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ウィンナーワルツとシャンパンで楽しむウィーンの大晦日とお正月

今回は、ウィーンでの大晦日からお正月の過ごし方をご紹介します。

こちらに住んでいると、お正月とクリスマスが逆になったような気がすることがあります。オーストリアのクリスマスは日本のお正月と似ていて、家族で静かに過ごす日という位置づけです。一方、オーストリアのお正月と日本のクリスマスも、外出して友人や恋人と過ごす日という意味では似ています。

大晦日はオーストリアではシルヴェスター(Sylvester、聖シルヴェスターの日)といい、日本の静かな大晦日と違い、こちらはシャンパン片手に老若男女が街に繰り出します。ウィーンの旧市街は大きなパーティー会場と化し、皆思い思いに花火や爆竹を鳴らしたり、音楽に合わせてウィンナーワルツを踊ったりします。

それでは、ウィーン人になりきったつもりで、大晦日に街に繰り出してみる前に、必要アイテムをゲットしてみましょう。

まずは新年のラッキーアイテム。オーストリアでは、ブタ、てんとう虫、煙突掃除人、赤い帽子のキノコ、四葉のクローバー、コイン、馬蹄などが新年の定番のラッキーアイテムで、この時期屋台などでどこでも購入することができます。(一度ベルリンで新年を迎えたときは、どのラッキーアイテムも見かけなかったので、ドイツ語圏どこでも共通というわけではなさそうです)

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新年のラッキーアイテム。たくさん買って、一緒にカウントダウンをした友達にあげるとハッピーを配ったことになり、喜ばれます。

次に、シャンパンと紙コップを手に入れて、暖かく着込んで、さあ、街に繰り出しましょう!

旧市街でのお祭りは「大晦日の道行き」(Sylversterpfad)と呼ばれ、街中至る所に野外ステージが設置されます。それぞれのステージにはクラシック、ロック、キッズなどテーマがあり、街中がこの「道行き」を訪れる人達で賑わい、そぞろ歩きするだけでも楽しいです。

ただ、街の中心シュテファン広場は非常に危険です!普段平和なシュテファン広場は、この夜ははしゃいだ若者たちの溜まり場になり、暗くなると爆竹の投げ合いが始まります。コートのフードなどに爆竹が入って爆発したら危険ですので、絶対に近寄らないでください。(シュテファン広場周辺以外の旧市街は安全ですのでご安心を。)

カウントダウンの瞬間は、旧市街のどのステージ周辺でも楽しめますが、一番のおすすめは市庁舎前広場(Rathausplatz)です。巨大野外ステージが組まれ、カウントダウン前からオーケストラとオペラやオペレッタの生演奏が楽しめます。

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人で賑わう市庁舎前(背景はブルク劇場)

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市庁舎前の野外ステージ。オペレッタ歌手たちが有名なオペレッタの歌を歌っています。

そして、カウントダウンが始まり、0時の瞬間!Frohes Neues Jahr!(新年おめでとう!フローエス・ノイエス・ヤー!)という声と共にシャンパンの栓が開く音が落ち着くと、「美しき青きドナウ」が街中全てのステージから流れ、街中の人たちがウィンナーワルツを踊ります。恋人だけでなく、周りにいる友達や知らない人とも順番に組んで、みんなクルクル回る様子は、非常に感動的です。

そして、曲が終わるとシュテファン大聖堂でプンメルンと呼ばれる巨大な鐘の音が鳴らされます。大晦日に鐘を鳴らすのは、日本の除夜の鐘と少し似ていますね。

以上が、一般的な大晦日の過ごし方です。少し上級編になると、国立オペラ座で大晦日のウィーンを舞台にしたオペレッタ「こうもり」(Die Fledermaus)を見る、というのも一つの楽しみ方です。

私はウィーン何年も住んでいて、去年初めてこのチケットを手にしたのですが、なんと特別ゲストに有名オペラ歌手アナ・ネトレプコ&アーウィン・シュロット夫婦が登場し、素晴らしい歌声を聞くことができ、とても特別な大晦日になりました。

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去年の「こうもり」にゲスト出演したアナ・ネトレプコとアーウィン・シュロット

そして、大晦日の夜はいくら遊んでも大丈夫!地下鉄は24時間営業していますので、ご安心を。

さて、元旦の朝はゆっくり起きだし、テレビを付けます。日本でも放映されている、有名なウィーンのニューイヤーコンサートを見るためです。毎年これを聞かないと一年が始まった気がしない!と、どこの家庭でも年始の明るく楽しい音楽を楽しみます。

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ニューイヤーコンサートが開催される、楽友教会(Musikverein)

もちろん、ニューイヤーコンサートの最後は再び「美しき青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」!おうちでも一緒に拍手して、ノリノリで新年を迎えましょう(笑)。もしウィーンで新年を迎えられなくても、日本でコンサートを見て、ウィーンの新年気分を楽しんでくださいね。

(2011年12月執筆)

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