パレードで、実際に運転してウィーンのリンク大通りを回りました。

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古いバスの車体。

またこの博物館では、車体の展示だけではなく、交通機関の発展の歴史をインタラクティブに学ぶことができます。直流と交流の違い、市電の高低差や構造など、科学博物館のような要素もあります。

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実際に触ることのできる市電のギア

奥の方には、ウィーンの地下鉄を実際に運転できるシミュレーターもあります。ウィーンを地下鉄の運転手の視点から楽しめる機会はここだけ!

また、帰る前には、入り口建物の中にある、ウィーン交通局オフィシャルショップを覗いてみてください。ここでしか買えない、ウィーン好き、鉄道ファン必見の珍しいグッズが並んでいます。

レゴでできた市電やバス、優先座席のサインをデザインしたTシャツ、ウィーンの街を交通機関で移動するボードゲームなど、ウィーンに思い入れのある人なら欲しくなってしまう商品が盛りだくさんです。

ハプスブルク家時代の馬車や蒸気で動くトラムから、20世紀のレトロな車体、現代のバリアフリーとエコ最前線の車体まで、交通と技術の歴史を振り返ることのできる、貴重な博物館です。鉄道ファンや、ウィーンの歴史を交通を通して振り返ってみたい方は、ぜひ訪れてみてください。

(2016年2月執筆)


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