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オーストリア/眼下にウィーンを見下ろしながら秋を感じる「ウィーン・ワイン散策の日」

秋に入ってワインの話題が続いていますが、先週末はウィーン市主催の「ウィーン・ワイン散策の日」のイベントに参加してきました。イベントとは言っても、ウィーン市内にあるワインの名産地を思い思いに散策するだけののんびりしたものです。


「ウィーン、ワインの散歩道」 と書かれた立て札がルートを指し示します。

ウィーンは市内にワインの名産地を抱える、世界でも数少ない首都で、公共の交通機関で行ける範囲内にヌスベルク(Nussberg)やシュタマースドルフ(Stammersdorf)と言った有名なブドウ畑が広がっています。

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こんな風に眼下の景色を楽しみながらワインを楽しみます。

この「ウィーン・ワイン散策の日」のイベントでは、ワイン畑を望む2種類の散歩道の地図が配られます。この辺りは元々ウィーン人には人気の散歩道ですが、普段このあたりに行きなれている人たちも、新しいルートを発見しながら歩くことができます。

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有名なワイン産地ヌスベルクには、ブドウ畑が一面に広がっています。左奥の山はレオポルズベルク(Leopoldsberg)

この日は全長10キロのノイシュティフト・アム・ヴァルデ(Neustift am Walde)からコベンツル(Cobenzl)、ホイリゲ街で有名なグリンツィング(Grinzing)を経由してヌスドルフ村(Nussdorf)へ抜けるルートと、全長11キロのシュタマースドルフ村からビサンベルク山(Bisamberg)を経由してシュトレーバースドルフ村(Strebersdorf)へ抜けるルートをそれぞれ4つに区切った散策ルートの地図が、途上のインフォメーションと公式サイトで配布されました。

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こんな風にワインセラーが並ぶ寂れた田舎道にも風情があります。

途中にはホイリゲ(ワイン居酒屋)や特設ワイン屋台のほか、景色がいい高台や動物ふれあいパーク、子供遊び場などもあり、全ルートベビーカーが通れるように迂回路まで設けられているという至れり尽くせりぶり。

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2012年「ワイン散策の日」公式レープクーヘン(スパイス入りクッキー)がかわいらしいです。

散歩道沿いには近隣のワイン農家が屋台を出したり、ホイリゲではブドウ畑の真ん中にライブバンドの演奏があったりして、いつもはひっそりした散歩道がワイン好きの家族連れなどでにぎわいます。

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散歩道の途上には、こんな風にワイン農家やホイリゲへの案内が出ています。

ホイリゲエクスプレスというホイリゲを結んだかわいらしい路面電車もルートの一部を走り、ムードを盛り上げます。

こんなかわいらしいホイリゲエクスプレスがワインの道を通ります。

今回私たちはヌスドルフからヌスベルクを上がるルートを2キロほどを1時間くらいかけてゆっくり歩いたのですが、少しずつ高度が上がるにつれて眼下に広がるウィーンの景色と、前景のワイン畑がすばらしい対比をなしていました。

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前景がワイン畑、背景はウィーンとドナウ河。

毎年9月末~10月始めの週末に行われるこの「ウィーン・ワイン散策の日」。天気のいい週末をのんびり楽しむのにはぴったりのイベントです。この時期にモスト(ワインの原料になるぶどうジュース)、シュトルム(ワインになる発酵途中のぶどうジュース)、地元のワインを楽しみたい方はぜひ参加してみてください。

(2012年10月執筆)


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